ササユリ(笹百合)とは?その生態や特徴を紹介!自宅で育てられる?

ササユリ(笹百合)とは?その生態や特徴を紹介!自宅で育てられる?

ササユリは日本固有のユリで、上品な美しさから多くの人々に愛されています。ですが限られた地域に分布し、山地や森林地帯に自生していることから、その生態はあまり知られていません。今回はササユリの生態や特徴、家庭での育て方について紹介します。

記事の目次

  1. 1.ササユリとは
  2. 2.ササユリの特徴
  3. 3.ササユリの花言葉
  4. 4.ササユリとヒメサユリの見分け方
  5. 5.ササユリの育て方
  6. 6.まとめ

ササユリとは

出典:写真AC

ササユリ(笹百合)はユリの品種の一つで、日本固有種でもあります。葉の形が笹の葉に似ていることからササユリ(笹百合)と呼ばれるようになりました。主に本州中部地方から四国、九州地方にかけて分布し、関東地方ではあまり見ることはありません。ユリの中では開花時期が早く、5月から7月にかけて大輪の花を咲かせます。花色は淡いピンク色ですが、ごくまれにアルビノ種が生まれ、白い花を咲かせることもあります。

ササユリの特徴

出典:写真AC​​​​​​

前述のように、笹の葉に似た葉と淡いピンク色の大輪の花が特徴です。漏斗状に咲き、花びらの長さは約10cmから15cmほどで、独特の芳香を持っています。花粉の色は赤褐色ですが、黄色い花粉を持つササユリもあります。野山に自生していることから、地域によってはヤマユリとも呼ばれています。ちなみに野山に自生している野生種は、種から花を咲かせるまでに7年以上かかります。

実は準絶滅危惧種

前述したように、ササユリの野生種は種子から花をつけるまでに7年以上もの歳月を要します。さらに病気に弱いことや、美しい姿から盗掘されることも多いため、近年では野生種が減少しています。ササユリを準絶滅危惧種に指定した地域もあるほどです。

ササユリの地理的変異種

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ササユリには複数の地理的変異種があり、特徴や呼び名も少し変わっています。ここでは、ササユリの主だった地理的変異種を紹介しましょう。

ヒュウガササユリ

ヒュウガササユリ(日向笹百合)は、九州の宮崎県北部および大分県南部に分布している小型のササユリです。花色が基本種のササユリと比べると、やや濃いめのピンク色という特徴があります。ササユリの中でも開花時期が早く、特に海辺に自生しているものは4月下旬から開花します。

ジンリョウユリ

ジンリョウユリ(神領百合)は、四国の徳島県の山地に分布しています。徳島県の神山町神領村で発見されたことから、この名前がつきました。ササユリの中では最も小型の品種で花も小輪です。花色は濃いめのピンク色ですが、花びらの喉元の色が周辺部よりも濃いという特徴があります。また、葉に細い白覆輪が入っているのもこのユリの大きな特徴です。

イシマササユリ

イシマササユリ(伊島笹百合)は、徳島県阿南市の離島・伊島の海岸近くに自生している品種です。開花時期は5月下旬から6月上旬で、大輪の淡いピンク色の花をつけます。海の影響を受けやすいため、肉厚で幅が広い葉を持っているのが大きな特徴です。

フクリンササユリ

フクリンササユリ(覆輪笹百合)は、四国の高知県や愛媛県の丘陵地帯や産地の草地などに自生する品種です。名前は葉に白い覆輪がついている特徴に由来しています。開花時期は6月から7月です。開花時期を迎えると淡いピンク色、または白い花を咲かせます。

ニオイユリ

ニオイユリ(匂百合)は紀伊半島の熊野山中に分布しているササユリの変種で、細い葉と最大で1m以上にもなる高い草丈が特徴です。花色は基本種のササユリに近い薄いピンク色ですが、香りは名前が示すように基本種よりも強いとされています。大輪の花が咲くと細く垂れ下がる葉とあいまって、独特の雰囲気を持つ優美な姿を見せてくれます。

ササユリの花言葉

出典:写真AC

ササユリの花言葉は「清浄」「純潔」「上品」「希少」です。「清浄」「純潔」はユリ全般の花言葉で、由来はギリシャ神話とキリスト教にあると言われています。ギリシャ神話ではユリを婚姻と貞節を司る女神ヘラの花としました。一方、キリスト教でも白いユリを聖母マリアの象徴花として扱っています。「上品」はササユリの端正な姿が由来です。「希少」は近年、野生種の数が減少したことに由来しています。

ササユリとヒメサユリの見分け方

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日本に自生するユリの中で、ササユリによく似たユリがあります。それがヒメサユリです。ここではヒメサユリの概要やササユリとの違いについて紹介します。

ヒメサユリとは

出典:写真AC

ヒメサユリ(姫小百合/姫早百合)は、ササユリと同じく日本固有のユリです。本来の名前はオトメユリ(乙女百合)といい、ヒメサユリは別名なのですが、一般的にはヒメサユリの名前のほうが知られています。関東以北の山地や丘陵地帯に分布し、開花時期は6月から8月です。甘い芳香を持つ薄ピンク色の花を咲かせます。ササユリと同じく、近年は野生種の減少により準絶滅危惧種に指定されています。

ヒメサユリの花言葉

ヒメサユリの花言葉は「飾らぬ美」「純潔」「私の心の姿」です。「飾らぬ美」と「私の心の姿」の由来ははっきりしていませんが、ユリとしては小型で薄いピンク色の花をつけるヒメサユリは、名前が示すように清楚で可憐な雰囲気に満ちています。自然の中で可憐に咲く花姿を、素直で愛らしい乙女の姿と重ねたのでしょう。

ササユリとヒメサユリとの違い

出典:写真AC​​​​​​

違いその①:花粉の色

ササユリとヒメサユリとの違いとして、真っ先にあげられるのは花粉の色です。ササユリの花粉の色は赤褐色が多いのに対して、ヒメサユリは黄色い色をしています。迷った時はそれぞれのおしべを見れば一目瞭然です。

違いその②:花や草丈の大きさ

ササユリの草丈は品種によって違いはありますが、50cmから150cmと、やや高めに生長します。それに対してヒメサユリの草丈は30cmから50cmほどと低く、花の大きさもヒメサユリのほうが小さめです。花色も似ていますが、よく見るとヒメサユリのほうが、やや赤みが強いピンク色をしています。

違いその③:分布地域

前に少し触れましたが、ササユリの分布地域は中部地方より西の本州、四国、九州です。関東地方など東日本には、ほとんど自生していません。一方、ヒメサユリはササユリとは逆で、関西地方にはほとんど分布せず、飯豊連峰・朝日連峰・吾妻山など、関東以北のごく限られた地域に自生しています。

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ササユリの育て方

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