エニシダとは?
ヨーロッパなどが原産のマメ科常緑性低木
エニシダはヨーロッパをはじめ、北アフリカやカナリア諸島、アジアを原産とするマメ科の常緑性低木です。エニシダ属の仲間をまとめてエニシダと呼ぶこともありますが、日本ではエニシダというと一般に常緑性の「Cytisus scoparius」を指します。江戸時代に中国を経由して日本に伝わったとされます。
エニシダ基本情報
- 科・属名:マメ科エニシダ属
- 学名:Cytisus scoparius
- 英名:Scotch broom
- 形態:低木
- 原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、カナリア諸島、アジア
- 開花時期:5月~6月
- 樹高:2m~3m
- 花色:黄、ピンク、オレンジ、赤、白など
- 別名:金雀枝・金雀児(エニシダ)、蝶形花(チョウケイカ)
名前の由来
エニシダは「金雀枝」や「金雀児」とも書き、確定説ではないのですが、マメ科の仲間であるヒトツバエニシダ属の英語名「genista(ジェニスタ)」が訛ってエニシダとなったといわれています。英語では「箒(ほうき)」を意味する「Scotch broom」と呼ばれます。エニシダの枝で箒を作ったのが由来で、魔女の箒もエニシダでできているとされています。
ボタニ子
枝が箒に使われたことから、エニシダが茂る家は主婦が強いとされたそうですよ。
エニシダの花言葉
花言葉は「謙遜」「卑下」「清潔」
エニシダには「謙遜」「卑下」という花言葉があります。これは、フランスのある王子が兄を殺して王位を奪ったものの後悔に苛まれ、エニシダの枝を手に毎晩懺悔を繰り返したという言い伝えに由来します。また、もう一つ「清潔」という花言葉もあります。これはエニシダの枝が箒に利用されることに由来します。
エニシダの特徴
開花時期や花の芳香、樹高など
エニシダの開花時期は5月~6月頃です。花には香りがあります。柑橘系にフリージアに似た甘い香りが加わったような香りですが、フリージアほど強くありません。エニシダは地植え向きの低木で、やせ地でも育ちやすく、樹高は2m~3mほどになります。
暑さ寒さに比較的強く、育てやすい庭木
エニシダは耐暑性・耐寒性ともに比較的高く、一旦地植えすると自然の降雨に任せても水切れすることはありません。やせ地でも丈夫に育ち、肥料もあまり必要ないため、育てやすい庭木として人気です。しかし、庭木としては寿命がやや短めで約10年ほどです。
ボタニ子
エニシダはある程度寒さに耐えますが、関東以北では冬の寒さで落葉してしまうので、垣根にはあまり向きません。
有毒成分を含むため誤食に注意!
エニシダは木全体、特に葉や枝にアルカロイド系の有毒成分を含みます。誤って口に入れないように注意が必要です。もし口にしてしまった場合、頭痛や嘔吐、下痢、呼吸困難、血圧降下を引き起こす危険があります。
ボタニ子
この有毒成分を薬効として利用した強心薬もあります。
次のページではエニシダの種類をご紹介します!
エニシダの仲間のヒトツバエニシダ。緑黄色の染料植物として利用される。