ミヤマキンバイに似た植物と特徴
高山に夏の訪れを知らせる花として人気があるミヤマキンバイには、見た目や花の色がそっくりな植物がたくさんいます。そこで高山植物のプロでも見分けるのが難しい、ミヤマキンバイそっくりな植物5種を紹介します。
植物①シナノキンバイ
シナノキンバイは、ミヤマキンバイと同じ生育域をもつ高山植物です。学名は「Trollius japonicus」で、漢字では「信濃金梅」と書きます。見た目はミヤマキンバイによく似ていますが、バラ科のミヤマキンバイに対して、シナノキンバイはキンポウゲ科に属します。
開花時期と花言葉
シナノキンバイは7月~8月にかけて開花時期を迎えますが、地域によっては6月下旬に開花することもあります。シナノキンバイの花言葉には「恋」もあるのですが、一方で「呪い」という怖い花言葉もあります。
植物②ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲはミヤマキンバイと同じく高山植物ですが、バラ科のミヤマキンバイとは違いキンポウゲ科に属します。学名は「Ranunculus acris var. nipponicus」で、和名は「深山金鳳花」です。通気性の良い土より湿り気のある土を好むため、山の雪渓の周辺に多く自生します。
開花時期と花言葉
雪解け後に花が咲き始めるキンポウゲは、早ければ6月下旬~7月、北海道などでは7~8月が開花時期の目安です。なお花言葉は「多彩な人」「無邪気」「乙女の愛」など、かわいい花のイメージにピッタリな言葉が多いです。
植物③ミヤマダイコンソウ
ミヤマダイコンソウは、ミヤマキンバイと同じくバラ科に属する高山植物です。高さが10~30cmと低いので、強風に強いのが特徴です。学名は「Geum calthifolium var. nipponicum」で、漢字では「深山大根草」と書きます。同じバラ科の植物なので、葉の形や光沢感はミヤマキンバイとよく似ています。
開花時期と花言葉
ミヤマダイコンソウは、主に7~8月が開花時期です。名前は地味ですが、ミヤマダイコンソウの花言葉はハッピーなものが多いです。なお主な花言葉には「前途洋々」「幸せを招く」「希望にあふれる」があります。
植物④キジムシロ
キジムシロはミヤマキンバイと同じくバラ科キジムシロ属の植物ですが、高山植物ではありません。九州・南西諸島から北海道まで日本全国で見られる植物ですが、丘陵地や海岸の岩場などを生育地としています。なおキジムシロの学名は「Potentilla fragarioides var. major」です。
開花時期と花言葉
丘陵地や草原などでよく見かけるキジムシロの開花時期は、4~8月と長いです。地域によって開花のタイミングは違いますが、九州地方などでは春の風物詩にもなっています。なおキジムシロの花言葉は「明るく輝いて」です。
和名は「雉莚」
キジムシロの和名は「雉莚」で、名前の由来は独特な株の形にあります。花の周りの葉が放射状に広がり株を作るのですが、その姿が莚(ワラや竹などを編んで作った敷物)で休む雉(きじ)に似ているため「雉莚」という名前がつけられたといいます。
植物⑤イワキンバイ
イワキンバイ(岩金梅)は、バラ科キジムシロ属の植物です。山の岩場で主にみられるだけでなく、ミヤマキンバイのようなこぎり葉を持ち黄色い花を咲かせるため、最も見分けるのが難しいといわれています。学名は「Potentilla ancistrifolia var. dickinsii」です。
開花時期と花言葉
標高の低い山の岩場や礫地に自生するイワキンバイは、6~8月に開花時期を迎えます。地域によっては梅雨明け直後に開花が始まるため、初夏を告げる花としても知られています。イワキンバイの花言葉は不明ですが、キジムシロの仲間なので「明るく輝いて」と同じようにポジティブになれる花言葉があるのでしょう。
ボタニ子
たくさんあると見分けがつきにくそう…。そこで次のページからはさらに簡単な見分け方を紹介します。