オオバヤシャブシの育て方
メリット面も忘れないで!
花粉の飛散量が多いことから住宅地では植樹されない傾向にありますが、すでに植えられたものや自然のなかで育ったものを枯らせてしまうのは可哀想。荒地を緑に変える緑化樹としての役目や砂防としての役目、栄養をたっぷり含んだ肥料木など、良い面もたくさんあるオオバヤシャブシの育て方を見ていきましょう。
育て方のポイントは3つ
育て方のポイント①「日当たりのよい場所で育てる」
痩せた土壌でも丈夫に育つ木ですが、日光はじゅうぶんに与える必要があります。光合成の量がほかの樹木に比べ多い陽樹と言われ、若木のうちはとくに日光が必須で、背の高い木々がそろう森林のなかでは成長が悪くなりがちです。
育て方のポイント②「根粒菌が存在しているため肥料はあまりいらない」
オオバヤシャブシの根には「根粒菌(こんりゅうきん)」と呼ばれる菌が存在しています。根っこにできたこぶのなかに根粒菌は住んでいて、菌は空気中の窒素を固定変換し、樹木全体に届ける役目を果たしています。
育て方のポイント③「樹木は剪定を嫌うため自然のままにする」
剪定は樹形の形を整えたり、混み合った枝を切って日光を行渡らせる目的でおこないますが、オオバヤシャブシは樹形が整いにくい木で、成長すると枝振りが乱れがちに。もともと剪定を嫌う木のため枝は切らず、自然のままの形で育てていきます。
オオバヤシャブシとヤシャブシの違いは?
オオバヤシャブシの同属で「ヤシャブシ(夜叉五倍子)」という名前を持つ樹木が存在しています。分類や名前も同じで、開花時期と成長過程もほぼ一緒ですが、見分けるための違いはあるのでしょうか?
2つの樹木の見分け方
①枝先の花や葉のつきかたに違いがある
オオバヤシャブシは「葉→雌花→雄花」の順番で枝先に花や葉をつけていきますが、ヤシャブシは正反対で「雄花→雌花→葉」の順番に花と葉をつけていきます。枝先にしだれた雄花がついていたらヤシャブシと覚えておくと見分けやすいですよ。
②葉の長さと縁の切れ込みに違いがある
ヤシャブシの葉の長さは4~10cmと若干小さめで、丸みをおびたオオバヤシャブシの葉より細めの卵形です。葉の縁にある切れ込みの入りかたがヤシャブシは不規則で、切れ込みもあまり深くありません。
まとめ
オオバヤシャブシが荒廃し痩せた土地でも丈夫に育つのは、成長にかかせない窒素を空気中から取り込むことができる、根粒菌が根っこに住みついているから。優れた肥料木でもあり、特性を活かした緑化樹や砂防林として広く植樹され、低木であることから街路樹や庭木としても活用され生活に馴染んでいます。
オオバヤシャブシの育て方で、鍵となるポイントは3つ。
- 日当たりのよい場所で育てる。
- 肥料はあまりいらない。
- 剪定を嫌う。
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