芍薬の管理の仕方
基本的な育て方と共に、かならず行っておきたい管理の仕方をご紹介します。ここからご紹介する作業はおもに美しい花を咲かせるために必要なものです。これらの作業をしなくても花を咲かせることは可能ですが、せっかく育てた芍薬にはできるだけ見事な花を咲かせてあげましょう。それぞれの作業の難易度は高くないので、ぜひこれらの作業も行ってください。
管理の仕方①殺菌剤
芍薬のつぼみが被害にあいやすいのが灰色かび病という病気です。この灰色かび病にかかったつぼみは、茶色くしおれてしまい咲くことはありません。開花を目前にしながらがっかりすることのないように、あらかじめ殺菌剤で予防しましょう。ベンレート水和剤などが効果的です。殺菌剤は芽が出てから開花までの間に2~3回散布してください。
ポイント
- 薬剤を使用する際は、用法・容量を守って正しく使いましょう。特に小さなお子様やペットのいるご家庭では使用、保管に十分注意してください。
管理の仕方②摘蕾
摘蕾(てきらい)とは、大きく立派な花を咲かせるために余分なつぼみを摘んでしまうことです。芍薬は多くの場合、茎の先端だけでなく脇からも複数のつぼみが出てきます。これらのつぼみを残しておくと栄養分が分散されて立派な花が咲きません。先端のつぼみだけを残してあとは全部摘み取ってください。摘蕾はハサミなどを使わなくても手で簡単に行えます。
管理の仕方③花がら取り
花が終わったあとは花がらを取り除いてください。そのまま放置しておくと、種をつくるために栄養分を消費して株が消耗してしまうだけでなく、病気や害虫が発生する原因にもなります。なるべく早めに行いましょう。やり方は花がらを茎の部分からハサミで切り取るだけです。花を楽しんだあとも、また来年に向けてひと手間かけてあげましょう。
管理の仕方④剪定
剪定といっても、芍薬の場合は姿を整えるための剪定は行いません。冬を迎える前に強い刈り込みをしてください。芍薬は冬になると地上に出ている部分が枯れて、地下の根だけが春まで生き残ります。10月以降に茎や葉が完全に枯れたのを確認して、株の根元からバッサリ刈り取りましょう。刈り取った茎や葉はすみやかに処分してください。
ボタニ子
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