ミヤコグサ(都草)とは?
ミヤコグサ(都草)は、春から夏にかけて道ばたや海岸沿いに鮮やかな黄色い小花を咲かせる草花です。北海道から沖縄まで広い範囲に分布しているため、見かけたことのある方も多いのではないでしょうか?野に咲く花ですが、放任でも育つ剛健さからグランドカバーとしてもおすすめの植物です。そこで今回は、ミヤコグサの特徴と家庭での育て方、植え付けや施肥など管理のコツを詳しく解説します。
基本情報
学名 | Lotus corniculatus var. japonicus |
科名 | マメ科 |
属名 | ミヤコグサ属 |
和名 | ミヤコグサ(都草) |
別名 | エボシグサ(烏帽子草) |
原産地 | 日本 |
分布 | 日本各地の草地や海岸沿い 中国・台湾・朝鮮半島 |
草丈 | 15~30cm |
花期 | 4~7月 |
花色 | 黄 |
名前の由来
昔は都に多く自生していいたため「ミヤコグサ」と名付けられました。しかし、この都が奈良なのか、京都なのかはわかっていません。また、漢名を「ミャコングサ(脈根草)」といい、この名が訛ってミヤコグサになったという説もあり名前の由来は定かではありません。別名の「エボシグサ(烏帽子草)」は、花の形が烏帽子に似ていることに由来しています。
ミヤコグサの特徴
ミヤコグサは、春から夏に黄色い花を咲かせるマメ科の多年草です。日本各地の海岸沿いや野原など日当たりのよい場所に自生しています。低い草丈が地面を這うように伸びることが特徴で、小花が群生している様子は美しい絨毯が敷かれているようです。ミヤコグサの特徴について、花の大きさや葉の枚数、実の様子など詳しくご紹介します。
花
ミヤコグサは、一つの花茎に鮮やかな黄色い花を1~3輪咲かせます。この花はマメ科特有の「蝶形花(チョウケイカ)」と呼ばれる形をしています。花の大きさは1~1.5cmほどで、蝶が飛んでいるようなかわいらしい小花です。花期が長いことが特徴で、花の数を減らしながら春から夏まで咲き続けます。同じような黄色い花を咲かせるセイヨウミヤコグサ(西洋都草)によく似ていますが、花の数が少ないことで見分けることができます。
ボタニ子
ボタ爺
セイヨウミヤコグサについては、次ページの「ミヤコグサに似た植物」で紹介するぞ。
葉
ミヤコグサの葉は、5枚の小葉をもつ奇数羽状複葉です。細い茎の付け根から出る2枚葉と、茎の先から出る頂小葉の3枚の複葉からなります。少し厚みのある濃い緑色の葉です。冬は枯れてしまいますが、春には芽を出し元気に成長します。
実
花が咲き終わると2cm程度の細長い筒状の実をつけます。一つの鞘には20個ほどの実が入っていて、この実が黒く熟すと鞘が弾けて、中から種子が飛び散る仕組みです。種は茶色で、1~1.5mmの少しゆがんだ楕円形です。こぼれ種から自然に発芽しますが、鉢植えや花壇などで育てたい場合は飛び散る前に種を採り、冬の間は冷蔵庫で保管しておきましょう。採取した種は秋にまきます。
ミヤコグサの花言葉
ミヤコグサの花言葉は「また会う日まで」です。この花言葉の由来は分かっていませんが、都を去るとき野辺に咲く可憐な花にさまざまな想いを込めた、と考えると風情のある花言葉と思えますね。また他にも「気まぐれな心・復讐・恨みを晴らす」など少し怖い花言葉もあります。残念ながら贈り物には不向きな花といえるでしょう。
ボタニ子
ミヤコグサの育て方と、ミヤコグサに似た植物について次ページでご紹介します。
蝶形花とは、左右相称で蝶の形に似た花をさします。インゲン豆などマメ科の植物に多く見られる花の形です。