チカラシバとは?特徴や名前の由来は?開花時期や群生地もご紹介!

チカラシバとは?特徴や名前の由来は?開花時期や群生地もご紹介!

チカラシバというたくましい雑草を知っていますか?名前のとおり、大人が力を込めても抜けないくらい強靭な雑草です。この記事では、特徴的な長い針のような毛がたくさん生えているチカラシバの季節ごとの姿や利用方法を紹介して、チカラシバの生態について解説したいと思います。

記事の目次

  1. 1.チカラシバとは?
  2. 2.チカラシバの特徴
  3. 3.チカラシバの生態
  4. 4.チカラシバの防除
  5. 5.チカラシバの利用
  6. 6.まとめ

チカラシバとは?

チカラシバ
Photo by harum.koh

チカラシバという雑草を知っていますか?道端で見かけることも多いペットボトルブラシのような形をしている、チカラシバについて紹介していきます。

基本情報

学名 Pennisetum alopecuroides
和名 力芝
英名 dwarf fountain grass、Chinese fountaingrass
別名 ミチシバ
分類 被子植物門単子葉植物鋼イネ目イネ科チカラシバ属
形態 多年草

名前の由来

出典:写真AC

チカラシバの名前の由来は、和名の力芝からもわかるように、ひげ根を地に深く根ざし人が力を入れて手で引き抜こうとしても、なかなか抜けないことからきています。同じような由来をもった植物にオヒシバの別名である力草があります。オヒシバもまた、引っこ抜きにくい雑草です。別名のミチシバは、穂が付きだすと荒れ地や河川敷、道端などで見かけることが増えることからきています。

原産地

チカラシバの原産地は日本のため、日本在来の雑草になります。北海道南西部以南から西南諸島まで、日本全土の広い範囲で生息しています。海外では、朝鮮半島から中国、東南アジア諸国で生育しています。また、オーストラリアやアメリカ北部に外来植物として帰化しています。

チカラシバの特徴

チカラシバ
Photo byHeikeFrohnhoff

チカラシバはよくある雑草と区別がつきませんが、出穂後の姿はとても特徴的な姿をしています。その花穂や葉の形などの形態的特徴と、チカラシバ特有の性質である生態的特徴について解説していきます。

形態的特徴

チカラシバの花

出典:写真AC

チカラシバの花は、夏以降まっすぐ伸びた茎の先端に複数の小穂をつけます。この小穂の基部に2cmくらいの針状の黒紫色の毛が生えています。チカラシバの果実はこの毛に包まれていますが、秋の終わりになると果実とともに欠落しやすくなり、上斜め向きをしていた毛が開くようになります。この姿が全体としてみると花軸を包んでいるようになり、試験管ブラシのような形状にみえます。

ボタニ子

ボタニ子

イネ科の植物は穂の先から芒(のぎ)という毛が生えていることが多いけど、チカラシバは穂の根本から毛が生えている総苞毛(そうほうもう)なんだ。

チカラシバの葉

出典:写真AC

チカラシバは被子植物で単子葉植物の仲間になるため、イネ科の草によく似た形をしています。その葉は根生葉であり、長さは30cm~50cmで幅は5mm程度の細長い葉です。深い緑色をしており、表面は光沢のないザラザラした手触りで堅く葉脈の凹凸がはっきりわかります。茎は枝分かれせず、葉鞘部分は白くなっていて毛が生えています。

ボタニ子

ボタニ子

根生葉っていうのは、根から生えているようにみえる葉だよ。すっごい長い葉なんだね。

生態的特徴

特徴①:なかなか抜けない根っこ

チカラシバは根はひげ根で短いですが、生長するにつれて大きな株をつくるようになります。これは、多年生という特性上、冬になると地上部は枯れたようににみえますが、地下部はそのまま越冬するため、大量のひげ根を地下に生や続けるためです。力芝というだけあって、年数が経過した大型化した株は、両手で力を込めて引っ張ったくらいでは引き抜けなくなるぐらい頑丈です。手を葉で切る前にハサミや鎌で刈り取りがおすすめです。

特徴②:服に引っ付く小穂

チカラシバの特徴的な針のような毛は、動物の体に小穂を付着し、できるだけ遠くに種を運んでもらうためにあります。その引っ付く力は大変強く、チカラシバの穂をズボンのポケットに入れ、ゆっくり引き抜くと内袋が出てくるほどです。これは、毛を拡大するとわかりますが、斜めに生えている無数の棘によるものです。

特徴③:おいしくない葉

チカラシバの葉は引っ張っても千切れないくらい非常に硬い丈夫な葉です。その硬さから、家畜が好んで食べないので飼料的価値は低く、野生の鹿も出たばかりの葉の先をかじる程度で、食べようとしません。このような硬さをもっているため、少々車などで踏まれても耐えるたくましい雑草となっています。

チカラシバの生態

出典:写真AC

チカラシバは多年草のため、一年中その姿をみることができます。チカラシバの季節ごとの姿や、どのようなところで生息しているかについて解説していきます。

季節ごとの形態

春のチカラシバ

出典:写真AC

穂が出る前のチカラシバは夏の時期まで花茎を出しません。特徴的な穂を確認できないため、他の植物との判別が難しいです。株だけでススキとの区別しようとした場合、葉で判別ができます。チカラシバは土から葉が出ているようにみえて、ススキは葉の主脈がはっきり確認できることで違いがわかります。

夏・秋のチカラシバ

出典:写真AC

チカラシバの開花期は8月~11月頃です。この時期になると、花を咲かせる時期になると特徴的な毛が目立つため、チカラシバであると判別できます。1つの小穂に2つの小さな花がつきます。たくましい本体とうってかわって、風でとんでいきそうなかわいらしい花です。

冬のチカラシバ

出典:写真AC

冬のチカラシバは緑色の元気な状態が白化して力がないようにみえます。毛も斜め上むきから開き気味になっています。役目をあらかた終えて、次の年に力を蓄えている状態です。

生息域

チカラシバ出典: http://www.flower-photo.info/upload/save_image/11011553_5454836726d16.jpg

チカラシバは、日当たりのよい野原や畦道、草原など日本中のいたるところに生えています。特に、草原で群生していることが多いです。群生している箇所は牛を放牧している草原であることが多く、牛がチカラシバの毛が目に当たるのを嫌がってあまり食べることがないため、種が牛の体に引っ付いてちらばることによって、チカラシバが群生することになります。

群生地

出典:写真AC

草地では嫌がられるチカラシバですが、群生した地帯がフォトスポットになっている場所があります。静岡県のパラグライダーの着陸場では、周辺一帯にチカラシバが群生する草原になっています。ここでは、遠方に富士山を臨むことができ、朝焼けの太陽光がチカラシバを照らすことでうっすらと光り輝く幻想的な風景を醸し出します。ダイヤモンド富士とセットで撮影にできる人気のスポットになっています。

ボタニ子

ボタニ子

すごいっ!!同じ植物とは思えないですねっ。

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チカラシバの防除

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