育て方における管理のコツ
ベロニカは枯れたり爆発的に増えたりしにくいため、育てやすい植物ですが、植え替えや切り戻しなどの手間を多くかける必要があります。ここでは、ベロニカの育て方における管理のコツとして、植え替え、切り戻し、病気・害虫の予防について、それぞれご説明します。
管理のコツ①植え替えの仕方
植え替えに適した時期は、3~4月もしくは9~11月です。成長が早いため、毎年1回は一回り大きな鉢や広い場所へ植え替える必要があります。植え替える方法は、株を掘り上げ、根についた土を丁寧に取り除き、芽数を制限して植え替えます。植え替え後、根が張るまでは乾燥に注意をしてください。
管理のコツ②切り戻しのタイミング
花が一通り咲ききったタイミングで、茎の中間付近から切り戻しをし、株の大きさを半分程度まで小さくします。また、花がらは適宜摘み取るようにしましょう。冬になると株は休眠期間に入りますが、この時期になると、株元に新しい芽が出て、古い茎が枯れてきますので、枯れた部分は刈り取るようにしてください。
切り戻しの役割とは?
切り戻しとは、伸びすぎた茎(枝)を切り短くし、株の大きさや形を整えることです。切り戻しを行うと、古い芽や花に使われていた栄養分を、新芽やこれから咲く花に渡すことができるため、株全体を強く大きくすることができ、花つきもよくなります。また、切り戻しを行うことで、風通しがよくなり、病気や害虫の予防にもつながります。
管理のコツ③病気・害虫の予防対策
ベロニカがかかる病気には、「うどんこ病」と「灰色かび病」があります。どちらも、日当たりと風通しのよい環境で育てることで、病気を予防することができるため、日当たりのよい場所で育てること、切り戻しをして風通しをよくすること、こまめに古い葉・花がらを摘み取ることを徹底してください。また、ベロニカは害虫の「アブラムシ」がつきやすい植物です。こまめに確認し、アブラムシがついていればなるべく早く駆除をしましょう。予防のため、あらかじめ殺虫剤をまいてもよいかもしれません。
ベロニカの増やし方
ベロニカの増やし方には、「挿し芽」「株分け」「種まき」の3種類の方法があります。種まきで増やす方法は、種に個体差が出ることが多く、花の色や形が異なる新しい種類の株が育つことがあります。それぞれの増やし方について、詳しくご説明します。
増やし方①挿し芽
挿し芽に適した時期は、6月もしくは9~10月です。まず、花芽でない部分の茎を、一節ずつに切り分けます。小さなポットに3~4本ずつ植えつけ、日当たりのよい場所に置き、根が出るまで毎日たっぷりと水やりをします。根が張ってきたら、鉢や庭に植え付けるようにしてください。
増やし方②株分け
株分けに適した時期は、3~4月もしくは9~11月で、植え替えを兼ねて行います。なるべく根を傷つけないよう注意しながら株を土から引き抜き、根についた古い土を丁寧に取り除きます。根を自然に手で分けるか、ハサミで切り分けて一つの株を二つに分け、それぞれを植え付けてください。株分け直後は乾燥に弱くなっていますので、水切れに注意してしっかりと水やりをすることが必要です。
増やし方③種まき
ベロニカの種の発芽温度は18~20℃で、それよりも気温が低いと発芽しません。用土に種をまき、上から薄く土をかぶせます。土や種が乾燥しないよう、水は毎日たっぷりと与え、日当たりのよい場所で管理してください。本葉が4~6枚程度出たら、小さなポットに仮植えをし、根が張ったら鉢や庭に植え付けます。
種まきに適したタイミング
種まきに適した時期は、4~5月もしくは9~10月です。ベロニカは、種をまいてから花が咲くまで半年かかるため、春に種まきをすると、同年の秋に花が咲きます。夏~秋に花を咲かせる、ベロニカ・ロンギフォリアやベロニカグレースは春に種まきをし、春~夏に花を咲かせる、ベロニカ・スピカータやベロニカ・オックスフォードブルーは秋に種まきをするなど、種類に応じてタイミングを変えてください。
まとめ
ベロニカの特徴と育て方について詳しくご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ベロニカは種類が豊富で、大きく成長して花壇にインパクトを与えるものや、地面を這うように伸びてグランドカバーとして利用できるもの、秋~冬に葉の色が変色してカラーリーフとして用いられるものなど、さまざまな特徴と利用方法をもっています。ぜひ、お気に入りの種類を見つけて、育ててみてはいかがでしょうか。
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出典:写真AC