カクレミノの育て方
かぶれに注意!
カクレミノは日陰でも育つ丈夫な樹木です。手間もかからず初心者でも枯れることなく育てることができるので人気があります。カクレミノのくわしい育て方をご紹介しましょう。まず注意したいことは、カクレミノの樹液にウルシ(漆)の成分と同じウルシオールが含まれることです。敏感な体質の方はかぶれることがあるので、樹液に触れないように注意します。
植栽する場所
カクレミノは寒さにやや弱いです。関東地方程度の冬の寒さなら問題ありませんが、北海道や東北北部では野外で育ちません。最適地は半日陰で、かなり暗くてもよく育ちます。日差しが強すぎると葉が黄色くなったり、葉焼けや幹焼けを起こしたりするので気をつけましょう。肥沃でやや湿った用土を好みます。通常肥料は必要としませんが、痩せて乾燥した土地であれば腐葉土や堆肥を混ぜましょう。
鉢植えにして観葉植物に
カクレミノは室内でも育つので、観葉植物として鉢植えにもなります。その場合は、赤玉土7に対して腐葉土3を混ぜ込んで用土とするのが適当です。真夏のベランダなど、強い直射日光が当たる場所はは避けて置きましょう。植え付けに適するのは温かい時期で、4月~5月と8月下旬~10月が適期です。
水やり・肥料
乾燥のし過ぎで枯れることも
カクレミノは水を好む樹木で、乾燥し過ぎると枯れることもあります。夜露が当たらない場所でも育ちますが、土が乾燥したら水やりが必要です。乾燥予防に、根元をグランドカバーになる植物や腐葉土で覆ってあげるのもよいでしょう。
肥料はやり過ぎない
肥料は、やせた土地でなければ与えなくても大丈夫です。与える場合は冬(2月頃)に、遅効性肥料(堆肥など)をすき込んで与えます。肥料のやり過ぎは禁物です。窒素分が多いと枝が間延びして弱々しくなったり、肥料過多だと枝葉が茂りすぎたりして、見苦しくなります。
病害虫
基本的に病害虫の被害は少ない
基本的には病害虫に強く、あまり悩まされない樹木です。しかし乾燥気味だとカイガラムシが発生することがあります。また、背丈が高くなった時はカミキリムシに注意が必要です。カミキリムシの幼虫が幹を食害すると、枝や幹が折れることもあります。成虫もまた梢の柔らかい樹皮を食べるので、枝枯れの原因となるのです。
木を健康に保ってカミキリムシ予防
カミキリムシは老木や樹勢の弱い木に卵を産むため、木を元気に保つことが予防につながります。カミキリムシに卵を産ませない工夫も有効です。カミキリムシは幹の地際に卵を産むので、酢農薬や草木灰を散布したり、根元にネットを張ったりして防ぎましょう。
剪定
自然な形を楽しむことができる
カクレミノは成長がそれほど早くないので、剪定に手間がかかりません。上によく伸び、横に広がらないので邪魔になりにくく、ある程度自然の形を楽しむことができます。しかし、下の方から葉が落ちていく性質があるため、樹高が高くなると頭でっかちになりやすいです。そうしたくない場合は、その前に切り戻します。
樹高を抑えたい場合は数年に一度剪定
細かい枝は付け根から切り落として整理します。放置すると風通しが悪くなり、寒さで枯れやすくなるのです。狭い場所では大きさをコントロールする必要があるので、数年に一度剪定をしましょう。株立ち状にして小さく仕立てると、狭い場所でも使いやすくなります。
剪定の適期は春から初夏
剪定の適期は3月下旬~4月と6月下旬~7月です。芽吹く力が強く、どこで切ってもすぐ下から芽が出るので、初心者でも安心して剪定できます。よく日が当たる場合は葉焼けや幹焼けを起こす可能性があるので、夏にずれ込まないようにしましょう。また、出たばかりの芽は寒さで傷みやすいので、秋遅くに剪定をするのも適しません。
増やし方
挿し木で増やす
カクレミノは挿し木で増やすことができます。挿し木に適するのは7月~8月です。その年に伸びた枝を15cmほど切って用土に挿します。適した土壌に直接挿してもよいでしょう。4~5年で1.5mほどに成長するそうです。
種から増やす
カクレミノは種まきでも増やすことができます。種まきの場合は、黒紫色に熟した実の採取から作業開始です。種が乾燥しないように湿らせた砂の中で熟成させますが、この工程が発芽率を左右します。種まきは翌年の3月~4月です。ただ、芽が出たばかりは立ち枯れを起こしやすく、苗の状態まで残る率が低いので、挿し木の方が適しています。
出典:筆者撮影