ユッカとは
ユッカとは、もともと北アメリカから中央アメリカに自生している植物です。別名「青年の木」と呼ばれます。凛々しい見た目で観葉植物としても人気が高く、男性へのプレゼントやお祝い事のギフトとしても選ばれています。初心者でも簡単に育てられ、室内のインテリアとして取り入れやすいのがポイントです。
ユッカの基本情報
科名 | リュウゼツラン科 キジカクシ科 |
形態 | 低樹 |
属名 | イトラン属(ユッカ属) | 耐寒性 | やや弱い |
英名 | yucca | 耐暑性 | 強い |
別名 | 青年の木 | 耐陰性 | 弱い |
ユッカの特徴
ユッカはもともと乾燥地域に生育しており、乾燥に強い植物です。鋭くとがった葉、太い幹が特徴的で、地植えでは2mに以上育つことがあります。ユッカだけでも約50種類ほどあり、見た目もさまざまです。主に観葉植物として親しまれているのは、「青年の木」とも呼ばれるユッカ・エレファンティペス(Yucca elephantipes)です。
ボタ爺
ユッカは種類によって育つ特徴もそれぞれ異なるので、枯らさないで育てるために自分のユッカがどの種類なのか知っておきましょう。
ユッカの花言葉
ユッカは、成長すると茎を伸ばしてスズランのような白い花が咲かせます。花言葉には『勇壮』『偉大』『颯爽』の意味があります。「青年の木」とも呼ばれるユッカの名のとおり、凛々しい花言葉です。
ユッカの育て方
ユッカは初心者でも育てやすい観葉植物です。ユッカを枯らさないで育てるためにも、基本的な育て方から増やし方について理解しましょう。
育て方①置き場所
ユッカの置き場所は日当たりのよい場所を選びましょう。ユッカは日当たりのよい場所を好みます。室内で育てる場合は、風通しがよく日光が差し込むカーテン越しがよいでしょう。またエアコンの風が当たらない場所を選びます。屋外で育てる場合は、夏は暑くなるコンクリートの上を避け、冬は気温が下がるためなるべく室内に移します。
育て方②水やり
ユッカはもともと乾燥に強い植物で、水やりの回数が少なくても問題ありません。土の表面が乾いてから水やりするようにしましょう。与えるときは、たっぷりと水をやります。冬は1週間に1~2回で乾燥気味に育てます。
ボタ爺
土の乾燥はただ見るだけでなく、実際に手で触ったり、割りばしを刺したりして確認します。
育て方③用土
ユッカは、水のやりすぎで根腐れを起こすため、水はけのよい用土を使用します。赤玉土7:腐葉土3の割合で植えつけます。地植えする場合も、もともとの用土に赤玉土と腐葉土を混ぜるようにしましょう。
育て方④肥料
ユッカに与える肥料は、液体タイプか緩効性の化成肥料です。春から秋の成長期に与えるようにしましょう。肥料は与えすぎると育ちすぎるため、少なめに与えます。
ボタ爺
肥料はなくても大丈夫ですが、与えることで葉が色づき育ちやすくなります。
育て方⑤手入れ
葉の剪定
ユッカの葉が伸びすぎたり、葉先が枯れたりしたらハサミで剪定します。また、茎から長く伸びすぎた芽はノコギリなどよく切れるもので切り戻しします。
ボタ爺
伸びすぎた葉や茎、植物の不要な部分を切り取ることを「剪定」、茎から長く伸びすぎ芽を株元から5cmほど残して切ることを「切り戻し」といいます。
育て方⑥植え付けと植え替え
ユッカの植え替えは、春から秋にかけて行います。使用している用土の水はけが悪くなったり、ユッカの成長に合わせて鉢が小さくなったりしたタイミングで一回り大きな鉢へ植え替えます。植え替えは3~4年に1回は行うようにしましょう。
育て方⑦増やし方
挿し木
ユッカの増やし方は挿し木です。剪定時に茎を株分けしましょう。株分けした茎を土に植えることで、ユッカを増やせます。茎の長さは生やしたいユッカの茎の大きさに合わせます。
ボタ爺
「挿し木」とは、植物の幹や枝を切り取って土や水に差し、新たな株を作る方法のことをいいます。
ユッカの葉が枯れる原因や対策
ユッカの葉が色褪せる原因はいくつかあります。育てているユッカにあてはまるものがあったら、ユッカの葉を枯らしてしまうかもしれません。ユッカの葉が枯れてしまう原因や対策について見ていきます。
葉が色褪せてきたら?
ユッカの葉が色褪せてきたら、ユッカを育てている環境や手入れの方法に問題がある可能性が高いです。ユッカの葉の変化を見つけたら自分の育て方やユッカを育てる環境を見直すようにしましょう。
ユッカの葉のこんな変化には注意
- 葉先が枯れる
- 葉の色が変色する
- 葉が垂れてきた
- 葉に虫がついている
水やりの過不足
ユッカの水やりは与えすぎても、少なすぎても枯れる原因となります。水やりにより土の中が湿潤環境になっていないか、逆に冬は乾燥しすぎていないかを見ながら水やりをします。
ユッカの水やりのコツ
- 水をやる前に土の表面が乾燥しているかを確認する
- 夏の水やりは夕方に行う
- 冬も1週間に1回は水やりを行う
根腐れ
ユッカは湿気に弱く、水のやりすぎにより根腐れを起こすことがあります。夏は日中に水やりをすると日光により植木鉢内が高温になってしまうため、根腐れを起こす原因となります。土の乾燥具合や季節に合わせて水やりの量を調整したり、風通しのよい場所に移すようにしましょう。
ボタ爺
土の表面が乾燥しているかを見てからの水やりが大切です。
水やり不足
ユッカは乾燥に強い植物ではありますが、水やりが少ないと葉先が枯れます。乾燥に強い植物だからといって水をやらない期間が長いと枯れてしまいます。乾燥気味に育てる冬でも水やりは必ず行うようにしましょう。
手入れ不足
ユッカの成長に合わせて必要な手入れができていないと、葉が枯れる原因になります。日ごろの葉の剪定や植木鉢の大きさが合っているかを確認するようにしましょう。
ユッカの手入れのコツ
- 枯れた葉先はハサミでカット
- 受け皿の水は捨てる
- ユッカが成長したら一回り大きな鉢へ植え替えをする
- 植え替え時は黒くなった根を取り除く
根詰まり
室内で育てている場合、ユッカの成長に伴い鉢植えが小さくなり、根詰まりを起こすことがあります。成長に合わせ、最低でも年に1回は植え替えをするようにしましょう。
害虫の付着や病気
害虫や病気によりユッカの葉は変色したり枯れたりします。こうした葉を見つけたら病気が広がらないように葉先はハサミで葉の形に沿って剪定します。もし害虫が発生してしまっていたら、殺虫剤を使用して退治するようにしましょう。
ボタ爺
ユッカには、春から秋に炭そ病という病気やカイガラムシといった害虫が葉につくことがあります。
置き場所がよくない
ユッカの葉が枯れる原因には置き場所があります。日光、温度、湿度などの環境が整っている場所かを見直すことが大切です。
ユッカの置き場所のコツ
- 日光の当たる場所(直射日光は当たらないようカーテンで遮る)
- 夏は風通しのいい場所へ移動する
- 冬は温度管理し、寒くしないようにする
- エアコンが当たらない場所に置く
日照不足
直射日光により葉焼けして枯れることもありますが、日光が十分に当たっていないと、土が乾燥せずに根腐れを起こしてユッカの葉が枯れてしまうことがあります。日当たりの少ないようであれば置き場所を変えてみましょう。
ボタ爺
特に、ユッカ・ロストラタは日当たりが悪いと育ちにくいです。
乾燥している
ユッカは乾燥に強い植物ではありますが、エアコンにあたり続けていたりすると枯れてしまう原因となります。エアコンが直接当たる場所を避けるようにし、霧吹きなどで乾燥を予防します。
冬の時期に低温環境になっている
ユッカは寒さには弱く、冬は吸水も悪くなり、枯れる原因となります。室内で育てている人は、温度管理を行うようにします。屋外で育てている場合は、室内へ移動しユッカを寒さから守る工夫が必要です。
まとめ
ユッカは、初心者の方でもコツさえつかめば長く育てられる観葉植物です。ユッカの特徴を理解し、愛情込めてお世話してあげてください。
出典:写真AC