発酵食品とは?
食品が発酵するということは、目にみえない微生物=菌が増えておいしさや栄養のもとになる成分ができていくことです。土の中や空気中、人間のお腹のなかにもたくさんの菌がすんでいます。よい菌が食べ物につくと「発酵」となり、悪い菌がつくと「腐敗」になってしまいます。
発酵食品の歴史
発酵食品は古代文明のころから食べられていました。最初は偶然に食品を置いておいたら、質が変化しておいしい食べ物が生まれたのです。例えば、つぶれたブドウを置きっぱなしにして、しばらくするとよい匂いがし始めた…なめたらよい心地になった…というのが「ワイン」の始まりです。このように放っておいたら自然に発酵するものから、発酵食品の歴史は始まりました。
発酵食品の分類
発酵食品を食材と菌の組み合わせで大きく分類すると「酒」「漬物」「調味料」「発酵乳」の4種類あります。地域や国によって材料はちがい、さまざまな食材と菌を使った発酵食品が保存食として昔から作られてきました。発酵は腐るのを防ぎながら、旨味を増した保存食を作り出してきたのです。
ボタニ子
美味しく食べて免疫力アップしましょうね!
食品で免疫力を上げるには
発酵食品をとると免疫力がアップする理由は、腸で摂取することにあります。食べたものを消化吸収してくれる腸が不調だと、体全体が不調となり、さまざまな病気の引き金となります。腸を自分で整えることによって、体の免疫力を上げることができるのです。
腸内に生息するビフィズス菌などの善玉菌が持つ効能の中には「体の免疫力を高める」という性質があります。
免疫力とは?
免疫力とは、病気の原因となる有害なものに、打ち勝つ力のことをいいます。風邪をひきやすい人、ひきにくい人、また風邪や感染症にかかってもすぐに回復する人もいます。その差は免疫力の高さの違いです。疲れやストレス、暴飲暴食や睡眠不足で体力が低下すると免疫力もさがります。
免疫力と腸の関係
腸には腸管免疫という、腸自身がもっている免疫の働きがあります。腸といえば消化吸収をつかさどる器官のイメージしかありませんが、口や肛門などからいつも外気にさらされています。そのため、細菌やウィルスや花粉などの異物を追い出す、大切な免疫器官なのです。腸の健康を維持することが、腸管免疫を高めることにつながります。
すなわち腸管には免疫の働きを担う細胞や、侵入者と直接戦うたんぱく質である抗体(主として免疫グロブリンA(IgA)の数や量はからだ全体の60%以上が存在している。
腸と発酵食品の関係
腸内には百兆個以上の細菌が住んでいます。その中には善玉菌、悪玉菌、どちらともつかない日和見菌(ひよりみきん)がいて、善玉菌の好きなえさである発酵食品をあたえることが腸の活力を高めます。
発酵食品には、乳酸菌をはじめ、腐敗物質の増加を抑制する善玉菌が豊富に含まれています。善玉菌には、外から入ってくる病原体の侵入を防ぐ免疫細胞を活性化させる
身近な野菜を使った発酵食品を作ろう
キャベツや白菜などは、丸ごと買った方が保存性もよいのですが、なかなか使いきれないという悩みがあります。せっかくなら腸に効く発酵食品の摂取を、日常的に身近にある野菜を使って簡単に作ってみませんか?
野菜を発酵保存食に変えるレシピを紹介
一般的には野菜を保存する方法といえば漬物があります。漬物は乳酸発酵の発酵食品だけでなく、食物繊維も豊富なのでおすすめです。ただ保存食の場合は塩分の摂取が気になる方も多いのではないでしょうか。そこで最低限の塩を使って、保存性を高めながら毎日の料理に活用できる野菜の保存食レシピのご紹介します。
ボタニ子
次ページからは白菜を使った発酵食品レシピをご紹介します!
出典:写真AC