大麻の日本での自生場所
大麻は日本で自生している地域もあり、北海道では大麻草、沖縄ではケシが確認されています。手付かずの自然だけでなく、園芸用として購入した苗が違法なケシだったという事例もあるので注意が必要です。北海道と沖縄の、大麻草やケシについてご紹介します。
北海道(大麻草)
北海道では、農道に乾燥大麻が落ちていたり、知床などの大自然に自生してしまったりしているため、北海道道保健福祉部が撲滅に取り組んでいます。日本で特別な許可なく所持することは禁止されているため、摘むことはできません。
沖縄(ケシ)
沖縄では2019年に「園芸用のポピーだと思い栽培していたものが、植えてはいけないケシだった」という事例が、沖縄県名護市で発生しています。ケシはポピーとよく似ているため、少しでもおかしいと思った場合は、警察や保健所へ通報するようにしてください。
大麻の仲間
大麻は別名「マリファナ」や「カンナビス」「ガンジャ」と呼ばれています。これらの他にも大麻の仲間はたくさんあり、乾燥させたものや、ジュースとして売られているものまでさまざまです。そんな大麻の仲間をご紹介します。
アヘン
アヘンも麻薬と呼ばれています。大麻草ではなく、ケシという植物の実から抽出された汁を乾燥させたものです。アヘン中毒になると、骨と皮だけの状態になり、座っているのも困難になります。アヘンの歴史は紀元前にさかのぼり、元は鎮痛剤として使用されていましたが、のちに1840年、アヘン戦争の原因となった薬物です。
ウィード
ウィードは、カリフォルニアで話題の飲み物です。炭酸飲料として売られていますが、このウィードには、大麻の花穂に含まれている「テトラヒドロカンナビノール(THC)」が原料として使われています。日本人旅行者でも21歳以上なら飲むことができますが、医療大麻推薦状やパスポートの提示が必要です。
大麻の花と葉っぱの効果は?
大麻にはさまざまな効果が期待できます。代表的なものは「鎮痛作用」「沈静作用」「催眠作用」などですが、他にも「抗ガン作用」「食欲増進作用」「嘔吐の抑制」などがあるといわれています。そのため、海外では自己治癒を目的として、個人で大麻を使用している人もいる、という報告もあります。
効果①うつ病の軽減
大麻には「アラキドノイルグリセロール」という成分が含まれています。このアラキドノイルグリセロールには、精神を安定させる働きや、過剰な興奮を抑える働きがあるとされ、うつ病の軽減にも有効的と期待されている成分です。
効果②緑内障の治療
大麻を摂取すると、眼圧を低下させる効果が期待できます。緑内障の原因の1つとして挙げられるのが、眼圧の上昇です。そのため、大麻の特徴を生かして、緑内障の治療につながると考えられています。しかし、危険性などについて、科学的な証明はまだされていません。
効果③鎮痛剤依存の緩和
大麻は、鎮痛剤依存の緩和も期待できるといわれています。主に「オピエート」と呼ばれる鎮痛麻薬に依存している人が対象で、オピエートから医療大麻に移行させるという治療方法です。結果、67%の患者が鎮痛麻薬をやめることができ、29%は使用量を減らすことに成功したという研究結果があります。
効果④風邪・ガン・喘息の緩和
麻薬は風邪やガン、喘息の緩和にも効果的といわれています。実際に肝臓ガンが見つかった患者が大麻を使用したところ、痛みが和らいだり、腫瘍マーカーの数値が20分の1に減少したりという効果があったという本人による報告もあります。
効果⑤エイズ・HIVの治療
大麻を使用すると、食欲が増加する傾向があるといわれています。HIV感染者やエイズの患者は、食欲が落ちてやせ細ってしまったり、免疫が落ちたりする症状が出るのが特徴です。そのため、大麻を使用して食欲を増進させることで、体力や免疫力を上げ、エイズやHIVの治療に役立つとも期待されています。
ボタニ子
次のページでは、麻薬としての危険性をご紹介します。