ケイトウってどんな花?
やさしい色のお花もかわいいけど、緑の中にパッと映えて目を引くようなお花も素敵ですよね。暑い夏の間も花壇を元気にしてくれる。そんなお花を育ててみたかったらケイトウはいかがでしょう?個性の強い花なので、少し苦手という方もいるかもしれませんが、種類が豊富なので、きっと自分のお気に入りのケイトウが見つかるはずです。
特徴
ケイトウはヒユ科の熱帯原産です。開花時期は7月から11月で、暑い夏でも元気に咲いてくれて、冬になると枯れる春まきの一年草です。目の覚めるような鮮やかな赤、桃色、紫、黄、淡い緑や白などの花色で、その形がニワトリのトサカににているため、鶏頭(ケイトウ)と名が付きました。確かに鮮やかな色やとがった頭が似ていますね。ガーデニング初心者でも育てやすく丈夫で、開花時期が長いため、長い期間、お庭や花壇を華やかにしてくれ、暑い夏の間も元気を与えてくれます。
基本情報
和名 | ケイトウ |
英名 | Cockscomb |
学名 | Celosia cristata L. |
原産地 | インド、熱帯アジア |
形態 | 一年草 |
開花時期 | 7月から11月 |
花色 | 赤、ピンク、黄、オレンジ、薄い緑 |
耐寒性 | 弱 |
耐暑性 | 強 |
種類
ケイトウの仲間セロシア属は60種類くらいあり、トサカ系クリスタータ、久留米ケイトウ、プルモーサ系羽毛ケイトウ、キルドシー系ヤリケイトウの4つのグループが一般的にケイトウと呼ばれています。
トサカ系クリスタータ
一番ポピュラーな種類で花壇などで目にします。トサカのような形状をしているのはこの種類です。
久留米ケイトウ
比較的新しい品種で球状の花が重なって咲きます。
プルモーサ系羽毛ケイトウ
羽毛のような柔らかく優しい質感で円錐形をしているものが多いです。
キルドシー系ヤリケイトウ
球状のものが集まってボールのように見える種類です。
ケイトウの花言葉
ケイトウの花言葉は「おしゃれ」「気取り」「色あせぬ恋」などです。「おしゃれ」「気取り」は名前の由来になったニワトリのトサカが色鮮やかで立派であったことに由来していると言われています。また、ドライフラワーにしても鮮やかな色が保たれるため、「色あせぬ恋」が花言葉になりました。その個性をいかして、最近では切り花としても人気で、ドライフラワーもアレンジメントなどに重宝され、屋外だけではなく室内でも楽しまれています。
ケイトウの育て方
ケイトウは初心者でも育てやすい丈夫な植物です。でも、大事に育てた葉や花が枯れると悲しいですよね。枯れることなく、元気に育つように基本的な栽培方法や増やし方、害虫や病気から守る方法をご紹介します。
育て方① 栽培環境
ケイトウが好むのはどのような場所でしょう?日当たりと水はけのよい場所、有機質に富んだ土が適しています。土を作る場合は、赤玉土7、腐葉土3の配合土などが適していて、苦土石灰をまぜましょう。タネの発芽適温は20℃から30℃で生育の適温は15℃から30℃になります。屋外で育てることが多いですが、室内で育てたい場合は窓際などの日当たりのよい場所を選びましょう。
育て方② 種まき
苗から育てることが多いですが、育てやすい植物なので種から育てることもできます。4月下旬から8月ごろまでが種まきに適した時期です。移植に弱いため、お庭や広めのプランターに直撒きするかポットに巻いて根がはるまで育てます。種は2mmほどの小さなものなので覆土は薄くし、日光を嫌うため発芽するまでは新聞紙などで覆うのがよいでしょう。
育て方③ 水やり
ケイトウは乾燥を嫌うため、土を乾かさないように充分に水やりをします。特に種まきから苗が小さいうちは注意します。真夏の水やりは昼間の日の当たる時間帯は蒸れてしまうので、早朝や夕方にあげるようにしましょう。花がさいたら、その色をきれいに保つために花に直接水をかけずに株元に水やりするように注意します。
育て方④ 肥料
プランターで育てる場合、本葉が出てきたころから週に一度肥料を与えます(ハイポネックス1000倍液など)。ケイトウは肥料や水分が切れるとストレスを感じ、小苗で花穂がついてしまう場合があるため注意しましょう。
育て方⑤ 間引き
せっかく発芽したかわいい葉をつむのは気が引けますが、元気に育苗するためには、新芽同士の密集を防ぎ、日当たりと風通しをよくし、病気や害虫を防ぐ必要があるので間引きをします。双葉のうちに生命力がある葉(成長が早く、茎が太い)を残し、密集しているところを間引きします。残したい双葉を傷つけないようにピンセットを使用するのもおすすめです。
育て方⑥ 植え替えと支柱立て
ポットで育てている場合、根が回ったころにお庭やプランターに定植をします。ケイトウは植え替えを好みません。根が傷つかないように充分に注意し、根をほぐさずにそのまま移します。間隔はわい性種で15~20cm、中高性種で25~30cmが好ましく日当たりと水はけのよい土地を選びます。中高性種の場合、茎が折れてしまうこともあるので、つぼみが出始めるころに支柱を立てるか、もしくは土寄せ(株元にむかって土を盛ります)をします。
育て方⑦ 摘心と花がらの取り方
きれいな色の大きな花をたくさん咲かせるためには摘心と花がら摘みをします。ケイトウの花はとても長持ちしますが、花の色がうすくなってきたら花がらを積みましょう。花がらが土に落ちた状態で放置するとカビの原因にもなるので必ず取り除きます。また、植物は先端の芽に優先的に栄養を届けようとしますので、脇芽から新しい花がでてきている場合、その上からカットすると大きな花がつくようになります。
育て方⑧ ケイトウの増やし方
綺麗なケイトウをまた楽しむための増やし方は、種をきちんと収穫しておくことです。ケイトウは冬になると枯れる一年草なので、冬の間は種を保管しておきます。ケイトウの種は花が咲き終わってから回収します。花をそのままにしておくと乾燥して茶色くなるので、花穂を切り取って新聞紙などの紙の上で軽くたたくと黒い小さな種がとれます。とれた種は風通しのよい場所で日陰干しして、冬の間、室内保存し、翌年の種まきの時期にまきます。
ケイトウを守る方法
ケイトウは比較的丈夫な植物ですが、大事に育てたケイトウが枯れてしまったら悲しいですよね。きれいな花を咲かせるために病気や害虫から守るポイントをご紹介します。
病気から守る
注意したい病気は立枯病、灰色カビ病、連鎖障害です。土は新しいものを使い、日当たりや水はけに気を付けましょう。
立枯病
発病部に単黄色や赤色のカビが生じて、主に茎が褐色になって腐敗し、そこが細くくびれます。やがてしおれが拡大し、倒れて枯れてしまいます。
灰色カビ病
水がしみたような淡褐色の病斑ができ、やがてそこが枯れ、腐敗して灰色ないし灰褐色のカビに覆われます。茎が侵されると、そこから上の部分が枯れてしまいます。
連鎖障害
同じ科の植物を同じ場所で作り続けることにより、生育障害がおきます。
害虫から守る
ケイトウにつきやすい害虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニ、ネマトーダです。予防方法としては定期的に殺虫剤をまきます。乾燥が続くとハダニがつきやすくなるため、注意します。
まとめ
ケイトウは丈夫で育てやすく、色鮮やかな色は元気を与えてくれます。ガーデニング初心者でも失敗することなくきれいな花を咲かせることができるはずです。種類も豊富なので今年はこの種類、来年は違う種類とガーデニングプランを立てたり、存在感のある植物なので他の植物と組み合わせて栽培し、プランターで寄せ植えを楽しむのもいいですね。自家製のアレンジメントを作れば冬の間も室内を彩ってくれるでしょう。みなさんもぜひ育ててみてください。
出典:写真AC