クワズイモとは
大きな里芋の葉っぱですね。いいえ、似てはいますが、これは里芋ではありません。これがクワズイモです。里芋と同じサトイモ科ですので、よく似た葉っぱをしています。このクワズイモは、草丈が人の背丈ほどまで成長します。葉は大きなものだと、長さ60cmくらいにまでなります。
名前の由来
里芋の葉っぱに姿・形は似てはいますが、里芋とは違って芋はできません。芋を食べることができない、「芋が食えず」、ここから「クワズイモ」と名づけられました。クワズイモは食べられないどころか、シュウ酸カルシウムという刺激性の物質を持っています。
クワズイモの花
見た目からは、バラなどのような華やかさは感じられないかもしれません。でも、近づくととても甘くよい香りがしてきます。6月~8月頃が花の時期になりますので、この変わった形の花を見て、香りも楽しみましょう。
ボタ爺
ボタニ子
ポイントって?花が咲くように、上手に育てるにはどうすればいいの?
ボタ爺
葉っぱは大きく、色も濃い緑色になるように育てるのじゃ。葉っぱを大きくするには、茎も太く育てんとな。
クワズイモの花言葉
クワズイモの花言葉は、とても素敵なものです。花言葉は「仲直り」「復縁」です。大きなハートにも見える、葉っぱの形から花言葉は生まれたのでしょう。花姿には華やかさはないかもしれませんが、花言葉はとても温かさを感じるものですね。
観葉植物としてのクワズイモ
クワズイモは観葉植物として、とても人気がある植物です。上記の「クワズイモとは」で載せた写真を見て、「葉っぱが大きい」と感じた方もいらっしゃるでしょう。実は、観葉植物として人気のあるクワズイモは、もう少し小さい種類なのです。
クワズイモの種類
ハート型の葉っぱが可愛らしいと、クワズイモを購入される方も増えているようです。お店で見るクワズイモは、主に外国から来た品種になります。ここで特に人気のある3品種をご紹介しましょう。葉っぱの形や模様に特徴があり、どれも素敵なクワズイモですよ。
インドクワズイモ
クワズイモには、いろいろな葉っぱをした種類があります。その中でも、一番多く育てられているのがこのインドクワズイモです。人気の理由は、可愛らしいハート型の葉っぱにあるようですね。
アロカシア・アマゾニカ
アロカシア・アマゾニカは、とても特徴のある葉っぱをしています。葉っぱには、くもの巣のような葉脈が見られます。濃い緑色の葉っぱに白い葉脈のコントラストがとても美しいといわれる種類です。目を奪われるような容姿ですね。
アロカシア・グリーンベルベット
葉っぱの光沢がとても美しいクワズイモです。名前はアロカシア・グリーンベルベットです。この葉っぱの光沢がベルベットのようだということから、この名前が付けられました。
クワズイモが育たない・枯れる原因と対策
皆さんのクワズイモの葉っぱは、黄色くなく、濃い緑色をしていますか?葉が枯れる、しおれる、その他にも、新しい葉っぱが出ない、と悩まれている方もいるようです。きちんとした育て方をしているのに、なぜ育たないのでしょうか。4つの原因と対処法をご説明しましょう。
①鉢の置き場所
日がよく当たる部屋に置いているのに、「葉が枯れる」とお悩みではありませんか?その場所は、直射日光がよく当たる場所ではないですか?実は、クワズイモは直射日光に当ててはいけないのです。「日が当たるほうがいいのでは?」と思うかもしれません。なぜ、直射日光に当ててはいけないのでしょうか。理由は、クワズイモの生息地に関係しているのです。
原因
クワズイモは台湾・インドなどの熱帯・亜熱帯地域原産の植物です。そこに生えているクワズイモは大きな木の根元に根を張って、木漏れ日のようなやわらかな日差しを浴びているのです。太陽の強い日差しは、苦手なのですね。
対処方法
室内に、やわらかな日差しが入って来る場所はありますか?できればレースカーテン越しのところがよいですね。そこへ鉢を移動させてみましょう。クワズイモの葉っぱが「黄色く元気がない」「しおれる」ことがあるようなら、日の当たり具合を確認してみてはいかがでしょうか。
②与える水の量
水はきちんと与えているのに、「なんだか元気がない」「葉っぱがしおれて黄色くなる」ということがあります。これも間違った育て方をしている可能性があります。「植物にとって水は必要でしょ?」と思うかもしれません。しかし、葉っぱがしおれる原因には、水を与えるタイミングと量も関係しているのです。
原因
クワズイモは冬の間、成長を止めて休んでしまいます。このときに水をたくさん与えると、根腐れになる可能性があります。根腐れすると、幹の部分がしわしわになってしまうのです。こうなってしまうと、葉が出ないどころか枯れてしまいます。根腐れして枯れてしまう前に、正しく対処しましょう。
水やりの対処方法
水やりは、土の表面がカラカラに乾いてからにしましょう。特に冬の休眠期には、カラカラに乾いたなと感じてから、3日後くらいの水やりで十分です。それくらい水やりを必要としません。でも、休眠中にも葉っぱには霧吹きをしてあげましょう。なぜなら、クワズイモは湿度の高い地域の植物だからです。
根腐れの対処方法
クワズイモの幹の部分はどうですか?触ってみて、ぶよぶよしていませんか?もし根腐れを起こしていたら、すぐに腐ってしまった幹の部分をカットしましょう。根腐れが広まったら大変です。硬い部分は水に浸けると、新しい根が出てきますよ。
③植え替え
成長していくと鉢の中では、根がぎゅうぎゅうに混み合ってしまいます。これが根詰まりです。根詰まりになると、新しい葉っぱが出てこないどころか、葉が枯れることもあるのです。根詰まりにならないように、早めに植え替えをしましょう。その植え替えをした後に、「葉っぱにハリがなく、元気がない」こともあるようです。
原因
大きな鉢に植え替えたとき、中にはたくさんの土が入ります。そのたくさんの土がたっぷり水を吸収して、土がいつまでも湿った状態になります。このずっと湿った状態が続くと、根が傷んでしまいます。植え替え後のクワズイモに元気がないなというときは、一度根を確認してみましょう。
対処方法
植え替えの間隔は、2年に1回くらいで十分です。鉢の底から根が出てくるようなら、植え替えてあげましょう。放っておくと、根詰まりの原因になってしまいます。植え替えには、大きすぎる鉢を選ばないようにしましょう。
ボタニ子
ボタ爺、植え替えのポイントを教えて。
ボタ爺
よしよし。植え替えのポイント。それは鉢の大きさじゃ。元の鉢より、ひとまわり大きいくらいの鉢がベストじゃよ。
ボタニ子
わかったわ。さっそく植木鉢の用意をしなくちゃね。
④温度管理
クワズイモは熱帯・亜熱帯地域原産の植物です。冬に「葉っぱが黄色く枯れる」「葉が出ない」と悩まれている方はいらっしゃいませんか?もしかしたら、部屋の温度が低すぎるのかもしれません。冬の適温をご紹介しますので、温度管理には気をつけるようにしましょう。
原因
上記の「鉢の置き場所」では、レースカーテン越しに日を浴びせましょうと説明しましたが、冬の間は窓辺には置かないようにしましょう。真冬の窓の近くは、とても冷えますよね。その寒さのせいで、葉が枯れる症状が出てしまうことがあります。
対処方法
冬の間は、室内の中心部などに鉢を置くようにしましょう。室温が5℃以下にならないよう、温度調節も大切です。暖房を切った夜の間は、クワズイモが冷えないように室温に気をつけましょう。
まとめ
観葉植物の中でも比較的育てやすいといわれているクワズイモですが、日の当たり具合・水の量・温度管理と、気をつけなければならないことがわかりましたね。クワズイモの花はどのような香りがするのか、クワズイモの花を咲かせて、確かめてみたいものですね。花が咲いた後には、写真のような実がつきますよ。
花を咲かせるには、いくつかポイントがあるんじゃよ。