セキショウの概要
セキショウ(石菖)はショウブ科に属する多年草です。「石菖蒲」と表記されることもあります。日本や東アジアを原産とする植物で、水辺を好み、群生するのが大きな特徴です。日本では谷川の淵や川の岸辺、日陰の湿地などに自生する姿が見られます。5月頃に開花しますが、花よりも葉のほうが観賞価値が高いです。日本庭園や盆栽のほか、水辺を好む性質からアクアリウムにも利用されています。
名前の由来
よく発達した太くて堅い根が、ほふくしてひげ根を地中に降ろしたり、岩石に絡みついたりして成長し、群生します。岩石に絡みついている根が、まるで石を抱いているように見えることと、ショウブ科ショウブ属の植物であることから「石を抱く菖蒲」という意味で、セキショウ(石菖蒲)の名がつけられました。
漢方にも利用されている
根を天日干しにしたものが、生薬として扱われています。「石菖蒲(セキショウ)」または「石菖根(セキショウコン)」と呼ばれ、漢方では古くから鎮痛・鎮静・健胃の効能があるとされ、胃痛や腹痛やリュウーマチの治療に用いられていました。
セキショウの基本データ
学名 | Acorus gramineus |
科名 | ショウブ科(サトイモ科) |
属名 | ショウブ属 |
別名 | アコラス、アコルス、石菖(セキショウ)、石菖蒲(セキショウ/イシアヤメ)、根絡(ネガラミ) |
原産地 | 日本~東アジア |
草丈 | 30cm~50cm |
開花時期 | 5月~7月 |
花色 | 白、黄色、緑 |
セキショウの特徴
特徴①水を好む
アクアリウムやシェードガーデンにおすすめ
セキショウの一番の特徴は、とにかく水を好むことです。水と少しの光があれば、どこでも成長できます。実際にセキショウが自生している場所は、ほとんどが川辺や湿地帯です。この性質からアクアリウムやシェードガーデンに利用されています。
特徴②斑入りの園芸品種がある
葉のほうが観賞価値が高い
セキショウは、花よりも葉のほうが観賞価値が高い植物です。日本庭園や盆栽、アクアリウムなどで栽培されている園芸品種も、草姿を楽しむことが目的とされています。葉は常緑性で濃い緑色、細く先が尖っているのが大きな特徴です。派手さはありませんが、自然な雰囲気を堪能できるでしょう。斑入り品種もあります。
特徴③とにかく丈夫
冬越しや病害虫の心配いらず
乾燥に弱いことと、細くしなやかな葉の印象から、繊細なイメージがありますが、実際は非常に丈夫な植物です。寒さに強く、冬越しなどを心配する必要もありません。病気や害虫にも強いです。じつは直射日光にも強いのですが、強い日差しに当たると葉焼けしてしまう恐れがあります。育てる場合は半日陰で栽培するのがおすすめです。
特徴④育てやす過ぎて出回りにくい
ネット購入がおすすめ
セキショウは栽培管理がとても楽な植物です。乾燥にさえ気をつけていれば、まず枯れることはありません。この育てやすさが逆に、流通しにくい原因となっています。特別美しい植物でもないこともあって、需要が少なく売れないため、作る農家もあまりありません。欲しい場合は、ネットでの購入が手っ取り早いでしょう。
セキショウは、めったなことでは枯れない植物なので、一度植えれば、その後は購入する必要がなくなってしまうんですよね。
以前はサトイモ科に分類されていたけど、草姿や性質がサトイモとは異なっていることから、現在はショウブ科に分類されているんだ。