秋色アジサイとは?
秋色アジサイとは5月~6月に赤色や青色をしていた花が緑色に変化し、さらに秋に緑色に重ねてアンティークカラーに変化するアジサイのことです。ヤマアジサイや西洋アジサイのような種類の名前ではなく、季節の変化に伴う花色の変化のことをいいます。つまり適切な管理さえすれば、ほぼ全てのアジサイが秋色アジサイになります。
秋色アジサイの特徴
特徴①花色が変化する
秋色アジサイの最大の特徴は花色が初夏から夏、夏から秋と季節の移ろいともに変化していくところです。色づいたアジサイは、色が重なり合い何ともいえない深みのあるアンティークカラーになります。花色は同じ場所で育てた同品種のものでも、光の当たり具合や気温などで変わるため、世界に一つだけの色合いを楽しめます。
特徴②花を楽しめる期間が長い
秋色アジサイは花が散ることなく、初夏から秋にかけて色合いを変えながら咲き続けます。アジサイの花と思われている部分は、実は「ガク」と呼ばれる部分です。これが変化し「装飾花」になっています。通常のアジサイは約1カ月ほどで見ごろを終えますが、秋色アジサイは1週間ほどのスパンでどんどん色が変わっていきながら、3カ月ほど花を楽しめます。
秋色アジサイの色が変化する仕組み
アジサイは酸性土壌では青い花を、アルカリの土壌では赤い花を咲かせるという話は広く知られています。アジサイの色が変わる仕組みには、アジサイの花色を決定する色素である「アントシアニン」と「土」が大きく関わっています。アジサイが青くなるときと赤くなるときでは、どのような違いがあるのでしょうか。
青くなるとき
アントシアニンはアルミニウムと結びつくと青色に発色する色素です。酸性の土壌ではアルミニウムが土壌に溶け出しやすくなります。アジサイの根はアルミニウムを吸収しやすくなり、青い花を咲かせるのです。日本は雨が多く、土壌が酸性に傾きがちのため青いアジサイが多く咲いています。
赤くなるとき
中性からアルカリ性の土壌では、アルミニウムは土壌に溶け出しづらくなります。そのため、アントシアニンと結合せず、アジサイはアントシアニンの本来の色である赤色の花を咲かせます。赤色のアジサイを咲かせたい場合は、リン酸を多く含む肥料を与えましょう。土壌がアルカリ性に傾き、赤色のアジサイを楽しめます。
アジサイが秋色になる仕組み
花の見ごろが終わると、花の中の色素は少しずつ分解され、鮮やかだった花色が緑色へと変化していきます。緑色になり秋を迎える頃には、夏とは異なる種類のアントシアニンが生成され、装飾花のふちの部分を中心に再度アンティークカラーに色づきます。これは花の老化現象です。土壌とは関係なく起こります。