サイネリアの育て方②植え付け
サイネリアは、種から育てる場合、苗から育てる場合、鉢花を入手する場合の3通りが考えられます。それぞれの場合について、植え付けの注意点や育て方をご紹介しましょう。
サイネリアの種まき
サイネリアは種から育てることが可能です。手間がかかり、市販のものよりも開花がやや遅くなりますが、寒さに強い株に育つという利点があります。種まきに適した時期は9月です。種の発芽には15~25℃の温度を必要としますが、肥料は必要ありません。育苗ポットに赤玉土を入れて種を蒔きましょう。種の上には土を被せないで、土が乾かないように保つのがポイントです。
発芽後の管理
発芽してしばらくは特に土が乾かないように風通しのよい半日陰で管理し、水やりの頻度に注意しましょう。その後は日当たりのよい場所に移動し、本葉が2~3枚になったら、元気のよい苗を残して間引きをします。さらに葉が6枚以上になったら、鉢に植え付けたり地植えにすることが可能です。種まき後室内で管理することも可能ですが、強い株を育てる目的であれば、屋外で管理するのがよいでしょう。
サイネリアの苗の植え付け
サイネリアの苗を購入する場合は9月以降に入手します。サイネリアは根を広く深く張ってたくさんの葉や花を支え、水をぐんぐん吸い上げる植物です。購入した苗でも種から育てた苗でも、苗よりも一回り大きめの鉢を用意して、用土に植え付けます。最初に根が十分に伸びる場所を確保してあげれば、その後の植え替えは必要ありません。
咲いている鉢を入手したときは植え替え
サイネリアは、花が咲いている鉢花を入手する場合が最も多いかもしれません。このような株は温室育ちなので、室内に置いてあげましょう。ラッピングで覆われている場合もあります。ラッピングのままで飾りたい場合は、内部が蒸れないように数日に1回の頻度でラッピングを外して風を通してあげましょう。その際、病気などがないかをチェックし、枯れた葉や黄色くなった葉を取り除きます。
根詰まりに要注意
しかし、販売されている鉢花は地上部のボリウムの割に鉢が小さく、入手したときに既に根詰まりを起こしていることも多くあります。鉢底から根が出ている場合は根詰まりのサインです。すぐに一回り大きな鉢に植え替えると株も長持ちしますし、水やりの頻度も少し楽になります。植え替えの際には緩効性肥料を補充するのがおすすめです。根土を崩さずに移して、隙間に用土を入れて植え付けます。
サイネリアの育て方③日常の手入れ
サイネリアは日常の育て方が非常に重要な植物です。日々の手入れが不十分だと、枯れたり、花がすぐに終わってしまったりします。長く花を楽しむためには、水やり、肥料、剪定など高頻度な手入れが欠かせません。
サイネリアの水やり
サイネリアは高頻度の水やりが必要です。土が乾き始めたタイミングで、たっぷりと水やりをしましょう。特に花が咲き始めると水を吸う力が強くなり、水切れを起こしやすくなります。半乾きくらいで水やりしましょう。旅行などで水やりの頻度が確保できないときは、受け皿に水を入れておくと安心です。鉢植えをしおれさせてしまった場合は、バケツなどに水を入れてしばらく鉢をつけておくと復活できるかもしれません。
水やりの際に、上から水を浴びせず、株元の土に静かに水を注ぐように水やりすることも大切です。花びらが濡れると花が傷みます。また、花びらや葉が濡れることによって株の中の湿度が高くなり、病害虫が発生しやすくなるのです。屋外に置く場合や地植えにする場合は、軒下など雨が当たらない場所を選びます。
サイネリアの肥料
サイネリアは地上部が大きく、花をたくさん咲かせるので、栄養も多く必要とします。緩効性肥料を土に混ぜるか、置き肥を株の周りに置きましょう。
生育期や開花期の肥料
生育期や開花期の9月~4月は、それだけでは足りません。速効性の液体肥料も1週間~10日に1度の頻度で、定期的に与えます。肥料が足りないと花が小さくなったり、花の数が減ったりします。せっかくできた蕾が咲かずに終わることもあるのです。かといって窒素過多は、葉ばかりが大きく育つので注意しましょう。
サイネリアの花がら摘み
サイネリアは株いっぱいに花がつきますが、咲いている花の下には新しい蕾があります。花後まで待たず、花がしおれかけた段階で早めに剪定することが大切です。すると下にある蕾に光が当たって栄養が行き届き、成長が促されます。また、もう蕾がついていない花茎も、その根元で剪定しましょう。新しい芽が出て花を咲かせてくれます。花がら摘みと花茎の剪定の頻度の高さが、花を楽しめる期間の長さを左右するのです。
「花がまだきれいなのにかわいそう」と思ったら、押し花にするとよいかもしれません。サイネリアの花びらは、押し花に適しており色も残りやすいです。押し花用のスポンジシートを使うと、厚みのある花芯部分も押し花にしやすくなります。
ボタニ子
次項では、長く花を楽しむためには欠かせない切り戻しや、病害虫対策についてチェックしましょう。
出典:写真AC