タネツケバナはどんな野草?
基本情報
学名 | Cardamine scuntata |
科名 | アブラナ科 |
属名 | タネツケバナ属 |
原産地 | 日本(全国に分布) |
生活史 | 1年生 |
開花期 | 3~5月 |
草丈 | 10~30cm |
方言名 | イタチセイリ、カッタカナ、カワフシべ、コメゴメ、テエラギ |
タネツケバナは、冬の水田や水路際など、湿った土地に生育して越冬する1年生の野草です。田んぼと畑両方にみられ、代かき前の水田にしばしば群生します。ロゼット状の葉をつけた状態で冬を越し、3~5月にかけて、茎を突き出すように伸ばし、白いかわいい花をつけます。冬場に湿潤な地域でのムギ栽培では、生育初期に雑草害をもたらすこともあります。
名前の由来
タネツケバナの名前から「種子がたくさんつくのだろう」と想像してしまいますね。実際にたくさんの種子をつける植物です。しかし、タネツケバナの名前は「この花が咲くころに、稲の種子(タネもみ)を水に漬けて、田んぼの準備をする」ことに由来します。種(もみ)を漬けるので「種漬花」です。
農業の暦だったタネツケバナ
昔の農村では、草木の開花を農作業の目安にしていました。苗代を作る直前に稲のタネもみを水に漬けるころ、ちょうど盛んに咲いていたのがタネツケバナでした。
ボタ爺
ボタニ子
お花も農作業の暦みたいなものだったんだね。
花言葉
タネツケバナの花言葉には「勝利」、「不屈の心」、「情熱」、「燃える思い」などがあります。見た目はかわいい花ですが、意外と情熱的な男性的な花言葉を持っています。
次のページでは、タネツケバナとミチタネツケバナの見分け方を紹介していきます。
昔の人は草木をよく観察し、農作業の適期を判断していたのじゃ。