ルナリアの育て方
基本的には丈夫で育てやすい花です。栽培する際は、「日当たり」と「水はけ」に注意しましょう。日本よりも乾燥した地域でいきいきと花を咲かせる植物ですので、水やりのしすぎもご法度です。肥料や用土、注意するべき病気や害虫など、そのほかの育て方とあわせてくわしく解説します。
育て方①栽培環境
自生地ヨーロッパの気候からもわかるとおり、日照量が多く、乾燥ぎみの環境を好みます。栽培環境には、通気性と水はけのよさを確保しましょう。日当たりのよい場所だとさらによく育ちます。寒さに耐性があり、条件の整った場所であれば、こぼれ種だけで毎年自然と増えていくほど丈夫な植物です。
育て方②水やり
開花前~開花中の成長期はたっぷりの水を必要としますが、基本的には乾燥に強いのでやや乾かし気味の管理で問題ありません。かえって水をやりすぎると、そのことが原因で根腐れしやすくなります。特に冬場は水を与えすぎないように、土や葉の様子をよく観察してくださいね。
育て方③肥料
秋のうちにしっかりと株づくりをしておくことが、翌春の花の咲きぶりに影響します。気温の下がってきた10月初め以降、株のまわりに化成肥料をまきましょう。チッ素、リン酸、カリの比率は、だいたい同量のバランスがおすすめです。早春に追肥として同じものを少量与えると、枝分かれや花付きが活発になります。
育て方④用土
園芸店や通販などで入手できる草花向けの培養土で、十分によく育ちます。配合する場合は赤玉土と腐葉土を使用するとよいでしょう。水はけのよさにさえ注意すれば、土質はそれほど神経質になる必要はありません。石灰質を好む性質があるので、石灰を少し混ぜるとより育ちがよくなります。
育て方⑤植え付け・植え替え
植え付け・植え替えともに、最適な時期は秋です。腐葉土を混ぜて、水はけをよくした用土に植え付けましょう。移植が苦手な植物なので、植え付けの際に根を切らないように気をつけてください。冬までにしっかり根付くように、株のまわりに肥料を施します。よく日の当たる場所で管理するとよいでしょう。
育て方⑥種まき
増やし方は種まきです。花壇やプランターに直接まいても構いませんし、ポットで育苗してから植え付けてもよいでしょう。直まきの場合は混みすぎないように、発芽後に間引きすることを忘れないでくださいね。種まきから開花までは最低でも約1年かかります。毎年種まきをすることが、花を途絶えさせないポイントです。
育て方⑦病気と害虫
病気には比較的強い植物です。ただし水はけの悪い環境で根腐れを起こすことがありますので、水やりの頻度や気温管理には注意してください。害虫は、アブラムシによる吸汁やコナガ、ヨトウムシによる食害が発生します。見つけ次第すぐに駆虫してください。間引きや剪定によって風通しをよくすると防虫できます。
ルナリアのドライフラワー
ほかの花々と同じように、ルナリアも生花だけでなく、ドライフラワーにして飾るという楽しみ方があります。一般的な花と違うのは、ルナリアは乾燥させるのが花ではなく、実であることが多い点です。楽しみ方と作り方を見ていきましょう。個性派ながら主張の強すぎない繊細な姿は、どんなお部屋ともマッチしますよ。
ドライフラワーの楽しみ方
ヨーロッパ、特にイギリスで人気です。カフェや雑貨店で花瓶にさりげなく挿してあったり、ほかのドライとあわせてリースに仕立て、壁やドアに飾ってあったりといった光景が見られます。日本でもインテリアのほか、おしゃれに敏感な花嫁さんのあいだでブーケのモチーフとしても人気急上昇中の花材です。
ドライフラワーの作り方
ルナリアのドライフラワーを作るのに適した時期は、実の鑑賞を終えた9月ごろです。さやの色が緑から薄茶色に変わりはじめたら、茎の下のほうから刈り取りましょう。風通しのよい軒下や壁で十分に乾かして、外皮を丁寧に取れば完成です。薄紅色や淡いブルーなど、部屋の雰囲気に合わせて染めるのも素敵です。
まとめ
月を語源に持つ幻想的な花・ルナリアについて、特徴や育て方、ドライフラワーの楽しみ方をご紹介しました。かわいらしい花と不思議な形のさや、そこから作るオブジェのようなドライフラワーと、何通りもの楽しみ方のある魅力的な花ですね。作ったドライフラワーは、乱暴に扱わなければ2年ほどは持ちますよ。
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