ピラカンサスの育て方
ピラカンサスは育てやすい植物です。水はけがよい場所で、乾燥しすぎに気をつければ、土質や環境を選ばずによく育ちます。それもピラカンサスが人気がある要因です。日当たりも特によくなくてもいいのですが、花や実の付きが悪くなるので、花や実をたくさんつけたい時は日当たりにも気を配るとよいでしょう。
植え付けの方法
ピラカンサスの植え付け時期は寒さが終わり、新芽が出て来る前の3月~4月頃か、10月~11月頃がおすすめです。ピラカンサスは鉢植えと地植えのどちらにも適しています。植え付け直後は土が乾かないように注意しましょう。それでは、それぞれの植え付けのコツをご紹介します。
鉢植えの場合
ピラカンサスを植木鉢に植え付ける場合の土は市販の草花用培養土か、山野草培養土を使うと便利です。鉢は苗の大きさよりも少し大きめの鉢に植えましょう。東北の北部や北海道など、寒冷地では屋外での冬越しが難しいことがあるので、鉢植えがおすすめです。
鉢植えの置き場所
鉢植えのピラカンサスの置き場所の基本は日向です。春から秋は風通しの良い所に置き、冬場は寒風があたらない場所に置いてください。屋外がおすすめですが、室内でも日当たりと風通しが良く、冷暖房の影響が無ければ問題ありません。寒冷地では冬期間は屋内で管理しましょう。
地植えの場合
ピラカンサスを庭などに地植えする場合は、まず深さや幅を大きめに取って植え付け用の穴を掘りましょう。庭土に腐葉土や元肥を混ぜて苗を植え付けます。植える深さが深くなり過ぎないように注意してください。地植えは東北以南の地域がおすすめです。植え付ける場所は日当たりがよく、水はけがよい所を選びましょう。
水やりの方法
ピラカンサスの水やりのコツは少し乾き気味に管理することです。地植えの場合は必要ありません。夏で暑さがひどい時は朝か夕方に水やりしましょう。鉢植えの場合、枝が伸びる春から秋は表面の土が乾いたらたっぷり水やりしましょう。葉にもかけるようにするとよいですが、花粉が流れてしまうので花にはかけないでください。
肥料
ピラカンサスへの肥料は年3回程度で大丈夫です。鉢植えの場合は寒肥として2月下旬から3月上旬くらいの間に、緩効性化成肥料を控えめに与えます。開花後にはお礼肥料を与えましょう。地植えの場合は肥料は必要ありません。与えすぎると葉ばかり育って花や実のつきが悪くなることがあり、かえってよくないので気をつけましょう。
剪定の方法
ピラカンサスの剪定の時期は3~4月頃か開花後の6月下旬~9月頃が適しています。しかしピラカンサスは本当によく育つので、育ち過ぎたと感じたときにそのつど剪定しても大丈夫です。枝にはトゲがあるので、同じくトゲのあるバラ用などの丈夫な手袋をして、ケガをしないように注意して切りましょう。
剪定のコツ
ピラカンサスの剪定のコツは他の植物のように枝抜きするのではなく、全体的に形を整えることです。形は好みで四角くでも丸くでも調整できます。花や実は短い枝に出来るのでむしろ短い枝は残し、太く長い枝は根元から切ったほうがよいです。また、徒長枝もよく出るので、これも根元から切りましょう。
植え替えの方法
ピラカンサスの植え替えは1~2年に1回することをおすすめします。その時、根は3分の1ほどを整理しましょう。鉢は一回り大きいものを用意してください。植え替えと同時に全体のバランスを考えて枝も整理するときれいになります。盆栽の場合は長く伸びた根も切りつめましょう。新しい鉢には新しい土を入れます。
増やし方
ピラカンサスは挿し木と種で増やせます。挿し木の時期は6~7月、種まきの時期は10月中旬から12月頃です。方法は基本的なもので特に難しくはないのでぜひ挑戦してみてください。それでは、手順をご紹介します。
挿し木で増やす方法
- その年に伸びて固くなった枝を長さ3節ほどのところで切って挿し穂にします。
- 挿し穂の一番下の節の葉を全部落とします。
- 30分ほど水に差して、あれば発根剤をつけます。
- 挿し木用の土に挿します。
- 秋ごろに根が出て来るので十分育ったのを確認して植え付けてください。
種で増やす方法
- 種が熟したら採取し、果肉を取ります。
- 親株と同じ土にまきます。
- 冬の間に発芽したら暖房していない室内で管理します。
- 春になったら植え付けましょう。
ピラカンサスの果実は野鳥が好んで食べます。種まきで増やす場合は全部食べられてしまわないように注意が必要です。鉢植えであれば室内に入れたり、地植えであれば防鳥ネットをかけるなどして防ぎましょう。
病害虫
ピラカンサスは病気になることはほとんどありませんが、害虫はハマキムシ、アブラムシ、カイガラムシなどがつくことがあります。ハマキムシは春と秋に発生するので見つけたら枝ごと切りましょう。アブラムシとカイガラムシは殺虫剤で駆除できます。特にアブラムシは他の害虫を引き寄せるので早い駆除が必要です。
ピラカンサスの垣根
ピラカンサスは垣根に使うことも多い植物です。葉が常緑で冬でも楽しめ、花や実のが可憐であることで見た目がいいというのもあります。また、管理に手がかからず、一度植えたら滅多に枯れないのも生垣としては魅力的です。そして、ピラカンサスの枝にはトゲがありますので、防犯の意味で垣根に使うこともあります。
まとめ
ピラカンサスは手間いらずで緑の葉と可愛らしい花と実を楽しめる植物です。むしろ手をかけすぎると枯れてしまうので気をつけましょう。垣根に使っても、鉢植えにしても、盆栽でも楽しめます。そして、黄色い実を付けるピラカンサスと寄せ植えにもできます。いろんな楽しみ方ができるピラカンサスをぜひ育ててみてください。
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出典:写真AC