タネツケバナとミチタネツケバナの見分け方
ミチタネツケバナとは?
タネツケバナに非常によく似た花をもつ「ミチタネツケバナ」。外来種であるミチタネツケバナは、1990年代以降、急速に日本全国各地に分布を拡大しています。ここでは、タネツケバナの特徴と合わせて、タネツケバナとの見分け方ついて解説します。
生育場所の特徴
湿った場所が好きなタネツケバナと乾いた場所が好きなミチタネツケバナ
タネツケバナは水田や水路際など、湿った場所に生育します。一方、ミチタネツケバナは道ばたや芝生など、水はけのよい立地に生育し、タネツケバナとは異なり、水田の土の中では生育できません。道ばたに生えるので「ミチタネツケバナ」と呼ばれるようになりました。まずは、生えている場所が湿っているのか乾いているのかをみると、見分けるヒントになります。
花の特徴
タネツケバナの花
タネツケバナは小さな白い4枚の花びらをもつ花をつけます。花びらの大きさは3~4mmほどです。3月~5月に開花します。
ミチタネツケバナの花
ミチタネツケバナの花はタネツケバナと比較すると少し小さく、花びらの大きさは2~3mmほどです。3月~5月に開花しますが、タネツケバナの方がミチタネツケバナより少し早く開花します。
雄しべの数の違いもある
どちらも非常に似た花をですが、雄しべの数に大きな違いがあります。タネツケバナの雄しべは6本ですが、ミチタネツケバナのおしべは4本です。
葉の特徴
タネツケバナとミチタネツケバナの葉は二種類あります。冬から春にかけてロゼット状に生える「根生葉(こんせいよう)」と花が咲く直前に地上部へ突き出るように生える「茎葉(けいよう)」です。見た目が大根の葉っぱのようなものが根生葉で、茎の周りに立ちながら茂っているのが茎葉です。
タネツケバナの葉
タネツケバナの根生葉は縁が少し波のようになっており、表面にはほとんど毛が見られません。また、花が咲くころになると根生葉が無くなります。
ミチタネツケバナの葉
ミチタネツケバナの根生葉は丸形~卵型に近く、タネツケバナのように縁が波型はなりません。また、表面にまばらな毛があり、花が咲く頃になっても根生葉が残るのもタネツケバナとは異なる特徴です。
実と種の特徴
タネツケバナの実
タネツケバナの実は細長く角ばった線形です。斜めに突き出すように実がつきます。
ミチタネツケバナの実
ミチタネツケバナの実はタネツケバナと同じく細長く角ばった線形ですが、実は茎に沿うように直立します。
種の形も違う
タネツケバナもミチタネツケバナも1つの果実につき、黄褐色で卵型、大きさ1mmほどの種子を10数個つけます。比較するとミチタネツケバナの種子の方が少し角ばっているのが特徴です。
ナズナにも似ている
春の七草であるナズナにもよく似ています。間違って、あるいは代わりの物として七草がゆに入っていることもあります。
ナズナの花と実
タネツケバナの実は角ばった線形をしていますが、ナズナの実はハート形をしているので容易に見分けられます。
ナズナの葉
タネツケバナのロゼット状の根生葉は縁に波のある丸形をしているのに対して、ナズナはギザギザとした形で葉先が尖っています。
次のページでは、タネツケバナの駆除方法を解説します。