芹（せり）とは？その種類・旬な季節から効能や食べ方までご紹介！

セリの旬は天然物で2～4月です。先述のドクゼリと間違えないように、見分け方に自信がなければ、3月くらいで収穫は控えた方がよいでしょう。七草粥を食べる1月７日には天然物のセリはまだ旬ではないので、生えていません。そのため、栽培物が出回ります。栽培物はとくに旬はありません。お鍋の需要があるので12月ごろからスーパーで見かけますが、ブランドセリ等は通販でお取り寄せすることができます。

このほかにもカリウムや匂い成分のオイゲノールなどが含まれています。オイゲノールは精油成分で抗菌、殺菌作用などの効能があり、鎮静作用もあります。胃をいやす効能があるため、年末年始の暴飲暴食のあと七草粥で必要となることもあるのではないでしょうか。ベータカロテンやビタミンCなどは抗がん作用が期待されます。体温をあげて発汗を促す作用もありますので、子供の解熱には搾り汁がよいとされました。

セリというと代表的な食べ方が七草粥なので、薬膳野菜のようなイメージがあります。効能をみてもかなり生薬に近いですが、じつはどんな食べ方もできる便利な食材です。効能が多いセリを上手に簡単にとりいれたレシピをいくつかご紹介しますので、ぜひ挑戦してみてください。食べ方は自由です。葉や茎だけではなく、根も美味しくいただけます。材料や味付けはお好みによって、冷蔵庫と相談してアレンジレシピにしてみましょう。

おひたしは代表的な食べ方です。セリは生でも食べられる種類の野菜です。特に旬の時期の葉の部分はやわからくあまり火を通し過ぎると食感がなくなってしまいます。茹でておかかをかけてもよいですが、おひたしに一工夫して和え物でもおいしくいただけます。ゴマやピーナッツ、クルミなどをすり、蒸したささみと少量のマヨネーズと一緒に和えると脇役のおひたしから主役のおかずに変身です。普通のお醤油ではなく、わさび醤油でどうぞ。

セリをサラダでいただくときは天然物よりも栽培物のほうがやわらかく、アクが少ないのでおすすめです。特に生食だとビタミンCの効能を逃さずいただけます。ベビーリーフやリーフレタスと一緒に数センチにざく切りしてお皿に盛りましょう。アクが気になるときは切ってから水にさらすとアク抜きができます。ゆでたうずらの卵をニンニク醤油に漬けたもの、プチトマト、小さい種類のモッツアレラチーズをそれぞれ半分に切り、フライドオニオンをトッピングしてイタリアンドレッシングをかけていただくと美味しいですよ。

セリは油との相性がとても良いので、フライや天ぷらにはもってこいです。旬の白身魚や新玉ねぎなどと一緒にかき揚げにすると季節を感じることができます。エビをすりみにして、細かく切ったセリをまぜこみ天ぷらにするとふわふわのえびしんじょができます。セリだけを天ぷらにして、藻塩でいただくとお酒のあてにも最適です。色々な天ぷらをあげて天丼にする時には薬味として刻んだセリと乗せると大人の薬味になります。

おひたしと並んで代表的な食べ方なのがお鍋です。セリはお鍋の季節には欠かせません。仙台のセリ鍋はセリが主役、さらに根が重要な種類のお鍋です。秋田のきりたんぽも根までいただきます。根の部分にはどうしても土がのこりがちですので、下処置をするときにきれいな歯ブラシなどでしっかり土を落とすのがポイントです。おすすめはセリをざく切りにし、骨付きの鶏を入れ、味噌ベースにすりおろしたショウガ、大根おろしをいれたみぞれ鍋です。「かんずり」という調味料があればなお体が温まります。

ご飯と一緒のセリの食べ方は2種類あります。セリに手を加えておかずにするか、ご飯に炊き込むかです。セリを細かく切ってむき身のアサリと一緒に醤油、砂糖、ショウガを入れてしぐれ煮にします。できあがりに山椒をふるとご飯がすすむおともになります。炊き込みご飯のとき、味つけが面倒な場合は麺つゆが簡単です。キノコや油揚げ、ささみなどとみじん切りにした根を炊き込みます。炊き上がったら、錦糸卵（面倒なら炒り卵）、刻みのりと柔らかい葉の部分をのせてできあがりです。

麺と一口に言っても種類が多くあります。そば、うどん、パスタ、フォー、ラーメンなどです。そばやうどんには天ぷらにして乗せたり、薬味として刻み入れたりすると香りがたのしめます。フォーやラーメンにはおひたしにしてトッピングがよいでしょう。ニンニクをみじん切りにしてオリーブオイルで香りが立つまで炒め、一緒にセリの根を入れます。ムール貝や牡蠣、なければエビやイカのミックスを入れて昆布茶で味を調えてパスタを入れます。葉の部分をトッピングすればシーフードセリパスタの完成です。

セリと肉は油がとりもつ仲なので相性がよいです。豚肉とセリを塩コショウで炒めるだけで一品になります。鶏ひき肉に下茹でしてみじん切りにした根を混ぜます。丸くして焼けばツクネになりますが、根のコリッとした食感が軟骨に似て楽しいです。卵の黄身をそえるとなおおいしくいただけます。ゆでたセリとチーズをノリでまき、それをさらに牛肉でまいて焼き、オイスターソースで味付けをすると、ご飯もお酒もすすむ一品になります。

セリの見分け方や効能、特徴やレシピなどをご紹介いたしました。ドクゼリは大変危険なので天然物を収穫する際には、見分け方に詳しい方とご一緒するのをおすすめします。セリは派手ではありませんが、それゆえにレシピが多く、料理のレパートリーが増える野菜です。効能が多いのも特徴の一つです。解熱や殺菌だけでなく、胎児に必要な葉酸や体を温める効能がありますので、特に女性にはおすすめの野菜です。