種の採り方
花が咲いた後3カ月ほどで種子が茶色く変化したら、種子を採取できます。種の採取ができたらしっかり乾燥させ、冷蔵庫で保存します。高温や高湿度の環境で保存すると、発芽率が低下するので、種まき時期までは乾燥した涼しい場所で保管し、翌年の春に種まきします。
種まき時期
明日葉の発芽の適温は約15~20℃です。温暖な地域であれば10~11月の秋まき、冷寒地なら4~5月の春まきをおすすめします。種まきから発芽までの日数は比較的長く15~30日程度です。時間をかけてジワジワと発芽するのが特徴です。種まき方法は一般の葉物野菜と同様です。
育苗方法
- 種を一晩水につけて発芽を促す
- 深めの育苗ポット、鉢、プランターなどに土をいれる
- 種を土の上にばらまき、ごく薄く用土で覆う
- 水をたっぷり与える
- 発芽までは用土が乾燥しないよう管理する
- 発芽して葉が隣の葉と触れ合うものは間引く
- 本葉が4~5枚程度になれば植え付ける
明日葉の栽培法②植え付け
しっかり苗が育ったら、いよいよ植え付けを行います。植え付けに適した時期や水やり、畝作りなど栽培のポイントをおさえておきましょう。
植え付けの時期
苗の植え付けの時期は、暖かくなる春4~5月、暖かい地方なら10~11月でも大丈夫です。65cmのプランターなら2株を目安に植え付けます。植え付けが完了したら水をたっぷり与えましょう。極度の乾燥や過湿をさけて、土が乾いたら水を与えます。
地植えの畝づくり
直植えする場合は、水はけのよい場所に畝幅80cmに条間20cmでベッドを準備します。活着を促すため苗の葉を切り落とし、芽が土中に埋まらないよう注意して植え付けます。株間は15~20cm程度とりましょう。水をたっぷり与え新芽が出るまで土が乾いたら水やりをします。
明日葉の栽培法③収穫
収穫の時期
明日葉が収穫できるのは植え付けてから2年後からになります。1年目の株はまだ十分に生育していないため収穫は控えます。草丈30cm程度、茎の太さが人差し指ほどの太さになったら収穫できます。収穫に適した時期は生育が旺盛な春や秋です。暑い夏や寒い冬の収穫はおすすめできません。
収穫の方法
収穫時期になれば、のびてきた若い茎葉を摘み取りましょう。このとき常に成熟した茎葉を2~3枚程度残すようにすると、次々に収穫できます。同一の株から収穫しすぎると株が弱るので偏りなく収穫します。花が咲いたら摘み取っておくと株が長生きしますよ。
明日葉の栽培法④株分け
明日葉はこぼれ種で増えていく植物です。その他、種まきや株分けで増やすこともできます。種を採取したら、前述の種まきから植え付け方法に従って育てます。
株分けの適期
明日葉は株分けによって増やすこともできます。明日葉の株分けの時期は、生育が盛んになる前の3~4月です。株分けの方法は後述の株分けの手順に従ってください。
株分けの手順
- 株の周囲を大きくスコップで掘り、明日葉の根を傷つけないよう丁寧に掘り上げる
- 根を手やナイフなどで切り分ける(芽の数が均一になるように)
- 株と株の間を約40~50cmとって切り分けた株を植えるための穴をほる
- 穴に少量の堆肥と油かすをいれる
- 株を植え付ける
- たっぷり水やりをする
ボタニ子
次ページでは明日葉につくやっかいな害虫や病気について解説します。
出典:写真AC