ノミノツヅリとノミノフスマとの違い
ノミノツヅリによく似た名前の「ノミノフスマ」という植物もあります。ノミノフスマの和名は「蚤の衾」です。「衾」とは「夜具」を意味する言葉で、ノミノフスマの葉がノミの布団のように見えたのが由来しています。そんなノミノフスマとノミノツヅリとの違いをご紹介します。
生息場所
ノミノツヅリは道端や野原など、やや乾燥した地域に生えている植物です。それに対してノミノフスマは田んぼや畑など、水気のあるような湿った場所に多く自生しています。
花
ノミノツヅリは花びらの先が丸く、雄しべは薄いピンク色をしています。しかしノミノフスマは花びらの先に切り込みがあり、雄しべは黄色をしているので咲き姿で見分けられます。ノミノフスマの花は色や形などがハコベによく似ていますが、ハコベに比べて花や葉のサイズがとても小さいのが特徴です。
葉
ノミノフスマの葉は対生しており、ノミノツヅリの葉の付き方と同じです。しかし、ノミノフスマは葉の長さが1cm〜3cmほどあり、ノミノツヅリより2倍〜3倍ほどの大きさがあります。そのため「ノミの着物」よりも「ノミの布団」のほうがぴったりなサイズですね。
ノミノツヅリの仲間
ノミノツヅリは約300種あり、地中海沿岸やヒマラヤ、中央アジアやアンデス山脈などに広く分布しています。そんなノミノツヅリと同じ「ノミノツヅリ属」に分類される植物で、日本に生息している植物をご紹介します。
カトウハコベ
「加藤泰秋」という人物が発見したため「カトウハコベ」と名付けられました。早池峰山で発見された植物で、小型の多年草に分類されます。草丈は約5cm〜10cmと小柄で、6mmほどの小さな花を咲かせるのが特徴です。
チョウカイフスマ
高山植物に分類されているノミノツヅリ属の植物です。開花時期は7月〜8月で15mmほどの白い花を咲かせます。山形県を代表する花としても親しまれており、山形県の学校で校章などにも多く使用されています。
まとめ
ノミノツヅリの開花時期や特徴、ノミノフスマとの違いやノミノツヅリの仲間などをご紹介しました。雑草に分類されますが、いくつも枝分かれをする繊細さや、かわいらしい花を咲かせる魅力的な植物です。外にお出かけしたときには、白くてきれいなノミノツヅリをぜひ探してみてくださいね。
- 1
- 2