ケマンソウとは?
ケマンソウは、中国や朝鮮半島を主な原産地とする多年草の植物です。花の形がかわいらしく、細い茎に連なって咲く姿が大きな特徴です。タイツリソウの別名があり、日本で古くから親しまれている植物です。見かけによらず全体に毒性があるため、誤って口にしないよう気をつけてください。
基本情報
名前(和名) | ケマンソウ(華鬘草) |
学名 | Dicentra spectabilis |
別名 | タイツリソウ、フジボタン、ケマンボタンなど |
科/属 | ケマンソウ科(ケシ科)/コマクサ属 |
分類 | 山野草、草花 |
原産国 | 中国東北部から朝鮮半島 |
名前の由来
ケマンソウの名前の由来は、花の形が寺院の飾りの華鬘(けまん)に似ていることからついたといわれています。華鬘は仏堂の荘厳具の1つで、唐草や蓮華(れんげ)を透かし彫りにした飾りです。別名のタイツリソウ(鯛釣草)は、花の連なる様子を釣り竿に鯛が並んでいるように見立てています。タイツリソウという名前で親しみのある方も多いのではないでしょうか。
さらに、葉の形がボタンの葉に似ていることから、フジボタンやケマンボタンとも呼ばれています。欧米では花の形を心臓と見立てて、「血を流す心臓」「涙を流す心臓」などと呼ばれている植物です。
花言葉
ケマンソウの花言葉は「従順」「あなたに従います」「恋心」などがあり、花の形から人の気持ちに関わる言葉が多くつけられています。前向きな言葉だけでなく、「失恋」「憂鬱」というの後向きの花言葉もあるので、プレゼントするときには誤解のないよう花言葉を添えるとよいでしょう。
ケマンソウの特徴
ケマンソウの特徴は、花の形です。花は見た目より複雑な構造をしていて、ハート形に見えます。4~5月に開花し、秋から冬にかけて地上部が枯れて根に栄養を蓄えます。日常の手入れが難しくないので、育てやすい山野草です。また、葉の付き方に特徴があり、花茎と同時に伸びる性質があります。
ケマンソウの花
ケマンソウの花は、ハート形に膨らんでいる花びらと下方に伸びる内側の花びらの2層構造です。色はピンクや黄色、白などがあります。花が開ききると外側の先端が上を向くので、見え方がひと味変わる面白さが楽しめるでしょう。花茎がすっと伸びて花が連なっているため、他の花と一緒に生けなくても存在感がある花です。
ケマンソウの葉
ケマンソウの葉は、ギザギザしていてボタンの葉に似ている形をしています。1枚の葉が3枚に分かれているように見えます。学術的には、複数枚で1枚の葉を形成している複葉(ふくよう)といわれます。複葉の中心の軸は葉柄(ようへい)といわれ、茎ではありません。花に注目が集まりますが、葉の生え方にも特徴があります。
ボタニ子
次ページでは、ケマンソウの育て方について詳しく見ていきましょう。