育て方のポイント②植え付け
アズキナシの植え付けの適期は、落葉期にあたる1月~3月です。植え付ける場所を決めたら植え穴を掘ります。植え穴の大きさは根鉢の2倍~3倍ほどが目安です。このとき、掘り上げた土に腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込んで、アズキナシ好みの土を作っておきましょう。植え付けが完了したら、たっぷりと水やりをして土を落ち着かせます。木が倒れないか心配な場合は、支柱を立てて安定させましょう。
株立ちがおすすめ
植え付ける際におすすめなのが、株立ちのアズキナシです。株立ちとは、成長している木を根元で切り落とし、一本の茎から茎や枝が複数に分かれて立ち上がっている状態をいいます。幹が細いため風通しがよく、軽やかで自然な雰囲気を感じさせる点が魅力です。しかも樹高をある程度抑える効果があるため、やや狭い庭でもアズキナシのような高木種を育てられるという利点もあります。
株立ちは自然の趣きを感じさせる樹形に仕上がることや、高さをある程度抑制できることが、日本人の好みと住宅事情に合っているんだよね。
ただし株立ちの樹木はある程度育っているため、苗木としては高価です。購入する際は予算と相談して決めましょうね。
育て方のポイント③水やり
基本的に地植えで育てるアズキナシは、根付いた後は水やりする必要はありません。雨水だけで充分育ちます。ただし夏場で日照りが続いたときなど、乾燥がひどい場合は様子を見て水やりしましょう。
育て方のポイント④肥料
アズキナシはそれほど肥料を必要としません。落葉期の1月~2月に、寒肥を与えるだけでOKです。根に直接肥料が触れないように、株の周辺に穴を掘って肥料を植えこみましょう。与える肥料は固形の油粕や骨粉などの有機質肥料、もしくは緩効性肥料がおすすめです。
育て方のポイント⑤剪定
アズキナシは自然な樹形を楽しむのが基本の樹木です。むしろ、下手に剪定すると、かえって樹形を乱してしまいます。そのため強剪定はNGです。混み入った枝や伸び過ぎた枝を取り除く程度にとどめておきましょう。枝の途中で切ると樹形が乱れてしまうため、分枝しているところから短い枝を残して切り落とします。なお、剪定の適期は12月~3月です。
育て方のポイント⑥病気・害虫対策
アズキナシは非常に頑丈な樹木です。そのため病気や害虫によって枯れる心配はほとんどありません。強いてあげるならば、アブラムシ、カイガラムシ、毛虫といった害虫が発生することがあります。害虫の食害によって枯れることはありませんが、見た目が悪くなってしまいます。これらの害虫が発生する時期に薬剤散布して防除しましょう。
アブラムシやカイガラムシの場合、排泄物からスス病が発生することがあるんだ。病気を防ぐためにも、害虫駆除はきちんと行おうね。
アズキナシの増やし方
植物を増やす方法は挿し木や接ぎ木、株分けなどいろいろありますが、アズキナシを増やす方法としては、挿し木が一般的です。ここではアズキナシの挿し木方法について紹介します。挿し木の適期は6月~7月上旬です。
挿し木の手順
- まずは挿し穂を作る。その年に伸びた若い枝を10cm~15cm程度の長さに切り取り、葉を半分ほど除去すればOK。
- 挿し穂を水揚げしてから、挿し木用の用土に挿す。発根するまで明るい日陰に置き、水切れしないように管理する。
まとめ
アズキナシは育てやすいうえに、花も実も楽しめる素敵な樹木です。用途が広く、シンボルツリーや雑木の庭作り、果実酒も楽しめます。栽培に慣れれば、盆栽にもできますよ。機会があれば、ぜひアズキナシを理想の庭づくりに役立ててください。
アズキナシのほかにも、ヤマボウシ、ソヨゴ、カツラ、エゴノキといった庭木の人気品種が、株立ちの樹木として市場に出回っているんですよ。