はじめに
クリスマスローズは容易に交配ができるため、毎年さまざまな花の顔が作出されています。ひとくちにクリスマスローズといっても、その顔は無限大といっても過言ではないでしょう。その中から自分の好きな花と出会うのは、初心者にとっては至難の業です。まずはクリスマスローズの大まかな分類を知り、一期一会といえるクリスマスローズをぜひ見つけてみましょう。
クリスマスローズの花色と模様
クリスマスローズの花色はとても豊富です。白、クリーム、黄、緑、アプリコット、ピンク、赤、紫、黒まであります。単色だけでなく二つの色が混ざっているものもあります。また、糸ピコティといわれる縁取りがあるもの、写真のように点(スポット)が入っているもの、濃い網目の模様が入っているものなど、バリエーションに富んでいます。
クリスマスローズの花びらと花形
花びらの枚数が5枚のものをシングル、八重咲きのものをダブル、半八重咲きのセミダブルとよび、花びらの形には、丸形や剣形があります。また、花の形は筒状のカップ咲きや、開いて咲く平咲きなどがあります。こちらの写真の場合はダブルの平咲き、花びらの形は剣形です。
シングルのクリスマスローズ
おすすめの種類①シングル×糸ピコティ
シンプルで上品な花姿が特徴のクリスマスローズ。シングルとよばれる花びらが5枚のクリスマスローズは最も一般的で、根強い人気があります。身近なホームセンターや園芸店でも簡単に購入することができます。また、丈夫で育てやすいということもポイントです。
糸ピコティとは、縁取りのようなものが表われているタイプの品種です。こちらの写真は、メインの白に紫の縁取りという色彩の対比が際立っていて、とても魅力的です。糸ピコティ系は色や花形にかかわらず圧倒的な人気を誇っています。
おすすめの種類②シングル×ピンク
かわいらしいピンク色は人々の心を和ませてくれます。また、花の少ない時期に咲くピンク色のクリスマスローズは、一気にその場所を華やかにし、明るさを添えてくれます。
おすすめの種類③シングル×赤
「クリスマス」や「ローズ」という名前の響きから、やはり赤が一番イメージされやすい色のようです。寂しい庭に鮮やかないろどりをあたえ、心まで明るくしてくれます。背後から光が当たると、美しく赤が輝きます。静かに主張するその凛とした姿が人気となっています。
おすすめの種類④シングル×黒
シックな黒色が強い印象を与えてくれる品種です。光に当たると深い紫色にも見え、表情を色々と変えてくれるので、寄せ植えなどでも楽しめます。珍しい色であることも人気の理由です。
ダブルのクリスマスローズ
おすすめの種類⑤パーティードレス系ダブル×ピンク
花びらが幾重にも重なるパーティドレス系のダブルは、リズミカルな装いをかもしだし、可憐な花姿が特徴です。パーティドレスという名前のとおり、まるで少女が初めて身にまとったドレスのような、純真な美しさと華やかさがあります。一輪でも十分に見応えがあり人気のあるタイプです。パーティードレス系の中でも、ピンクの花はひときわ華やかです。
おすすめの種類⑥オリエンタリス系ダブル×赤
オリエンタリス系はパーティドレス系に比べると、少し大人っぽい雰囲気の花姿になります。規則正しく外側に向かって花びらが開いており、その清楚な美しさが大変際立っています。オリエンタリス系のおすすめは赤です。シングルかダブルかに関係なく赤はクリスマスローズの人気色ですが、シングルの赤にくらべると、オリエンタリス系の赤には、より薔薇っぽさと豪華さがあります。
セミダブルのクリスマスローズ
おすすめの種類⑦セミダブル×糸ピコティ
セミダブルとは、半八重咲きのことです。アネモネ咲き、唐子咲き、などとも呼ばれることもあります。花の中心に花びらがまとまっており、可愛らしさがあふれているセミダブル。小さなハート形の小弁がポイントです。
華やかな模様のクリスマスローズ
おすすめの種類⑧シングル×スポット
スポットといわれる点が花びらに入っているタイプの品種です。花びらにあらわれるスポットは、一つ一つ違い、個性があふれています。
おすすめの種類⑨ダブル×ベイン
ベインと言われる、すじのような模様が入っています。葉脈のように美しい模様はとてもシャープな印象を与えてくれる品種で、人気の種類です。
原種のクリスマスローズ
おすすめの種類⑩ニゲル
ニゲルとは、クリスマスローズの原種のことです。ニガー、ノイガーなどの名前でも呼ばれます。ニゲルの中で最も人気のある色は白です。交配種の白とは違い、純白であることが特徴です。ニゲルのシンプルな花びらと、偽りのないその白さが、他のクリスマスローズにはない厳格な雰囲気をかもしだし、人々の心を魅了し続けています。
まとめ
今回は、クリスマスローズの色や花形、模様など人気のあるものをご紹介しました。クリスマスローズは十人十色。たとえ同じ名前の品種であっても、その花の顔はすべて違います。世界に一つしかないと言っても過言ではないでしょう。一つ一つの花が奇跡的な存在です。このような繊細な花姿のクリスマスローズですが、一方で大変育てやすい花でもあります。鉢植えでも育てることができるので、まずはお気に入りの一苗から育ててみてはいかがですか?
出典:BOTANICA