ハランのそれ以外の用途
今度は、ハランの殺菌作用を利用する以外の用途をご紹介します。画像のように、ハランでバラの花のチョーカーを作った作品もありました。他にどのような用途があるのでしょうか。
用途①庭の下草として
ハランは世界中で栽培されており、和風の庭にも洋風の庭にもよく合います。ハランは常緑樹の下や北側の日陰でもよく育つので、庭や公園の下草として利用価値が高いのです。群落となって風にそよぐさまは、まるで緑の波のようで存在感があります。
用途②生け花やフラワーアレンジメントに
葉蘭に始まり葉蘭に終わる
ハランは和風の生け花や洋風のフラワーアレンジメントにもよく使われます。特に生け花の世界では、「葉蘭に始まり葉蘭に終わる」と称されるほどです。基本的な技術が修得しやすいとして、初心者のお稽古に必ず使われます。
ハランは名脇役
ハランの葉は色も形もシンプルで一見地味ですが、だからこそどんな花と合わせても邪魔にならず引き立ててくれます。季節を問わず使えるのも魅力です。葉が大きくて長くしっかりとしているので、切れ目を入れたり、波打たせたり、ひねって動きを出したりすることもできます。ハランは名脇役なのです。
用途③水中花(葉)
画像は、透明なガラスの器に水を張り、ハランの葉を飾った水中花(葉)です。3週間一度も水を変えなくても、水も葉も腐らず生き生きとしていたといいます。こんなところでもハランの抗菌作用が生かされるのでしょう。涼しげで夏のインテリアにぴったりです。
用途④フラダンスの飾りに
ハランはフラダンスに使われることも多いといいます。本来はポリネシア原産のティーの木の葉(ティーリーフ)が使われるのですが、日本では手に入りにくいのです。そこでハランが代用品として利用されます。ハランの葉はティーリーフより編みにくいそうですが、画像のようにレイを作ったり、クーペエ(手首や足首につける輪)や髪飾りも作られるのです。
用途⑤ハランで切り絵
寿司職人伝統の技である葉蘭切りは、芸術の域まで昇華しています。葉蘭切り絵展が開催されるほどです。大正13年創業の『築地玉寿司』では、職人の技術を競う社内コンクールを40年間続けていますが、葉欄切りもその一つとなっています。作品のクオリティは年々高まっており、注目度も上昇中です。コンクールでは人造バランが用いられるそうですが、その技術は本物の葉蘭にも生かされることでしょう。
家庭でハランを育てて活用しよう
ハランは伝統園芸品種として日本人に愛されてきました。耐寒性はやや弱いものの日陰に強く、育てやすい植物です。ハランは一年中シンプルで大きな緑の葉をたたえ、花を飾る時には見事に脇役を演じます。ハランの葉をお弁当の仕切りや彩りに使えば脱プラスチックとなりますし、普段とは違う雰囲気が演出できる上に抗菌性もあって便利です。家庭でハランを育てて、利用してみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC