栗の花とは
秋に旬を迎える栗の実は「甘露煮」「焼き栗」などで多くの人が食しています。木の大きさは2mを超えるため、決して小さくて目立たないわけでもありません。しかし栗が咲かせる花は、栗の実ほどメジャーな存在ではないでしょう。まずは栗の花の見た目や、どのような場所に栗の木が自生しやすいかを見ていきましょう。散策のときなどに見つけられるかもしれません。
見た目
栗の花は、特徴的な形をしています。一度覚えてしまえば、忘れられないような個性的な花です。ススキに似ている容姿で、遠目でも見つけやすいかもしれません。花そのものは美しさよりも個性が勝る風貌です。白に近いクリーム色の花は、一つひとつは小さいですが、一斉にたくさんの花を咲かせるため目立ちやすいです。
栗の花の多くは雄花
栗の花は雄花が圧倒的に多く、雄花のなかにひっそりと雌花が咲いています。白っぽい色の雄花がたくさん咲く茎に近い根本に、雌花が咲いています。雌花は雄花よりも白い花弁が少なく数もかなり少ないため、見慣れないうちは雌花を見つけにくいかもしれません。
どんな場所でみられるか
栗の木は、やせた土地でも力強く育ちます。栗の木を育てている家もあり、住宅地で見かける機会もあるでしょう。比較的温暖な場所を好み、北海道の中部と北部を除く全国各地で自生しています。
栗の花の開花時期と花言葉
特徴のある姿をしている栗の花の開花時期は、いつなのでしょうか?栗の花を見てみたいという方必見の、開花時期についてご紹介します。また、栗の花が持つ花言葉も見ていきましょう。
開花時期
栗の花が開花する時期は、5月~6月の間です。比較的過ごしやすい気候の時期に開花し、花姿を2週間前後楽しめます。花の寿命は短命ではありませんが、特別長寿でもありません。開花時期を逃さないよう観察しましょう。気候によって、若干開花時期がずれることもあります。
花言葉
栗の花言葉は、以下のとおりです。
- 満足
- ぜいたく
- 豪奢
- 豊かな喜び
- 真心
豪勢で華やかな花言葉の数々です。贈り物にもおすすめの花言葉ですが、栗の花は贈り物には不向きかもしれません。栗は花のみならず、木も「公平」「真実」「正義」などの意味を持っています。
栗の花のにおい
栗の花は特徴のある香りをかもし出すことで知られています。どのような香りがするのでしょうか?香りの原因や、栗の花に含まれている成分を解説します。
特徴的なにおい
栗の花は特徴のある独特な香りで、仮にも花の「よい香り」とはいい難いにおいです。花にはそれぞれ個性的な香りがありますが、栗の花の場合は香りではなく「におい」というほうがしっくりくるかもしれません。栗の花のにおいは、少し香ばしさも感じられますが、イカが腐敗し始めたようなにおいと例えられることもあります。ほかの花では、嗅げないにおいです。
「香り」と「におい」の違い
「香り」と「におい」の違いは、以下のとおりです。
- 香り…食事や花など、人が好む印象のよいイメージ。匂いも同じ意味を持つ。
- におい(臭い)…不快なイメージを持ちやすく、万人から愛されるものではない。
栗の花の場合は、臭いが当てはまります。
独特のにおいの原因はスペルミン?
栗の花の特徴的なにおいは、スペルミンという成分が原因ではないかといわれてきました。スペルミンは人間の体液にも含まれている成分で、そのにおいが栗の花によく似ているからです。しかし近年ではスペルミンが原因ではなく、ほかの成分が原因とされています。
栗の花のにおいは消せない
栗の花のにおいは独特なもので、好まない人にとっては若干苦痛を感じる場合もあります。家の近くに栗の木があり、開花時期にはにおいが消せないかと悩むかもしれません。残念ながら栗の花のにおいを消すことは難しく、木を切り倒さなければ完全に断つことはできません。マスクで自衛する、窓を開けないなど、においと上手に付き合っていく工夫をしましょう。