レウコフィルムとは
レウコフィルムとは、ゴマノハグサ科の常緑低木で、見た目の美しさと育てやすさから植栽としてとても人気の植物です。そこで今回は、レウコフィルムの特徴と、植栽としての育て方や注意点について詳しくご紹介します。
レウコフィルムの特徴
分類 | ゴマノハグサ科 レウコフィルム属 |
学名 | Leucophyllum frutescens |
原産地 | アメリカ南部~メキシコ |
樹高 | 0.3~3m |
葉色 | 銀色 |
花色 | ピンク~赤紫色 |
開花時期 | 5~6月,9~10月 |
原産地であるアメリカ南部~メキシコ周辺では、樹高2~3mと比較的大きく成長します。日本でも、剪定などの手入れをすれば、年々大きく成長していきます。春と秋の年2回、2~3cmほどの小さな花をたくさん咲かせます。
カラーリーフ代わりに寄せ植えされる人気の植物
レウコフィルムの最大の特徴は、美しい銀色の葉色であり、学名の「Leucophyllum」は、ギリシャ語で「白い葉」の意味があります。ピンク~赤紫色のきれいな花を咲かせますが、花の咲かない時期はカラーリーフ代わりにもなるとして、寄せ植えとしても人気があります。
レウコフィルムの育て方
レウコフィルムは、乾燥と暑さに強く、寒さにも比較的強いため、初心者でも育てやすい植物です。寒さには、-5℃程度まで耐えられますが、寒さの厳しい冬は、環境によっては葉が落ちることがあります。水やりの仕方など、レウコフィルムの詳しい育て方についてご説明します。
レウコフィルムの植え付け
レウコフィルムは、庭植えでも鉢植えでも、どちらでも育てることが可能です。しかし、庭植えする際は、年間を通して日当たりと水はけのよい場所を選んで植える必要があり、移動させて屋内でも管理が可能な、鉢植えで育てるのがおすすめです。
水やりの仕方
乾燥に強い植物のため、過度な水やりは必要ありません。庭植えで育てる場合は、乾燥により元気がなくなるようであれば、水をあげるようにしましょう。鉢植えで育てる場合は、土が乾いていたら水をあげますが、冬の時期は、土が乾いても頻繁に水やりをする必要はありません。
肥料の与え方
肥料を与える時期は、真夏と冬の時期を避けて、春と秋の時期に与えます。与え方は、春と秋に一回ずつ緩効性の化成肥料を根本に撒く方法と、月二回を目安に液体肥料を流し与える方法の二種類があります。
剪定の仕方
花が終わる頃の、11月ごろを目途に剪定します。樹高の半分ほどまで切り戻しをすると、翌年咲く花の量が増加します。剪定には、根の負担を減らし、春に新芽を出やすくさせる効果があるため、剪定をしないと、翌年花が咲かない原因になります。
切り戻しとは、伸びすぎた茎(枝)を切り短くし、株の大きさ・姿形を整えること
植物は、茎(枝)の上側にある先端の芽の方が、内側にある脇の芽よりも成長しやすい特徴があります。切り戻しとして、先端の芽を切ることで、新芽、根、実、花などの他の箇所に栄養分をまわすことができるため、植物全体をさらに強く大きくすることができます。また、切り戻しをすることで風通しがよくなり、害虫が病原菌がつく予防にもなります。
レウコフィルムの増やし方
「挿し木」を行うことで増やす
レウコフィルムを増やすには、暖かくなってきた5~6月頃に、挿し木を行います。手順はまず、新しく伸びてきた新枝のうち、しっかりとしたものを選び、10~15cmほどの長さで切ります。次に、土に埋める下側についた葉は落とし、上側の葉は数枚残した状態で、切り口を1時間程水につけ、その後、新しい土に挿します。1カ月程で発根しますが、切り口に発根剤を塗るとより効果的です。
レウコフィルムを育てる注意点
レウコフィルムは、原産地のアメリカ南部~メキシコが乾燥地帯であることから、湿気に弱い植物です。水やりをしすぎると、根腐れや枯れる原因になり、花壇で育てる場合は特に注意が必要です。植栽として育てる場合の注意点と、害虫や病気を防ぐ方法についてご説明します。
花壇で育てる場合の注意点とは?
植え付けの場所と環境に注意
レウコフィルムは、比較的寒さに強い植物ではありますが、日本でも、冬の寒さに耐えられずに葉が落ちたり枯れたりすることがあります。冬に寒さが厳しくなる環境の土地では、庭植えはおすすめできません。また、水やりのしすぎは、根腐れ・枯れる元になります。水やりをしすぎないのはもちろん、梅雨の時期に湿気が溜まりすぎないよう、水はけのよい場所と土を選んで植えることも必要です。
鉢植えで育てる場合の注意点とは?
水やりの仕方に注意し時期によっては屋内で管理する
水やりをする時は、受け皿を確認し、溜まった水は捨てるようにします。生育の止まる冬の時期は、水やりの頻度を抑え、土が乾いても、その後数日経過してから水を与えるようにします。梅雨の時期と、冬に寒さの厳しい環境で育てる場合は、場所を移動させ、なるべく屋内で管理するようにします。
害虫や病気から守るためには?
レウコフィルムがかかる害虫には「ハダニ」があり、病気には「すす病」があります。
すす病とは、葉や花に黒い斑点が出る病気で、見た目が悪くなるだけでなく、光合成や蒸散がしづらくなるため育ちにくくなります。すす病の原因は、カイガラムシやアブラムシなどの害虫の排泄物・分泌物が病原菌のえさになることによります。害虫やすす病にかかっていることを発見したら、すぐに黒ずんだ箇所を取り除き殺虫剤をまいて駆除することが必要です。害虫や病気の予防には、事前に殺虫剤をまいておくことが効果的です。
まとめ
レウコフィルムの特徴と、植栽としての育て方や注意点についてご紹介しました。葉と花の見た目の美しさから、植栽としてとても人気の植物であり、初心者でも育てやすいのが特徴です。より育てやすい鉢植えで、一度育ててみてはいかがでしょうか。
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