芹(せり)とは?その種類・旬な季節から効能や食べ方までご紹介!

芹(せり)とは?その種類・旬な季節から効能や食べ方までご紹介!

芹(セリ)とはおよそ2000年以上も前から日本で食べられてきたポピュラーな野菜です。春の七草のひとつで早春の季節に旬をむかえます。効能も多く、季節を感じる野菜の代表格です。そんな芹の種類や見分け方、効能や食べ方、簡単なレシピなどをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.芹(せり)とは
  2. 2.芹(せり)の特徴
  3. 3.芹(せり)の種類
  4. 4.芹(せり)の旬
  5. 5.芹(せり)の効能
  6. 6.芹(せり)の食べ方
  7. 7.まとめ

芹(せり)とは

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セリは、数少ない日本原産の野菜です。古くから食べられており、万葉集にも2首に登場しますし、聖徳太子のお話にも出てきます。春の七草にも数えられる、日本人にはとてもなじみの深い季節を感じる野菜です。食べ方は日本全国にいろいろありますが、特に東日本が主流で、宮城県では全国出荷数日本一の野菜です。葉、茎、根とすべてを食べることができる山菜で、春先の時期になると、休耕田や水田、畦道の水際などの湿地で見られます。

基本情報

学名 oenanthe javanica
科属 セリ科 セリ属
分類 多年草
分布 日本 朝鮮半島 中国 東南アジア
草丈 30~40cm
開花時期 7~8月
別名 シロネグサ ネシログサ カワナ カワナグサ
生薬名 水芹(スイキン)

芹(せり)の特徴

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セリは早春の季節に水田や休耕田、畦道や小川の川岸など、湿地を好んで群生するのが特徴です。一つの場所に密集して生え「競り合う」のでセリという名がつけられたといわれています。迫り合って生えるので「迫り」からセリになったという説もあります。似た野菜にはクレソンがあり、見分け方は葉の形と香りです。早春に旬を迎え、食べ方はそのまま生でもいいですし、加熱してもおいしく、万能な野菜の一つです。

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セリは夏にかけて白くて小さい花をたくさんつけます。複散形花序といい、同じ長さの茎の先に花柄があり、たくさんの花が放射線状につく形をさします。花が満開になると、小さな白い花火が咲いているようにもみえます。小さいハート型の花びらよりもおしべが長く外へ出ているのも花火のようにみえるゆえんです。セリは花が咲いてしまうと、とうが立って葉がかたくなり食べ方がむずかしくなりますので、花が咲く前に収穫しましょう。
 

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セリの葉は出始めの季節に山菜として取る人が多くいます。葉が赤っぽくなっているものは成長時期を過ぎていて固いです。葉だけでなく草全体に香りがあり、葉は互生し複葉で柄が茎をつつみこむようにつきます。小さい葉は卵型をしていて成長するとぎざぎざになります。茎はなめらかで切り口が三角形です。茎が地面を這うように伸びますので、湿地で泥をかぶってしまう葉もありますが、本来はきれいな黄緑色で柔らかいです。

芹(せり)の種類

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セリ自体に種類はありませんが、天然物と栽培物と種類を分ければ、香りやアクの強さが違います。見分け方は茎や根の太さです。同じセリではありますが、ブランドセリという種類があります。「仙台セリ」といって名取市で栽培され、県内80%の出荷をになっている種類です。地下水が豊富なため栽培が盛んで、仙台名物セリ鍋に欠かせないセリです。また「三関(みつせき)セリ」という秋田で栽培される種類は、深い緑の葉、太い茎、白く長い根が特徴でこちらはきりたんぽにかかせません。

天然物

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小川の川岸や湿地帯の半日陰に春先の季節に生息しているのが、天然物のセリです。群生しています。草全体からでる香りが力強く、味もしっかりしています。山菜独特の苦みや香りが好きな方は天然物がおすすめです。鍋の季節に欠かせない天然物の旬は2~3月です。まだそれを過ぎても収穫は可能ですが、晩春は避けた方がいいでしょう。4~5月に入ってくると、ヒルが産卵を始めますし、後ほどご説明しますが、見分け方が難しい毒ゼリが出てくる時期とかさなるからです。

栽培物

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栽培物とは寒い季節になると、スーパーなどに並ぶ根のついたほっそりしたセリのことです。特に旬はありませんが、12月ごろから見かけるようになります。お正月明けに春の七草の「七草粥」に使われます。他の野菜と一緒にセットになって店頭に並ぶものは水耕栽培などで育った栽培ものです。天然物とくらべて、香り、アクともに少なく、山菜特有の苦みなどが苦手な方やお子様にも食べられるようになっています。

セリ科の植物

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セリ科の野菜は香りがよいものが多いので、香味野菜やハーブとして使われます。身近なところでは香味野菜で、ニンジンやセロリ、クレソンやミツバ、アシタバなどです。ハーブとしてはフェンネルやキャラウェイ、ディルなど意外と知らずに使っています。エスカルゴバターに欠かせないパセリもセリ科の野菜です。カレーに必要なクミン、別名パクチーのコリアンダーなどもセリ科です。

ドクゼリ

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天然物のセリを収穫する際に、見分け方に注意しなくてはいけないのが「ドクゼリ」です。「ドクウツギ」「トリカブト」と並ぶ日本三大有毒植物になります。草全部にポリイン化合物のシクトキシンが含まれています。間違って食べると、痙攣や呼吸困難、嘔吐や下痢、意識障害などがおこり、最悪の場合死亡することもある恐ろしい植物です。皮膚からも毒を吸収してしまいます。セリと生える場所が同じで季節も近く、出始めはちいさく特徴が出づらいので見分け方をご紹介します。

見分け方

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ドクゼリとの見分け方

名称 セリ ドクゼリ (オオゼリ)(イヌゼリ)
科属 セリ科 セリ属 セリ科 ドクゼリ属
草丈 30~40cm 60~80cm
毒性 なし 葉、花、茎、根全てが有毒
発生時期 2~3月 4~5月
香り 葉、茎、根全てにセリ独特の香りがする なし
形状 下の方からも葉が出る 葉柄が長い
白くまっすぐ 緑色の地下茎 タケノコ状 わさびのよう

見分け方の基礎情報ですが、初めての山菜取りでセリを収穫する場合は、山菜に詳しい人に同行してもらうことをおすすめします。同じような場所に生えるのと、旬は地域や日照条件によって時期がかぶることもありますので見分け方が難しいです。ドクゼリでも生えはじめは草丈が低いです。また、手で触れても毒を吸収してしまう可能性がありますので、ゴム手袋などをしていくのがよいでしょう。

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芹(せり)の旬

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