「ラケナリア」はムスカリ(ヒヤシンス)の花を少し大きくしたような筒状や壺状の花を、穂状や総状に咲かせる特徴があり、南アフリカに約100種ほどが分布する大きな属のことを指します。花の色や形や草姿もさまざまで晩秋から春に咲くものまで品種に大きな幅が確認されており、草丈は15~30cmと小柄で育てやすいサイズも多く、その見た目の美しさからいろんな用途におすすめの品種です。
ラケナリアは何科の植物かについてさまざまな議論のある多年草です。その理由は約100品種ほどが南アフリカに分布して自生しており、それらすべての原種が4つしか発見されていないことが原因だといえます。ラケナリア単体というイメージでなく「ラケナリア属という多くのラケナリアを指してラケナリア」と呼ぶのが一般的です。店舗などであれもラケナリア?これもラケナリア?となるのはそのためです。
ラケナリア・プシラは匂いが非常に特徴的で個人差はありますが、花の香りに好き嫌いが分かれる濃い匂いがあります。ある人はガリガリ君のソーダ味の匂い、ある人はキャンディの匂い、ある人はガガイモのような匂いと形容しており、鉢を家に入れるのでリスクだと感じる人も多いでしょう。匂いに関してレビューの多い品種はこれだけなので、匂いに敏感な人にはおすすめできません。
ラケナリアは100種類以上の品種が報告されていますが、すべてこの4つの原種から分派したとされています。ラケナリアは全体的に鮮やかな色合いで肉厚な印象の花や葉をした品種なのでファンが多いのですが、アフリカから日本に送られてくる段階では品種のコントロールが効かないことも多く、育ててみて初めて品種が分かるという話をよく聞くのもラケナリアの特徴といえるでしょう。