アメリカフウロの特徴
北米原産のアメリカフウロは越年草として知られ、どちらかといえば観賞用というよりも雑草としての扱いをされてしまう植物です。生息期間は春~秋の時期で、フウロソウ目フウロソウ科フウロソウ属アメリカフウロ種とされています。アメリカフウロは花期になると、葉腋から伸びる花柄の先に、淡紅色をした約0.5cmほどの花を数個つける特徴があります。果実は約2cmくらいで5個の種子があり、果実が熟す頃には葉は赤く紅葉してきます。
アメリカ産の帰化植物
アメリカフウロはフウロソウ科フウロソウ属の帰化植物とされています。帰化植物とは元々は日本に存在しなかった外来種ですが、日本に根付いて定着している草花のことを指します。今では北から南の全土に生える草花という特徴が目立ちます。繁殖の勢いや高さのある強い雑草ともいえます。そのためアメリカフウロは珍しい品種ではなくなり、いつでも見かける雑草という見方のほうが強い植物です。
フウロ野に生える草花
このアメリカフウロ(亜米利加風露)という名は、アメリカ原産のフウロソウ(風露草)という意味を持っています。一説によればフウロソウとは、周囲が木々で囲まれた環境である出入り口が一か所だけの「フウロ野」に生える草だからという意味があります。それは多少の悪条件や厳しい環境でもそこに同化してしまう能力があるという証拠です。今ではアメリカフウロはすっかり日本の土地で安住しているといえます。
ゲンノショウコと似ている
アメリカフウロの見た目は、どことなくゲンノショウコ(現の証拠)に似ています。同じ仲間ということで似通っている草花でもあり、フウロソウ科フウロソウ属の草花であることからもよく比較されます。ゲンノショウコそのものは昔から薬効が期待されていて、重宝され続けている植物です。日本では「三大民間薬」の一つに数えられています。神輿のような形の種子ができるのも特徴的です。その際は長い毛がたくさん生えてきます。
ヒメフウロと間違われる
日本には昔からフウロソウ科で姫風露(ヒメフウロ)と呼ばれる草花が存在します。実はアメリカフウロとヒメフウロは類似していることで見間違われることが多いとされています。ヒメフウロの場合、花径は1cm程度でアメリカフウロより大きく、5月初旬くらいから路肩や道端で開花するためその生態もよく似ています。ただしヒメフウロの自生種は滋賀県伊吹山、もしくは徳島県剣山といった限られた石灰岩地に生えているものです。
ミコシグサとも呼ばれている
アメリカフウロは花期になると約7ミリ前後の小さな花を咲かせます。雑草というイメージが強い草花ではありますが、その花は白や紫がかっていてとても小さく可憐な印象を与えてくれます。やがて夏の開花が終わった頃になると、ちょっと変わった形の実がなります。それが徐々に黒く変わり開いて種子を蒔き始めるようになります。実の形がまるでお神輿の装飾に似ていることから「ミコシグサ」と呼ばれるようになりました。
種子を自動散布する
先述してあるように、アメリカフウロは花が終ると長さ約2cmくらいの果実を形成します。その果実の先端には、5つに分かれた花柱が残るのも特徴的です。この5つ果実の基部に種子が入った袋が形成されてきます。時間が経過し熟成すると、果実が下から割れて反り返るようになり、そこから種子を投げ飛ばすという習性を持っています。このように、アメリカフウロは自分から種子を放出します。
ボタニ子
次からはアメリカフウロの薬効について解説しますよ!