オキザリスとは?
オキザリスはカタバミ科に属する小さな球根植物で、カタバミのように丈夫な性質を持っています。日が当たると開花し、暗くなると花弁をくるくると巻いて閉じるのが特徴です。こまめな管理をする必要がないため、初心者や多忙な人も栽培しやすい植物です。
オキザリスの基本情報
名称 | オキザリス |
科・属 | カタバミ科カタバミ属 |
形態 | 多年草 |
原産地 | アフリカ、南アメリカ |
草丈 | 10cm〜30cm |
花の大きさ | 1cm〜4cm |
開花時期 | 品種によってさまざま |
オキザリスの育て方
オキザリスはカタバミによく似た性質を持っているうえ、球根も丈夫なので手間をかけなくても十分育ちます。コツをおさえればよりたくさんの花を咲かせて楽しめますよ。品種が多いため栽培のコツがやや異なることがありますが、多くの品種に共通するポイントを覚えましょう。
育て方①栽培環境
日当たりがよい場所を選ぶ
オキザリスは日がよく当たらないと花弁が開かないという特徴を持っています。日陰でもまったく咲かないわけではありませんが、開花を十分楽しむためにはできるだけ日当たりがよい場所に植え付けましょう。
水はけのよい土を選ぶ
用土は多肉・サボテン用のものがおすすめです。しかし水はけがよい分、水やりの頻度が上がるため、草花用培養土を使っても問題ありません。または、赤玉土と腐葉土をおよそ6:4程度に混ぜた一般的な土に、川砂を少量入れて水はけを改善するとよいでしょう。粘土質の地面は生育が衰えるので、有機質を混ぜて土壌改良することをおすすめします。
鉢に植える場合は、鉢底石を敷いて適度に乾く状態にしておくことをおすすめします。過湿状態が続くとオキザリスが弱って花つきが衰えたり、免疫力が下がって「さび病」にかかったりする恐れがあります。枯れる原因にもなるため注意しましょう。
球根2〜3個分の深さに植える
ポット苗は根鉢ごと植えつけますが、球根から栽培を始める場合は、球根2〜3個分の深さに埋めましょう。丈夫な植物なので特別こだわる必要はないのですが、あまり浅く植えると球根が極端な温度変化にさらされて弱ってしまいます。
育て方②水やりと施肥
土が乾燥したら水をたっぷり与える
オキザリスは過湿を嫌うので土が十分に乾くのを待ってから、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。特に冬は土が乾きにくく過湿になりやすいため注意します。地植えの場合は、基本的には水を与える必要はありません。夏咲きのオキザリスなどは生育期に地面が乾いてしまうこともあるので、その場合は水を与えましょう。
元肥を入れておけば追肥はあまり必要ない
オキザリスは丈夫なので、わずかな肥料で十分よく育ち、栄養が豊富な環境はむしろ苦手なほどです。植えつける前に、ゆっくりと効くタイプの肥料を土に混ぜ込んでおけば、追肥の必要はないでしょう。ただし、元気がなくなってきたり花つきが衰えてきたりした場合は、液肥などの即効性の肥料で補いつつ、緩効性の肥料も少し追肥するとよいです。
マグァンプK 中粒(600g)
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「マグァンプK」は元肥に適した粒状の肥料で、植物の根から出る酸などによって1年間ゆっくりと溶けて効き続けます。効果が長く続くのでおすすめです。
容量 | 50g、250g、600g、1.3kg |
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土1Lあたりの使用量 | 2〜8g |
N:P:K:Mg | 6:40:6:15 |
住友化学園芸マイガーデン元肥用きれいな花を咲かせたい
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住友化学園芸の「きれいな花を咲かせたい」は、元肥にも追肥にも使用できる粒状の肥料です。コーティングされているので1年間ゆっくりと溶けて効き続けます。腐植酸を含んでいるので、土壌を改良する効果も期待できます。
容量 | 700g、1.6kg |
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土1Lあたりの使用量 | 8〜12g |
N:P:K:Mg | 10:18:7:0.42 |
育て方③剪定
基本的には剪定をする必要はありませんが、株姿が乱れてきたときはひとまわり小さく切り戻し
てもよいでしょう。まれに、葉に黄色いカビが生える「さび病」にかかることがあるので、見つけたら剪定して拡大を防ぎ、栽培環境を見直します。オキザリスは頑丈で、葉を切ってももすぐに新しい芽が生えてくるため、剪定する葉を注意深く選別したりする必要はありません。
オキザリスの管理方法
休眠期は品種によって夏の場合もあれば冬の場合もあります。それぞれの時期の管理方法は以下の通りです。
夏越し
オキザリスの多くの品種は秋~冬に開花し、夏は葉を落として球根のみになり休眠します。初夏になりオキザリスの葉が黄ばみ始めたら、水やりや施肥は休止して休眠を促しましょう。休眠中は水や肥料は必要ありません。鉢植えなら、雨の当たらない日陰などに置いておけば大丈夫です。
地植えで雨が当たってしまう場合、球根が腐ってしまう可能性も少しあります。掘り上げてネットなどに入れ、雨の当たらない風通しのよい日陰に吊るしておきましょう。猛暑が終わり秋の風を感じるころになったら再び元の環境に戻してください。
冬越し
オキザリスには暖かい時期に花を咲かせ、冬を休眠して過ごす品種もあります。地植えしている場合は、土が凍結した際に球根がダメージを受けてしまう可能性があります。凍結する可能性のある地域では、腐葉土などで土をおおって防寒するとよいでしょう。鉢植えしている場合は、軒下など霜の降りない場所へ移動させます。暖かくなったら水を与え、元の環境に戻していくと再び開花します。
オキザリスの増やし方
増やし方①株分け
オキザリスは植えっぱなしにしておくと球根の数があっという間に増えていきます。そのままでは生育が悪くなるため休眠期に球根を分け、生育期がきたら間隔を開けて植え付け直しましょう。ほとんどの品種が球根植物なので、挿し木や種まきなどの増やし方を実践する必要は特にありません。
増やし方②種まき
オキザリスには、まれにカタバミのようにこぼれ種でどんどん増えていく品種もあります。広がると困る場合は、花がらを取り除いておきましょう。種まきで増やしたい場合は、咲き終わった花に小袋をかけておいて種を収穫し、それぞれの品種の生育が始まる時期に、改めて種まきするとよいでしょう。
オキザリスの種類
オキザリスは何百種類も存在しているといわれており、花色、開花時期、葉の形状などは種類によってさまざまです。カタバミによく似た三つ葉を持つオキザリスだけではなく、多肉質のヤシ状の葉を持つものも存在し、花が咲かなくても美しいので観葉植物としても愛されています。
種類①桃の輝き
「桃の輝き」は寒い時期に鮮やかな桃色の花を咲かせます。花つきが大変よく、花弁が巻いている姿は小さな薔薇のようです。耐寒性が高く、多少の霜に当たっても枯れにくい種類で、秋~早春まで長く楽しめます。
種類②ボーウィー
「ボーウィー」は秋に開花するオキザリスで、場合によっては夏から花を見られることもあります。株の形はカタバミによく似ていますが、最大で直径5cmにもなる大輪の花は華やかで目をひきます。
種類③バーシーカラー
「バーシーカラー」は白い花弁を赤く縁取ったようなバイカラーが特徴的で、一重咲きと八重咲きがあります。花つきがよく、花弁が閉じているとマーブル模様、開くと白い可憐な姿を楽しめますよ。耐寒性が高く、冬~早春の花の少ない時期を彩ってくれる種類です。
種類④パルミフロンス
手を広げたような多肉質の葉を持つ個性的なパルミフロンスは、カタバミとは似ても似つきませんが、れっきとしたカタバミ科の植物です。花が咲くのはまれで、観葉植物として愛されてきました。草丈は低く、秋~春にかけてゆっくりと横へ広がるように生育していきます。花は白〜淡いピンク色で、オキザリスらしくクルクルと巻いた花弁は日が当たると開きます。
まとめ
オキザリスはかわいらしい姿をしていますが、放っておいても勝手に生育していく強さを持っている植物です。園芸が好きだけれど多忙な人や、園芸を始めたばかりの人などにもおすすめですよ。鉢に少し植えて大切に育てたり、地面に植えてグランドカバーのように気楽に栽培したりするなど、さまざまな形で楽しんでみてくださいね。
出典:PhotoAC