コハコベとは?その特徴や生態をご紹介!ミドリハコベとの違いは?

コハコベとは?その特徴や生態をご紹介!ミドリハコベとの違いは?

強力な生命力から雑草扱いのコハコベ。現在では日本各地に生息しています。春から夏まで白い可憐な花を咲かせているコハコベとはいったいどんな植物なのでしょう。その生態やよく似た特徴を持つミドリハコベとの違いや見分け方、そして、意外な活用法までをまとめてみました。

記事の目次

  1. 1.コハコベとはどんな植物?
  2. 2.コハコベの特徴
  3. 3.コハコベとミドリハコベの違いは?
  4. 4.コハコベは食べることができる?
  5. 5.コハコベまとめ

コハコベとはどんな植物?

出典:写真AC

コハコベは、日本全国に広く分布している越年草です。日本では18種類のハコベ属が生息していますが、ハコベという場合、この「コハコベ」と「ミドリハコベ」を指すことが多いようです。(コハコベより少し大柄な「ウシハコベ」をいれた3種類という説もあります。)コハコベは、秋に種子から発芽し越冬します。その後、早春から夏まで素朴でかわいい小さな花を次々に開花させます。

コハコベの特徴

コハコベの基本情報

出典:写真AC

学名 Stellaria media
英名 Common Chikweed
分類 ナデシコ科ハコベ属
別名 ハコベラ、ヒヨコグサ、アサシラベ
原産地 ヨーロッパ
花期 3月~9月

コハコベの学名の意味

コハコベの学名「Stelliara」はラテン語の「ステラ(星)」という言葉が由来となっています。そして、種小名の「meadia」は「草原の」という意味。小さな白い花が一面に咲く様子は、まさに「草原の星」という学名がピッタリですね。

コハコベの外見

出典:写真AC

赤紫色の茎

コハコベの見分け方の1つとしては、赤紫色の茎があげられるのではないでしょうか。そしてその茎には産毛のような軟毛が片側1列にのみ生えています。

小さく白い花

花弁は白色で5枚ですが、深く2つに裂けているため、まるで10枚あるかのように見えます。直径6~7mmと小さいですが一度にたくさんの花を咲かせます。

卵型の葉

葉は1~2cm、先が尖った卵形をしていて、色は深い緑色をしています。おしべは1~7本とミドリハコベよりすこし少な目です。

旺盛な繁殖力

出典:写真AC

地を這うように成長する

越冬するコハコベは、厳しい冬の乾燥を乗り越えなくてはなりません。コハコベの茎に生えた軟毛は、乾燥を防ぐという重要な役割を担っています。高さは高くても10~20cm、茎の下部からどんどん分岐し、地を這うように成長していきます。

種子の生産数が多い

また、種子の生産数が多いのも特徴です。その旺盛な繁殖力だからこそ、今では日本中でみられる身近な存在となったのですね。街中のコンクリートの間からコハコベが…なんてこともよくあります。

コハコベとミドリハコベの違いは?

  コハコベ ミドリハコベ
由来 帰化種 在来種
茎の色 赤紫
葉の色 濃緑 明るい緑
雄しべの数 1~7本 8~10本
種子 1㎜ほど 突起なし 1,5㎜ほど 突起あり

コハコベ

出典:写真AC

ミドリハコベ

出典:写真AC

帰化種と在来種

コハコベは外来種であり、日本に帰化した植物です。その伝来については麦の栽培とともに渡来したという説や、明治時代以降にヨーロッパから渡来したとされる説があり、詳しいことは分かっていません。一方、ミドリハコベは日本の在来種です。ミドリハコベは畑などに見られることが多く、コハコベは、道端や街なかでも見られる非常に生命力の強いハコベです。

コハコベは食べることができる?

春の七草

コハコベは古くから、「はこべら」という名で春の七草の1つとして親しまれてきました。1月7日、春の七草粥をいただくのは、正月からごちそうで疲れた胃腸をいたわるとともに、1年の邪気を払い、新年を無事に迎えた喜びと感謝、祈りをささげるためだと言われています。

食用や健康茶

Photo byFree-Photos

コハコベは現在でも、お味噌汁の具、おひたし、和え物や天ぷらなど、身近な葉野菜として利用することがあります。また食べるだけでなく、葉や茎を乾燥させて煎じて飲むハコベ茶は、健康茶としても知られています。むくみや便秘の改善などのデトックス、浄血に効果が期待できると言われています。

薬用

昔からハコベは、茎や葉に炎症を抑える作用があることから、口内炎、歯槽膿漏の予防、歯痛の緩和などに用いられていました。

さまざまな用途をもつハコベ塩

江戸時代には、ハコベを絞った青汁に、塩を加えて乾燥させた「ハコベ塩」で歯磨きをしたりしていたということです。今で言う葉緑素入りの歯磨き粉の元祖かもしれませんね。現在でも、手作りのハコベ塩を作って歯磨き粉として利用するほか、おにぎりや天ぷらにつけて食べるなど、用途はいろいろあるようです。薬草としてのハコベに注目が集まっているのも納得ですね。

小鳥やうさぎの餌

Photo bysipa

コハコベを食べるのは人間だけではありません。英名「ChikWeed」には「ニワトリ、ヒヨコの草」という意味があります。日本でも、コハコベは「雛草(ヒヨコグサ)」「雀草(スズメグサ)」の別名を持っています。どうやら、コハコベが小鳥たちが大好きな野草であることは万国共通のようです。今では、飼っているインコやうさぎへあげる栄養豊富な野菜の1つとして定着し、庭や畑で自家栽培する方もいるようですよ。

コハコベまとめ

出典:写真AC

日本では現在コハコベのほか、ウシハコベ、イトハコベなど18種類のハコベが生息しています。その旺盛な繁殖力から雑草扱いされることも多いですが、ハコベが育っている土壌は豊かだとも言われます。昔から日本人の生活に深く根ざしてきたハコベ。もし道端でコハコベを見つけたら、今回ご紹介したミドリハコベとの見分け方を思い出して、ちょっとだけ観察してみるのはいかがでしょうか。

いろどり
ライター

いろどり

森が好き!鳥が好き!!ハーブが好き!!!

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