クロコスミアの育て方
ここからは、クロコスミアの育て方について紹介します。クロコスミアは非常に丈夫な植物です。暖地なら、ほとんど手間がかかりません。しかし、育て方のポイントを押さえて栽培すれば、より美しく健やかに育てられます。開花時期に最高に美しい花を見られるように、上手に育て上げましょう。
クロコスミアの育て方:一年間の管理表
行う作業 | 作業の適期 |
開花時期 | 6月~8月 |
植え付け・植え替え | 3月中旬~5月中旬 |
肥料 | 3月~5月 |
上記の表は、クロコスミアの1年間の栽培で行う作業と適期を大まかにまとめたものです。しかし作業の適期は、栽培する地域や環境、その年の気候などでズレることがあります。また、栽培に必要な作業は上記の表にあるものだけではありません。このほかの作業など、詳細は下記をごらんください。
クロコスミアを育てる際の注意点
クロコスミアは美しく育てやすいことから、ガーデニングでも人気のある植物です。しかし前述したように、繁殖力の強さから栽培が禁止されている地域が存在します。自分の住んでいる地域は該当しているかどうか、事前に確認しておきましょう。
育て方のポイント①栽培環境
日当たり
日当たりのよい場所が理想的ですが、クロコスミアは順応性が高いため、半日陰でも育ちます。しかし、日当たりがよい場所のほうが花つきがよいです。可能ならば日当たりのよい場所を確保しましょう。
土・用土
丈夫な植物なので、土の質はこだわる必要はありません。ただし過湿な環境は好まないので、水はけのよい用土を用意しましょう。自分で作る場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合がおすすめです。市販品を使う場合は、草花用の培養土を利用しましょう。
育て方のポイント②植え付け・植え替え
植え付けの適期は?
クロコスミアの球根の植え付けの適期は3月~4月です。クロコスミアは繁殖力が強く、植えっぱなしでも勝手に球根が増えていきます。地植えの場合は、十分に球根同士の間隔を取って植え付けていきましょう。間隔は30cm、深さは5cmが目安です。鉢植えの場合は7号鉢に10球前後、深さは2.5cmを目安に植え付けます。
植え替えの適期と周期は?
植え替えの適期も、植え付けと同じく3月~4月です。クロコスミアの球根は、根を伸ばした先に新しい球根を作るという性質を持っています。このため植えっぱなしでも球根が毎年増えていくのです。鉢植えの場合は、2~3年に一度のペースで植え替えましょう。増えた球根は分球、もしくは間引きします。
育て方のポイント③水やり
鉢植えの場合は春の生育期~夏の開花時期にかけて、土の表面が乾いたら水をたっぷり与えるのが基本です。秋に入って茎葉が枯れてきたら、水やりの回数を減らしていきます。そして完全に枯れたときが、クロコスミアの休眠期です。休眠期の間は水やりを止め、3月から水やりを開始します。
育て方のポイント④肥料
クロコスミアは、生命力も肥料を吸収する力も非常に強い植物です。春の生育期に株元へ緩効性肥料を少量施すだけで、十分過ぎるほど育ちます。むしろ多肥にすると草丈が伸び過ぎて倒れやすくなったり、葉ばかりが成長して花つきが悪くなったりと、株の状態が悪くなってしまうので注意しましょう。
育て方のポイント⑤剪定
クロコスミアの剪定作業は、休眠期に入る秋以降に、枯れた茎葉を切る程度で十分です。ただし切り花にする場合は、穂状の花が全て開花する前に花茎の下から切り取ります。
育て方のポイント⑥病害虫対策
クロコスミアはその強健さゆえに、病気にもかかりにくい植物です。警戒すべき病気はほとんどありません。害虫もほとんど心配ありませんが、強いてあげるならハダニに注意が必要です。ハダニは気温が高く乾燥しやすい時期に発生するので、防除のために生育期や開花時期の水やりの際に、葉水をかけてあげましょう。
クロコスミアに葉水をかける際は、花にかからないように注意しましょう。
クロコスミアの花は、水がかかるとしぼんでしまうんだ。だから水やりするときは気をつけてね。
まとめ
クロコスミアは美しさと丈夫さから、多くの人に愛されてきました。その一方で繁殖力が強過ぎることから、問題視されている植物でもあります。育てる際はしっかりと責任を持って管理し、暑い夏をクロコスミアの美しい花で、鮮やかに彩りましょう。
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地植えの場合は極端に乾燥する時期以外、水やりする必要はありません。