ツピタンサスとは?
ツピタンサスは、葉はやや厚みと光沢が特徴の観葉植物です。幹が曲がっていておしゃれなインテリアとしても人気が高いです。耐陰性があり、乾燥に強くて水やりの回数が少なくてすむので、室内で育てやすい植物です。また、極端に暑い場所や10℃以下になるような寒い場所でなければ育てることができます。ツヤがある葉が美しく、同じ品種でも株によって葉の紋様が異なります。ひとつひとつ別々の個性が魅力的なツピタンサスは、手入れも簡単で初心者にもおすすめの観葉植物です。
学名は『Tupidanthus calyptratus』
基本情報
名前 | ツピタンサス |
科 | ウコギ科 |
属 | シェフレラ属 |
学名 | Tupidanthus calyptratus |
原産地 | 中国・北インド |
『曲がり』が魅力
ツピタンサスは幹やわき芽がやわらかい状態のときに、ワイヤーややわらかいひもで幹を固定することで曲げられます。自在に幹の曲がり方をデザインでき、盆栽のような『曲がり』が魅力的です。ツピタンサスはゆっくりと時間をかけて、曲がりの美しさを作り出すことが可能です。
ツピタンサスを育てる場所
室内の日当たりのよい場所
日なたを好むツピタンサスですが、直射日光が苦手です。そのため、レースのカーテン越しの光が当たる場所がベストです。室内のどこに置いても育ちますが、できるだけ日当たりのよい場所で育てると、ツヤのあるキレイな緑色の葉を保ちます。直射日光のような強い光にあててしまうと、葉焼けをして葉が落ちることやしおれる可能性があるため注意しましょう。
明るい日陰
ツピタンサスは外で育てることもできます。ただし、室内で育てる場合と同様に直射日光の当たらない半日陰に置きます。日陰でも大丈夫ですが葉の色が薄く、悪くなってしまった場合には日照不足が考えられますので、できるだけ直射日光の当たらない明るい場所に置きましょう。
ツピタンサスの育て方
用土
肥沃で水はけがよい土を好むツピタンサスは、観葉植物用の用土を使用しましょう。配合して用土を作る場合には赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1がおすすめです。植物を育てるときに、用土の配合はとても大切です。育てたい植物に適した配合で土を作りましょう。
肥料
肥料は液肥の場合は2週間に1度、緩効性肥料は2ヶ月に1度を目安にあたえましょう。また、葉の状態をしっかりと観察をして色が悪くなったら、必要に応じて肥料をあたえます。ツピタンサスは日頃から、葉の様子を注意深くチェックしましょう。
植え付けと植え替え
植え付けは5月中旬から9月に行いましょう。植え替えは2年に1度を目安に春から秋の生育期に行います。基本的に底から根が出ていたら、植え替えしましょう。また、葉の先が黒くなってきた時も、根詰まりをしている可能性があるため植え替えのタイミングです。
植え替え方法
ひと回り大きいサイズの鉢を用意して、根をやさしくほぐしながら土をおとします。傷んでいる根があったらカットしましょう。新しい土をすきまがないようにしっかり入れます。植え替えたあとは、水をたっぷりあげてください。
水やり
春から秋にかけては、土の中まで乾いたら水やりをします。霧吹きなどで葉水をすると乾燥や害虫予防になります。冬は乾燥気味に育てることが大切です。土が中まで乾いてからさらに1週間後に、たっぷり水やりをします。ツピタンサスは水のやりすぎで根腐れを起こして枯れるため、水やりは土が中まで乾燥してから行いましょう。土の中の水分がよくわからないときは、土にわりばしを突き刺してわりばしが濡れていたら、土の中もぬれていると判断するのがおすすめです。
手入れ
手入れ方法は、葉をぬれたやわらかい布で拭いてほこりを落としたり、霧吹きで葉に水をかけたりしましょう。葉のほこりや汚れを落として充分に日光をあてると、葉がツヤツヤになります。また、害虫を防ぐこともできます。ツピタンサスは葉の日当たりに注意しましょう。
ボタニ子
ツピタンサスが枯れる原因
根腐れを起こしている
ツピタンサスは、水をやりすぎてしまうと根腐れを起こして葉が枯れることがあります。受け皿にたまった水で根腐れを起こすこともあるため、受け皿にたまった水は捨てましょう。また、夏は閉めきって湿気が多い部屋では、鉢の中が蒸れて根腐れを起こす場合もあるので、長期間留守にする際には注意しましょう。葉が落ちることやしおれることがあったときには、根腐れをしていないかチェックしましょう。
病気や害虫
ツピタンサスは、カイガラムシが発生することがあります。カイガラムシの排せつ物がすす病を増殖させてしまうので、葉が枯れてしまいます。すす病とは、葉にすすのような黒ずみができてしまうことで光合成ができずに枯れてしまう病気です。カイガラムシを見つけたら駆除して、すす病になったらベンレートなどの薬剤で対処しましょう。
ツピタンサスの剪定方法
剪定方法
成長が早いため定期的に剪定が必要です。湿気に弱い植物のため風通しがよくなるように、成長点を意識しながら剪定しましょう。成長点とは新芽が出る場所のことです。好みの大きさよりも少し下の成長点をカットしてもよいでしょう。剪定をしても成長点からまたわき芽が出て伸びるため、ちょうどいい大きさにできます。
剪定時期
春から夏の生育期に剪定しましょう。もし切りすぎてしまっても、すぐに成長するため剪定はむずかしくありません。思い切ってカットしましょう。ただし、ツピタンサスは寒さに強くないため、真冬に剪定はしないようにしましょう。
ツピタンサスの曲げ方
ワイヤーを使って曲げる
ツピタンサスの曲げ方は、幹やわき芽がやわらかいうちに幹にワイヤーや麻ひもをまきつけます。両手で支えながらゆっくりと幹を曲げて固定します。はげしく曲げるたり幼木のうちにやると幹が折れてしまうので注意が必要です。幹の部分とは別のワイヤーや麻ひもで曲げたい方向に固定して数週間から数ヵ月そのままにします。幹が曲がった状態になったら、もう少し曲げたい場合にはさらに角度をつけて数週間から数ヶ月固定します。完全に曲がったクセがつくまで、ワイヤーは外さずにおきましょう。
ツピタンサスの室内での管理のコツ
冬は寒さに注意
ツピタンサスは5℃以下になると越冬できないため、最低でも10℃以上の場所で育てましょう。屋外で育てる場合には、気温に注意しなければなりません。霜ができる環境では枯れてしまいます。そのため冬の時期は室内で育てるのがおすすめです。また、冬に水やりを控えることで、寒さに強くなります。
夏は乾燥に注意
夏はエアコンの風が直接当たると、乾燥して枯れてしまう可能性があるため注意が必要です。葉が枯れたりしおれたりすることもあります。日当たりがよく、エアコンの風が当たらない場所で育てましょう。
ストレスに注意
環境の変化に敏感なツピタンサスは、ストレスがかかると葉が落ちてしまうことや枯れることがあります。買ってきたばかりのときや、ひんぱんに配置換えをした場合には移動がストレスになることもあるのでできるだけうごかさないように注意が必要です。環境に慣れてくるとまた葉をつけるため、同じ場所で育てましょう。
まとめ
ツピタンサスは曲がりが魅力的で育てやすい観葉植物です。育て方のポイントは、水のやりすぎと湿気に気をつけてたっぷりと日に当てましょう。ツピタンサスを上手に育てて、インテリアとして緑を楽しみましょう。
次はツピタンサスが枯れてしまう原因を紹介します。