ヤエムグラ(八重葎)とはどんな植物?万葉集や百人一首にも出てくる?

ヤエムグラ(八重葎)とはどんな植物?万葉集や百人一首にも出てくる?

ヤエムグラは、アカネ科ヤエムグラ属に分類される植物です。日本全国の平地に自生しており、5月〜6月にかけて小さなかわいらしい花を咲かせます。そんなヤエムグラの特徴や名前の由来、万葉集や百人一首に出てくるかなどをみていきましょう。

記事の目次

  1. 1.ヤエムグラとは
  2. 2.ヤエムグラの特徴
  3. 3.和歌に詠まれたヤエムグラ
  4. 4.ヤエムグラの利用方法
  5. 5.ヤエムグラを探してみよう

ヤエムグラとは

出典:写真AC

ヤエムグラは、東アジアやヨーロッパが原産の一年草~越年草で、ハーブとしても利用されている植物です。成熟した実にはカギ状の毛が生えており、衣類につけるとマジックテープのようにくっつきます。ヤエムグラは、万葉集や百人一首にも出てくる日本人には馴染みの深い植物です。

基本情報

学名 Galium spurium var. echinospermon
英名 false cleavers、stickywilly
和名 八重葎
別名 勲章草(クンショウグサ)、クリーバーズ
科名 アカネ科
属名 ヤエムグラ属
形態 一年草、越年草
原産地 日本、東アジア、ヨーロッパ、アフリカ
開花時期 5月〜6月

ヤエムグラの特徴

出典:写真AC

ヤエムグラは日本全国の道端や田畑、空き地などに自生している植物です。一年草~越年草に分類されており、開花時期になると小さな花をたくさん咲かせます。耐寒性は強いですが、耐暑性がやや弱いため、開花が終わると実をコロコロと落としながら枯れてしまう場合がほとんどです。

特徴①葉

ヤエムグラの葉や茎には、細かいトゲが下向きにたくさんついているのが特徴です。ヤエムグラは、トゲをほかの植物や草に引っ掛かけながら成長していきます。ヤエムグラが生い茂っている場所に入ると、トゲが衣類に引っかかったり、素肌が触れるとケガをしたりする恐れがあるため注意しましょう。

名前の由来になっている

「葎(ムグラ)」とは、草むらや藪などに植物がよく茂っている様子をさす言葉です。ヤエムグラが道端や田畑に群生している性質に由来しています。また、葉が何枚も重なりあっている性質から「ヤエムグラ(八重葎)」と名付けられました。また、1つの節から葉が6枚~8枚ほど生えているため「八重」という漢字があてられたという説もあります。

特徴②花

ヤエムグラは、5月〜6月にかけて2mm〜3mmほどの小さな花を咲かせます。花の色は、薄黄色や薄黄緑色をしており、葉や茎と似たような色で開花してもあまり目立ちません。ヤエムグラの花弁は4枚で、花冠は狭鐘形をしています。20cm〜30cmほど伸びた茎の先端に、次々と花を咲かせるのが特徴です。

花言葉は?

ヤエムグラには「抵抗」「拮抗」という花言葉がついています。ヤエムグラは繁殖力が強く、カギ状の葉や茎をほかの植物に絡ませながら成長していく植物です。その性質から「抵抗」や「拮抗」という花言葉がつけられました。拮抗(きっこう)とは、互いに張り合う様子を意味する言葉です。

特徴③実

ヤエムグラは、花後に黄緑色をした5mmほどの実をつけます。ヤエムグラの実にはカギ状に返しのついたトゲがあり、衣服の繊維質に絡みつくのが特徴です。「くっつき虫」や「ひっつき虫」とも呼ばれ、子供たちが服につけて勲章のように楽しんで遊んでいたことから「勲章草(クンショウグサ)」という別名もついています。

特徴④種子

ヤエムグラの実は、はじめは淡い黄緑色をしていますが、熟してくると茶色や黒色に変化するのが特徴です。ヤエムグラの株を立ち枯れるまで放置すると、実の中から種子が採取できます。種子は2mm〜3mmほどで茶色くて丸い形をしています。

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和歌に詠まれたヤエムグラ

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