似た植物とミヤマキンバイとの違い
ミヤマキンバイとよく似た植物を見分けるポイントは、それぞれの植物の違いに注目することです。そこでよく似た植物とミヤマキンバイと見分けるための違いを紹介します。
シナノキンバイの場合
シナノキンバイは、生育域・開花時期がミヤマキンバイと同じなので見分けがつきにくいのですが、花の大きさを比べるとシナノキンバイの方が大きいのがわかります。また花の付け根がオレンジ色のミヤマキンバイに対して、シナノキンバイは付け根も黄色です。
ミヤマキンポウゲの場合
ミヤマキンポウゲとミヤマキンバイの違いは、花の大きさに注目するとわかります。ミヤマキンバイの花は直径2cm以上ありますが、ミヤマキンポウゲの花は直径約1cmとひとまわり以上小さいです。そのため花の大きさに注目するだけでも見分けることができます。
ミヤマダイコンソウの場合
ミヤマダイコンソウの花は直径1.5~2cmなので、ミヤマキンバイと比べるとやや小ぶりです。ただし茎から生える葉の直径が最大12cmまで成長するため、葉の大きさの違いに注目するのが見分け方のポイントです。
不思議な形の実をつける
ミヤマダイコンソウの実は、実の表面にとげのようなものがついています。このとげは種を遠くまで運ぶ働きがあり、衣服や動物の毛にくっつきます。いわゆる「くっつきむし」と呼ばれる実の一種です。
キジムシロの場合
キジムシロとミヤマキンバイは、生育域の違いで見分けることができます。ミヤマキンバイは亜高地・高地に自生しますが、キジムシロは丘陵地や草原、海岸などに自生します。
イワキンバイの場合
ミヤマキンバイと見た目も生息域もよく似ているイワキンバイですが、最もわかりやすい違いは「茎から葉が生えること」です。ほかにも違いはありますが見分けることが難しいため、葉の位置の違いに注目するのがポイントです。
開花時期の違いも見分けるポイント
7~8月に開花時期を迎えるのがミヤマキンバイですが、イワキンバイはそれよりも少し早い6~7月が開花時期です。そのため開花時期の違いから、ミヤマキンバイとイワキンバイを見分けることもできます。
ミヤマキンバイと似た植物を簡単に見分けるコツ
ミヤマキンバイと似た植物の特徴・違いを紹介しましたが、似た植物の多くは生育域・開花時期も似ているため、実際に見分けるのは野草のプロでなければ難しいといいます。そこで最後に初心者でも簡単に見分けるコツを紹介します。
大きな花を咲かせている場合は?
少し離れた場所からでもはっきりと花の形がわかるほど大きい花であれば、シナノキンバイであると判断できます。特に山をバックに写真を撮った時、花の輪郭がわかるほどのサイズであればほぼ間違いなくシナノキンバイです。
背が高く花が小さい場合は?
高山植物の1種であるミヤマキンバイとミヤマキンポウゲは、背の高さもほとんど変わりません。ただし遠くから全体を見たとき、ひょろ長い印象があればミヤマキンポウゲの可能性が高くなります。さらに花の大きさを比べたときに「小粒だな」と感じたら、ミヤマキンポウゲと判断します。
葉が丸い形をしている場合は?
バラ科に属するミヤマキンバイは、イチゴの葉のようにふちがのこぎり歯になっています。これに対して同じ黄色い花を咲かせるミヤマダイコンソウの葉は、全体的に丸みのある形をしています。そのため葉の形が丸いと感じたら、ミヤマダイコンソウと判断できます。
まとめ
厳しい環境の中でたくましく生きるミヤマキンバイは、山の夏を彩る人気の高山植物です。北海道など特に寒さが厳しい地域では7~8月が開花時期ですが、中部地方では5月頃から花が始まります。また日本百名山の中にもミヤマキンバイの名所はありますので、登山をと併せてミヤマキンバイ見物を楽しんではいかがですか?