ジュエルオーキッドの植え替え
ジュエルオーキッドの植え替えができる時期は、春5〜6月です。根詰まりは少ないのですが、用土と同じように水苔も劣化してくるので1〜2年で植え替えることをおすすめします。鉢ごと浸水させて、古い水苔を取り除きます。根の周りの水苔は無理に落とさなくても大丈夫です。そのあとの作業は「植え方④苗の植え付け」と同じです。ここではガラス容器を使ったパルダリウムへの植え替えをご紹介します。
パルダリウムへの植え替え
ジュエルオーキッドの植え替え・パルダリウムの仕立て方
- 用意した器に、中粒〜大粒のハイドロボールを2〜3cm入れる
(根腐れ防止にゼオライトを少量入れるのもOK) - 根元を水苔で巻いたジュエルオーキッドを入れて、株の周りを水苔で抑える
(湿度を好むミニ観葉やオアシス苗を一緒に入れてもよい) - ハイゴケで表面を覆うか、仕上げ砂を入れる
- 明るい日陰に置いて、霧吹きで水やりする
- 毎日息を吹きかけて、新鮮な空気を入れ替える
- 強い光は必要ないので、LED照明はやや離しておき、夜は消灯する
ジュエルオーキッドの増やし方
増やし方は株分け
ジュエルオーキッドの増やし方は株分けで、時期は春5〜6月になります。一部の品種は茎を剪定する挿し木(挿し芽)での増やし方も可能です。ただし、ジュエルオーキッドは成長速度がとてもゆっくりな植物なので、株分けや剪定出来るぐらいになるのは、それなりに時間がかかるものと思っておきましょう。
ジュエルオーキッドの増やし方・株分けの手順
- 株分けできる時期は、春5〜6月
- 親株からでたわき芽の葉が2〜3枚になり、根っこも出てきたら準備OK
- 子株を指先でつまみ、ひねるように切り離す
- 根元を水苔で包んで、新しい鉢に植え付ける
(詳しくはこの記事の「ジュエルオーキッドの植え方」を参照)
シュスラン系の増やし方
シュスラン、ルディシア系の増やし方・挿し木(挿し芽)の手順
- 先端から5〜6枚葉がついたところで剪定
(消毒したカッターで、組織を潰さないように切る) - 下葉を1〜2枚落として、切り口から節までを水苔で巻く
(節とは、葉の付け根のこと) - 挿し木・挿し芽用の土に植えて、乾かさないように明るい日陰に置く
ジュエルオーキッドの葉が枯れる原因
室内で花や観葉植物を育てていると、葉が黄色くなったり、ポロポロと落ちたりして枯れてしまうことがありますね。気難しいジュエルオーキッドを美しく丈夫に育てるために、葉が枯れる原因をしっかりと理解して育て方や植え方を見直してみましょう。
枯れる原因①寒さは厳禁!
熱帯性のジュエルオーキッドに寒さは厳禁です。理想とする生育温度は25℃ぐらいで、冬も15℃を下回らないように管理します。簡易温室に入れたり置き場所を工夫したり、徐々に寒さに慣らすのが上手な管理のポイントです。また、エアコンを使う時には風が直に当たらないようにしましょう。夏の暑さには強いですが、蒸れた状態での暑さは株を弱らせる原因になります。暑い時期の水やりは、日が落ちて涼しくなってからがおすすめです。
枯れる原因②湿度が足りない?
ラン類に根の過湿は不要です。必要なのは葉の保湿で、水やり=湿度ではありません。ジュエルオーキッドの湿度が不足すると葉先からしおれてきます。成長速度が遅いので、一度変形してしまうとなかなか復活しません。葉水(霧吹き)をする時は、葉裏にひと吹きするのがおすすめです。アクアテラリウムやパルダリウムで栽培する時は、完全に密封してしまうと光合成の妨げになります。息を吹きかけて、新鮮な空気を入れ替えるようにしましょう。
枯れる原因③環境変化?!
ジュエルオーキッドを育てるのが難しいと言われる原因は、他の植物と比べて環境変化への適応力が低く、栽培に適した条件を整えるのには手間がかかるからです。さらに成長速度が遅く、手応えが感じられないことも難しい原因の一つでしょう。栽培カレンダーを確認して、時期外れの植え付けや植え替えは控え、花後の肥料を忘れずジュエルオーキッドのストレスを減らして、基本に忠実にじっくりと育てていきましょう。
ボタ爺
パルダリウムで楽しむ!
パルダリウムは水槽やガラス容器の中に、熱帯雨林を再現したテラリウムの一種です。高い湿度を好む植物や苔をレイアウトして、ジュエルオーキッドの栽培に適した環境が作れます。パルダリウムの水やりは霧吹きで、LEDを光源にできる手間のかからない栽培方法です。作り方はこの記事の『ジュエルオーキッドの植え替え』をご確認ください。ジュエルオーキッドとも相性がよく、パルダリウムにおすすめの植物は以下をご覧ください。
パルダリウムにおすすめの植物
- コケ類
- シダ植物
- ワイヤープランツ
- 食虫植物
- ベゴニア 他
まとめ
キラキラと光り輝く葉脈を持つジュエルオーキッドは、他の植物とは一味違うランの一種です。成長速度がとてもゆっくりで、育てる環境には気を使う面もあります。それでも一度は実物を見ていただきたい、そんな不思議な魅力溢れる植物です。花と緑のある暮らしに変化をもたらせてくれる、ジュエルオーキッドのパルダリウムに挑戦してみてはいかがでしょうか。
実際のところ、水やりは霧吹きでOK!温度・湿度計をチェックするだけ、普段はそんなに手がかかる訳ではないんだ。何事も、ほどほどが肝心じゃよ。