バルサミコ酢とは？原料・効能から上手な使い方・レシピまで紹介！

イタリア料理で人気の黒くてとろみのあるバルサミコ酢は、リンゴ酢と同じ果実酢の一種です。イタリア語で「アチェート・バルサミコ」とは、「香りのあるお酢」を意味します。そんな色や香りに特徴があるバルサミコ酢について、原料や効能からレシピまでわかりやすく解説していきます。

バルサミコ酢の原料は、ぶどうです。原料のぶどうから果汁を搾り、煮詰めることで果汁をさらに濃縮させたものが、バルサミコ酢の元になります。濃縮されたぶどう果汁をワインのように長期間熟成させることで醗酵し、ようやくバルサミコ酢になります。

同じぶどうが原料のワインビネガーには、バルサミコ酢とどんな違いがあるのでしょう。ワインビネガーは原料のぶどう果汁をアルコール醗酵させた後に、酢酸醗酵させて作ります。ワインのように赤や白、シャンパン・ビネガーもあります。

白ぶどうやぶどうの皮を取り除いたぶどう果汁をアルコール発酵させ、酢酸醱酵させたものが白ワインビネガーです。白ワインのようなクリアな色と、すっきりとした酸味が特徴です。オリーブオイルとの相性がよく、料理ではサラダのドレッシングや魚のマリネなどに向いています。

赤や黒ぶどうの果皮を含んだぶどう果汁をアルコール発酵させ、酢酸醗酵させたものが赤ワインビネガーです。ルビーのような赤みと、独特の渋みが特徴です。お肉料理との相性がよく、柔らかくしたい煮込み料理などに使われ、肉汁と煮詰めるとコクのあるソースにもなります。

かつてイタリア貴族は健康と美しさのために、1日1さじのバルサミコ酢を欠かさなかったとか。そんな貴重なイタリアの伝統的なバルサミコ酢についても、ご紹介します。

伝統的なバルサミコ酢はイタリア北部の都市、ボローニャの近郊にあるモデナやレッジョ・エミリアで生産されています。原料のぶどうの品種や製法を守り、木樽でじっくりと一定の熟成期間を経たものだけが、「伝統的なバルサミコ酢」としてDOPの認定を受けることができます。

伝統的なバルサミコ酢の原料となるぶどうの品種は、2種類に限定されています。どちらもワイン用のぶどうで、赤はランブルスコ種、白はトレビアーノ種です。赤ワイン用のランブルスコ種は、近年人気の高い発泡タイプの赤ワインになる品種です。

原料となるぶどうの果汁を煮詰めて木樽で長期間熟成させた「伝統的なバルサミコ酢」は、熟成期間によってDOPで3つのランクに認定されます。認定品をネットショップで調べたところ、もっとも若い12年もので1万円前後とかなりお高い価格で販売されています。（2019年12月現在）

1. 12年以上
2. 18年以上
3. 25年以上

DOPに認定されていなくても、伝統的な製法で作られたバルサミコ酢はあります。見分けるポイントはラベルです。ラベルの表面には品名の「ACETO BALSAMICO」や、産地が表記されています。裏面の品名には「ぶどう酢」、原材料には「ぶどう」または「ぶどう果汁」と記載されています。原材料にワインビネガーやカラメルが含まれているのは、伝統的な製法とはいえません。

イタリアンレストランで食べたことはあっても、実際に食材として使いこなすにはちょっとハードルが高そう…そんなバルサミコ酢の特徴が分かれば、もっと料理に活用したくなりますよ。

ぶどう果汁を熟成させたバルサミコ酢に、料理酢のようなツンツンした酸味はありません。まろやかな風味をより楽しむには、加熱せずに生のまま味わうのがおすすめです。同じイタリア北部のパルマハムやパルミジャーノと合わせて、おいしい前菜として楽しむのもよいですね。

ぶどうの果汁を煮詰めて醗酵させているので、赤ワインよりもさらに複雑な香りが楽しめるのがバルサミコ酢の特徴です。スローフード大国イタリアではドレッシングを作り置きせず、食卓で食材にかけて食べるのが主流です。バルサミコ酢には、フレッシュな野菜や果物の香りを引き立てる役割もあります。

原料のぶどう果汁からくるコクのある甘みも楽しめるのが、他のお酢とは違うバルサミコ酢の特徴です。いつものカップアイスがおいしい高級バニラアイスに大変身しますよ！デザートに数滴かけるだけで、生クリームやカスタードの濃厚な甘さをより引き立てます。バルサミコ酢の使い道が広がる、おすすめの食べ方です。