危険な毒草・有毒植物一覧!
キョウチクトウの毒を蓄えるオオゴマダラ
要注意!! 植物の毒で死に至る!
山に入ると鮮やかで妖艶な花が咲いていることがあり、思わず触れてみたくなることもありますよね? でも、すぐに触ってはいけません。なかには、触るだけでも大怪我をする植物があります。また、安全なはずの住宅の中の植物にも猛毒を含んだものがあります。知らずに触ったり食べたりすることで死んでしまったり、死ななくても病院で救急手当を受けなければならない場合があります。ここでは、中でも特に恐ろしい植物をあげていきます。
14位 スイセン
可憐な花
スイセンは美しい花で種類も豊富です。庭の花壇にもよく植えられて、春を告げる花の一つです。よい香りがあり、切り花や生け花にしても見栄えの良い花です。ギリシャ神話のナルキッソスが泉に映る自分の姿に見とれて、動けなくなりついには美しい花になってしまいます。その花がスイセンなのです
死に至る毒
しかしスイセンは恐ろしい毒のある花なのです。葉はニラによく似ていて畑などで混在してしまうと間違える危険性があります。スイセンを食べると、おう吐や下痢、頭痛などを起こし、酷い場合には昏睡状態に陥り死に至ることもあります。葉をニラと間違えるだけでなく、球根をタマネギと間違えて中毒を起こした例もあります。
13位 ヒガンバナ
真っ赤な美しい花
秋のお彼岸の頃に、真っ赤な花を群生させる美しいヒガンバナを見たことがあるでしょうか?群生地でなくても、田んぼのあぜや個人の庭などで見かけると、赤い色が印象に残る、とても身近な花です。植えっぱなしでも増えていくので、自然の中でも群生が見られます。球根にはデンプンが豊富に含まれているので、戦時中食料が手に入らなかったときはイモと同じくらいに大切なエネルギー源でした。
麻痺毒で死を招く
ところがヒガンバナは非常に有害な花なのです。花が咲いていない葉だけのときは野菜のノビルやアサツキによく似ています。誤ってヒガンバナを食べると吐き気、下痢、麻痺などの症状が現れ、ひどい場合は中枢神経にまで麻痺が起こり死に至ることもあります。ヒガンバナの毒に対する解毒剤はありません。催吐薬や下剤を投与しての対症療法を行うしか方法はないのです。
ヒガンバナの薬用効果
恐ろしいヒガンバナですが、人間にとって大いに役立ってきました。ヒガンバナの球根は、毒抜きをして食料や漢方薬として利用されてきたのです。消炎作用や利尿作用があり、むくみやあかぎれ、関節痛を改善する効果があります。近年ではアルツハイマー型認知症の薬に利用されるようになり、今後その効果が期待されています。
12位 ジャイアント・ホグウィード
観賞用植物として世界に広まる
ジャイアント・ホグウィードは、西アジアが原産で鑑賞用の植物として、西ヨーロッパやアメリカに持ち込まれました。草丈は2メートル以上に及び、レースのような花は幅が75センチメートルにもなります。珍しさで人気を博しました。ジャイアント・ホグウィードはたちまち野生化して、川岸や道端で多く見られるようになったのです。
触れるだけで大火傷
ところがジャイアント・ホグウィードは非常に有害な草花だったのです。毒のある樹液に触ってしまうと細胞にまで浸透し、ひどい火傷のような症状と水ぶくれになります。傷はひどい苦痛を伴い、傷跡は数か月からなんと数年までも残り、長い年月痛みに耐えなければなりません。さらに、樹液が目に入ると失明するほど怖い植物なのです。
11位 ジギタリス
外観からは想像できないほどの毒性
ジギタリスは愛らしい色と形で、その花畑には見とれてしまうほどです。ところがこの花は毒のある非常に有害な植物なのです。食べると、嘔吐、胃腸障害、めまい、不整脈などの中毒症状を起こし、最悪の場合は死に至ります。ジギタリスによる中毒事件は欧米を中心に発生しており、日本でもジギタリスの葉を誤食したことにより死亡したケースもありました。
なぜ栽培された?
そんな恐ろしい事件もありながら、ジギタリスは栽培され続けてきました。それは長い間、薬として大切に育てられてきたからです。心臓病や打ち身、切り傷の薬として利用価値がありました。現在では化学合成の薬に取って代わられ、使われていません。それだけでもジギタリスの愛好家は多く、今でも観賞用に作られています。
10位 ドクウツギ
日本三大有毒植物 (3位)
ドクウツギは日本三大有毒植物のひとつで、沖縄を除く日本全国の山地や河川敷に自生しています。赤や紫色をした美味しそうなこの実は、食べると甘く非常に美味です。しかし、味わった後には痙攣、呼吸困難、内臓出血を起こします。ドクウツギは神経毒を含み、死に至る怖い植物なのです。昔は山で遊ぶ子供があまりに美味しそうなので、食べてしまって死ぬことも多くあったそうです。
ボタニ子
次のページでは、ドクニンジンから紹介!
9位 ドクニンジン
処刑に使われた神経毒
ドクニンジンはヨーロッパに自生する毒草で、ソクラテスの処刑にも用いられたことで有名です。少量を摂取するだけで、中枢神経が侵され筋肉が麻痺します。まずは足元から麻痺が起こり、徐々に体の上方へと広がっていき、最後は呼吸困難に陥り死に至るという怖い植物です。
よく似ている山菜(ヤマニンジン)
ヤマニンジン(別名:シャク)は、日本に昔からある山菜で、葉の形がニンジンに似ています。おひたしなどにして食べると美味です。血圧降下、糖尿病、動脈硬化予防などチョウセンニンジンに似た薬効もあり有用な植物です。ところが、有害なドクニンジンが1950年代に海外から入ってきて北海道や本州の一部で野生化すると、ヤマニンジンと間違えて食べて中毒になるという怖い事件が起こるようになりました。
8位 ハシリドコロ
死に至る麻痺毒
ハシリドコロは猛毒がありますが、新芽の形がフキノトウとも似ており、山菜と間違えて食べてしまうことがあります。ハシリドコロを料理して食べると、ほろ苦く美味です。しかしその後すぐに、嘔吐、めまい、幻覚症状、下痢、血便などの中毒症状を引き起こしてしまいます。しかも致死率も高い毒草なのです。ハシリドコロを触った手で目をこするだけで瞳孔が開いてしまうほど怖い毒を持っています。
薬としての利用
いくつかの毒草と同じように、ハシリドコロも薬として利用されています。根と茎はロートコンという呼び名の薬品として使われ、胃痙攣、喘息、神経痛といった病気の鎮痛剤として使われます。ロートコンは劇薬指定されており、専門家の手に任されなければ危険です。
出典:写真AC