トウゴマとは?薬草としての特徴や利用法から毒性までをご紹介!

トウゴマとは?薬草としての特徴や利用法から毒性までをご紹介!

インドで栽培が盛んなトウゴマという植物の、種子から採取できる「ひまし油」は古代より多くの人が利用してます。現在の薬草としての特徴や美容面で利用法を紹介します。また、約1cmの大きさのトウゴマの種子の恐ろしい毒性についてもお伝えします。

記事の目次

  1. 1.トウゴマとは?
  2. 2.トウゴマの特徴
  3. 3.トウゴマの育て方
  4. 4.トウゴマから採取「ひまし油」の利用
  5. 5.トウゴマの生薬利用
  6. 6.トウゴマの毒性
  7. 7.トウゴマの歴史
  8. 8.まとめ

トウゴマの生薬利用

出典:写真AC

ひまし油は精製の純度によって用途が分かれています。精製度が高くなるにつれ、外用として身体に直接使えたり、薬として服用することもできます。昔から利用されていますが、現代でもさまざまな用途があり、美容効果が高いオイルです。

生薬①浮腫の改善

浮腫改善に使われていた薬草がトウゴマです。腹水、腹膜炎や足の浮腫などの部分には使用できますが、顔や手などの浮腫には使えません。足の裏にペースト状のものを湿布のように貼って使います。
※注意!種子には毒性があるので、ペースト状ものは食べないでください。

トウゴマと彼岸花の生薬

トウゴマの種子約20個と彼岸花の球根1個(15~30g)を同量用意します。種子はすりつぶし、彼岸花の球根は皮をむき白い部分をおろした後、種子と一緒にすり鉢で混ぜます。このペースト状のものを、就寝前足の土踏まずに貼ります。液だれ防止のため保護し、翌朝きれいに流します。2~3日に1回程度の頻度で使用してください。

生薬②便秘に有効

ヒマシ油は腸を刺激し排便をうながし、便秘解消に有効ですが、注意も必要です。効き目が強いので下痢を引き起こす場合もあります。ひまし油を直接服用せず、ひまし油を原材料とする医薬品を服用してください。ひまし油をお腹に塗り温めることで便秘改善だけでなく、関節痛、筋肉痛を和らげてくれます。

生薬③美肌効果

ひまし油には毒性はありませんが、使用前には必ず目立たない場所でパッチテストを行ってから使用してください。ひまし油は粘性が高いので、ベタつきやすいです。ほかのキャリアオイルと1:1の割合で混ぜたオイルの使用をおすすめします。

保湿効果

高い保湿力のあるひまし油は保湿スキンケアに使うことによって、乾燥肌を防ぐことができ、小じわの予防効果も期待できます。また、血行と一緒にリンパの流れを良くなり、肌の新陳代謝を促てくれます。ターンオーバーを整え、健康な皮膚へ導いてくれます。

毛穴やたるみ効果

毛穴の気になる部分にひまし油を塗り、蒸しタオルで5分待った後、オイルをきれいにふき取ります。たるみが気になる部分に直接ひまし油を就寝前に塗って寝ます。乾燥予防になり、この場合いはふき取りはしなくて大丈夫です。

ニキビ跡・傷跡

ひまし油の成分には、リシノール酸を含んでおり、少しずつ皮膚組織に浸透します。抗炎症作用がニキビ跡、傷跡に効果があり使い続けることで薄くしてくれます。気になる部分にるは、続けて使用をおすすめします。

生薬④美髪効果

ひまし油には毒性はありませんが、使用前には必ず目立たない場所でパッチテストを行ってから使用してください。シャンプー前の濡れていない髪に、適量手に取って、しっかり髪や頭皮になじませてください。傷んだ髪や毛先になじませましょう。

髪の保湿

ひまし油を頭皮に塗ると、頭皮の乾燥を防ぎ、抜け毛の予防にもなります。頭皮マッサージを行うと、毛穴をきれいにし血行をよくしてくれることにより、強くてハリやツヤのある髪の毛に導いてくれます。クレンジングの効果もあります。

育毛効果

ひまし油で頭皮マッサージをすることにより、リンパや血液の流れをよくします。つまり、頭皮毛根のまわりの血行をよくし、十分な栄養を届けることができ、育毛の効果につながっています。髪の毛以外にも、眉毛やまつ毛にも利用できます。

頭皮のデトックス

ひまし油にはクレンジング効果があり、頭皮に塗りマッサージすることにより、毛穴の皮脂汚れを落としてくれます。毛穴がスッキリし、抗菌効果もあるので、頭皮の雑菌の繁殖も防いでくれる、嬉しいオイルです。

トウゴマの毒性

トウゴマは世界各地で古くから、薬草と使われていますが、種子の部分に強い毒性があります。この毒性を用いた兵器も開発されました。続いては、その毒性の恐ろしさやトウゴマの成分について、ご紹介します。

トウゴマの毒性の恐さ

トウゴマの種子には毒性があり、大人が種を食べると20粒でも死亡の可能性があります。幼児であれば、5粒ほど食べると死亡の可能性があります。間違って種を食べたとしても、毒は腸内で解毒されますが、10%は死亡にいたる可能があり、注意が必要です。解毒方法は見つかっていません。

トウゴマの成分

ひまし油30~50%、主成分はリシノール酸のグリセリドで、リシノレイン約90%です。毒性を持つアルカロイドリシニンも含まれています。猛毒でサリンよりも毒性が強いといわれています。500μg(人の目で確認できないわずかな量)が血液中入ると苦しみ数日後には死亡します。戦争中に化学兵器として使用されました。

トウゴマの歴史

各国の歴史

日本

トウゴマは中国から平安時代初期に日本に伝わりました。平安時代の医学書『医心方』にひまし油を髪油として使用することが載っています。その後江戸時代末期にはアメリカから伝わり、西日本を中心に野生化がみられます。

各国

インドではひまし油は紀元前2000年ごろ、灯りや便秘薬として使用された記録が残されています。中国では内用、外用の医薬品として、数世紀にわたり使用されていました漢方薬です。古代エジプトでは灯火の燃料や皮膚を保護のする目的で用いていました。

まとめ

トウゴマは育てやすい植物です。世界各地では野生化、雑草化が問題になっています。しかし、赤い果実や葉の美しさは鑑賞用として優れています。また種子は食べると死にいたるほどの毒性ですが、種子から採れる「ひまし油」は現在も生薬として利用され、薬効があります。ぜひ利用してみてください。

11bee
ライター

11bee

ハーブやアロマ、ハンドメイドが好きです。日々の暮らしが豊かになりますように。

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