トロロアオイとは?和紙にも利用される花の特徴や開花時期をご紹介!

トロロアオイとは?和紙にも利用される花の特徴や開花時期をご紹介!

トロロアオイは別名「花オクラ」と呼ばれ、花は観賞用や食用、根っこは和紙の紙すきや蕎麦打ちにも利用されます。オクラとは別の植物です。幅広い用途のあるトロロアオイの特徴、開花時期、どのように和紙に利用されるのか詳しく説明します。

記事の目次

  1. 1.トロロアオイの特徴
  2. 2.トロロアオイの根の用途
  3. 3.トロロアオイに似たアオイ科の植物
  4. 4.まとめ

トロロアオイの根の用途

トロロアオイの根はゴボウのように太く、潰すと粘りがあるのが特徴です。この根は「黄蜀葵(オウショッキ)」と呼ばれる生薬として、胃薬や咳止めなどに活用されます。また独特の粘りは和紙作りなどの製紙や、蕎麦や蒲鉾のつなぎとしても利用できます。

和紙作りにトロロアオイが欠かせない

トロロアオイの根っこを潰し水に漬けておくと、水に粘りが出ます。それを布で漉したものを「ネリ」といい、和紙作りに重要な材料の1つです。和紙の原料は楮(こうぞ)、みつまた、雁皮(がんぴ)などの木の繊維です。ネリを混ぜた水に繊維を加えると繊維が均等に分散し、手すきに偏りが出にくくなります。和紙作りで手すきを行う際、トロロアオイのネリは欠かせない材料です。

トロロアオイ栽培の課題

トロロアオイの根を利用するためには、根っこの成長を促す必要があります。機械化が困難な手作業も多く、農家の負担は大きいため生産量は徐々に減少しています。日本の伝統工芸品の和紙作りに欠かせないトロロアオイを、いかに安定して生産できるかが今後の大きな課題です。

トロロアオイに似たアオイ科の植物

Photo byMabelAmber

アオイ科の花は数多くあり、花や葉の姿がよく似ています。最後に、トロロアオイによく似た姿のアオイ科の植物を紹介します。

ワタ

科・属名 アオイ科ワタ属
和名 ワタ(綿)
別名 コットンフラワー

身近な素材である綿は、アオイ科の植物であるワタから作られています。トロロアオイの花と色や形がそっくりな綿の花は、大きさ約4cm大と小ぶりです。

タチアオイ

科・属名 アオイ科バラードアオイ属
和名 タチアオイ(立葵)
別名 ツユアオイ(露葵)、ホリホック

タチアオイは色こそ違いますが、花の形状がトロロアオイにとても似ています。繁殖力が強く派手な印象の夏の花で、トロロアオイよりもより身近で見られる花です。

ハイビスカス

科・属名 アオイ科フヨウ属
和名 ブッソウゲ(仏桑花)
別名 リュウキュウムクゲ(琉球木槿)、フソウカ(扶桑花)

南国の花の印象があるハイビスカスもアオイ科の仲間です。こちらも大輪で、トロロアオイと似た明るい印象があります。栽培の簡単なトロロアオイと違い、ハイビスカスの栽培方法はやや中級者向けです。

パキラ

科・属名 アオイ科パキラ属
和名 パキラ
別名 カイエンナッツ

観葉植物の定番「パキラ」も、アオイ科の植物です。トロロアオイには葉の形状がよく似ています。しかし、めったに咲くことのないパキラの花はアオイ科の花とは形状がまったく異なります。

まとめ

トロロアオイは野菜の花のなかでも、特に美しい花として知られています。花は食用、根は和紙作りや食品のつなぎに使える、用途が幅広い植物です。自宅用なら栽培も簡単なため、トロロアオイを余すことなく使ってみてはいかがでしょうか。

フジworks
ライター

フジworks

小さな花壇とバルコニーで、果樹の手入れや季節のガーデニングを楽しんでいます。一年中、草花と野菜栽培を楽しむため、花壇の手入れに試行錯誤しています。

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