ハラン(葉蘭)とは?植物としての特徴・用途(殺菌効果)や育て方!

ハラン(葉蘭)とは?植物としての特徴・用途(殺菌効果)や育て方!

ハラン(葉蘭)は華やかではありませんが、非常に利用価値の高い魅力的な植物です。ハランは園芸以外にも、殺菌効果を利用して料理にも使われる他、芸術的な分野でも重宝されています。植物としての特徴や育て方や増やし方、幅広い用途についてご紹介しましょう。

記事の目次

  1. 1.ハラン(葉蘭)とは
  2. 2.ハランの特徴
  3. 3.ハランの育て方
  4. 4.ハランの殺菌作用の利用法
  5. 5.ハランのそれ以外の用途
  6. 6.家庭でハランを育てて活用しよう

ハランの育て方

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ハランは特別な育て方をしなくても、よく育ちます。

ハランは関西以西では放置状態でもよく育ち、戸外で越冬します。日陰でも元気で、初心者でも育てやすい植物です。しかし、いくつか注意点があります。ハランの植え付けや増やし方など、詳しい育て方をご紹介しましょう。

植え付けの場所

明るい日陰が大好き

ハランの植え付け時期は、3月下旬~6月中旬と、9月中旬~10月下旬が適切です。ハランは風通しの良い明るい日陰を好みます。また、暑さには強いものの直射日光には弱い植物です。夏の強い日差しや西日が当たると葉焼けを起こしてしまいます。ですから、木の下や庭の北側などの日陰に植えるか、鉢植えにして明るい室内で育てるのがおすすめです。特に斑入りの品種は日光に弱いので、気をつけましょう。

耐寒性がやや弱い

ハランは暑さに強いものの耐寒性はやや弱く、氷点下の気温には耐えられません。暖地では戸外で越冬できますが、霜よけなどは必要です。関東以北では防寒対策をするか、室内に取り込みます。乾燥には強いですが、ほどよい湿り気のある場所が好きな植物です。水はけがよすぎる場合は腐葉土などを与え、粘土質の場合は川砂を加えて土壌改良します。元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込みましょう。

鉢植えは明るい室内で

ハランは鉢植えにして室内で育てられるので、観葉植物としても人気があります。この場合は、ほどよい保水力と通気性があり、水はけがよい用土を選びます。市販の草花用培養土か、赤玉土6に腐葉土4を配合した用土がおすすめです。明るい日陰で風通しがよい場所で管理すると、美しい葉を保つことができます。冬には氷点下にならないようにしましょう。

水やり・肥料

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冬は水やりを控えめに

ハランはたくさんの水を吸収して生長します。庭植えの場合も鉢植えの場合も、水やりは土が乾き始めたらたっぷりとやるのが基本です。地植えの場合はほぼ降雨だけで十分ですが、日照りが続く時には水やりをします。秋から徐々に水やりの回数をを減らし、冬は乾燥気味に管理するのがポイントです。土の表面が乾いてから数日後に水やりをするくらいがちょうどいいでしょう。

斑入り品種は肥料をあげすぎない

肥料をあげるのに適切な時期は、12~2月です。寒肥として有機質の肥料(油かすや鶏ふん)を与えます。これが春に生育する際の養分となるのです。斑入り品種では、肥料が多すぎると斑が消えることがありますので、控えめにしましょう。

主な手入れ

Photo bystux

葉を整理して風通しよくする

ハランの育て方のうち、日常的な手入れとして重要なのは、葉の整理です。葉が混み合っている部分や、垂れ下がって地面についている葉は切り取って風通しをよくします。剪定に夏の季節は適しません。しかし、枯れた葉や傷んだ葉を取る作業は別です。ハランの葉は傷んでも落ちることがありません。そのような葉は季節に関わらず取ってあげましょう。

2年に1度、株の整理をする

株の整理も大切です。ハランは丈夫で育てやすい一方、増えすぎて困ることもあります。特に鉢植えでは、鉢底から根が出たり株が混み合ったりしてきたら、株分けや植え替えをして株の整理をしましょう。2年に1回程度の頻度が目安です。そっと根をほぐして古い土を3分の1程度落とし、新しい土に植え付けます。時期としては、植え付けと同じく3月下旬から6月上旬、9月中旬~10月下旬が適期です。

病害虫

Photo by JIRCAS

葉の様子をこまめに見てあげましょう。

円星病(まるほしびょう)

ハランには円星病が発生することがあります。円星病の原因はカビで、葉全体に直径5~10mmの円形の褐色の斑点が現れる病気です。放置すると病斑が融合して大きくなり、葉が灰褐色になって株が枯れることもあります。円星病は気温が20~30℃で多湿になると起こりやすい病気です。

円星病の予防

予防として株が蒸れないように水のやりすぎに注意し、葉を整理して風通しをよくします。窒素分の多い肥料を控えることも有効です。また、発病した葉が地面に接したり、切った葉を周りに置いたままにすると、円星病の菌が土壌に残って越冬します。翌年雨が降った時に、跳ね返った泥と一緒に菌がつき、また感染してしまうのです。発病した葉は根本から思い切って取り、処分しましょう。

カイガラムシ

ハランにはカイガラムシがつくこともあります。カイガラムシは体長2~3mmで、葉の裏について養分を吸い取ってしまうのです。カイガラムシを見つけたら、葉を傷つけないように歯ブラシやヘラでこすり落とします。殺虫剤は、成虫には固い殻があるので効果がありませんが、幼虫には効果的です。

病害虫以外に枯れる原因

病害虫以外の原因でハランが枯れることがあります。葉焼け、水切れ、根腐れ、寒害などが主な原因です。直射日光が当たっていないか、水やりの量と頻度が適切か、氷点下まで下がっていないかなどをチェックしましょう。葉が先の方から枯れてくることがありますが、葉が古くなると見られる自然な症状です。そのような古い葉は切り取って、新しい葉を育てます。

増やし方

株分けでの増やし方

ハランは株分けで増やすのが基本です。株分けをすると株が元気になり、病害虫も予防できます。適している季節は、3月下旬~4月上旬か9月中旬~10月下旬です。はさみを使って丁寧に、3~6芽ごとに株を分けて植え付けます。

種からの増やし方

ハランは種からでも増やすことができます。種を取って5月に蒔くと、2か月ほどで発芽するそうです。最初のうちは多めに水やりをします。雑草に栄養を取られやすいので、周辺の草をこまめに抜いてあげることも重要です。

ボタ爺

ボタ爺

次項では、ハランの利用法や用途についてまとめています。

ハランの殺菌作用の利用法

出典:写真AC

ハランの葉には殺菌作用があることが知られています。その有効成分がどんな構造をしているのかは、はっきりしていないようです。しかし日本人は昔からこの効果に気づき、ハランの殺菌作用を有効活用してきました。

葉全体を料理の器として利用

出典:写真AC

葉は全体をそのままの形で、料理の器として使われます。少し前まではこの葉でおにぎりを包んでいましたし、お皿に敷いて使われることも多いです。大きな葉は料理を盛ったり包んだりするのに十分な大きさで、一年中深い緑の葉は料理を一層美味しそうに見せてくれます。抗菌作用もあるのでで、乾燥の防止、防腐や消臭にも役立つ生活の知恵だったのです。

葉を切って料理の仕切りや飾りとして利用

綺麗なだけではないハランの飾り切り

和食や寿司屋では、ハランの葉を切って料理の仕切りや飾りとして使います。動画のように包丁で細かい細工が施されることもあり、とても綺麗です。見た目だけではありません。切れ目をたくさん入れることで、抗菌作用のある成分がより多く発散されるのです。クマザサも抗菌作用や防腐作用があり、ハランと同じような使われ方をします。

「バラン」はハランの飾りの模倣

折詰や刺身についてくるバラン(緑のプラスチックシート)は、ハランの葉の飾りを真似して作られたものです。元は「人造バラン」と呼んでいました。「人造ハラン」では言いにくいので「人造バラン」になったのです。その後「人造」が省略されて「バラン」となりました。今では動物型やカラフルな物など、本家本元のハラン(葉蘭)がびっくりするようなバランがたくさんあることは、周知の通りです。

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ハランのそれ以外の用途

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