トキソウの育て方
今では人工的に品種改良されたり、自生地が少なくなっている希少価値なトキソウですが、この品種を育てるとした時、どのような点を注意しながら栽培すればよいのでしょうか?育て方のポイントは何でしょうか?ここでは、トキソウの主な育て方についてご紹介します。
育て方で大切な日当たりや置き場
トキソウの育て方で大切なのが日当たり場所です。春や夏などの開花時期にはなるべく日当たりの良い場所を選びましょう。さらに風が通る場所が最適です。ポイントとしては高山植物の自生地に近い状態にします。湿度を保つために周辺に水打ちなどをしておくとよいでしょう。冬は休眠をするため戸外で冬越しはできます。ただし東北や北海道など雪深い地域では、霜よけ用シートをかぶせておくと効果的です。
育て方に大切な水やり方法
トキソウの育て方では、水やりの方法にも工夫が必要です。水やりは季節によって変えていきます。春の葉がある時期には、土が乾いたら十分な水やりをします。生育期の6月末ごろまでは上から水やりしないよう注意します。葉がすっかり展開するようになれば、上から水やりして大丈夫です。秋になって葉が変色したら水やりを減らし休眠させます。冬の休眠期間中の水やりはほとんど必要ありません。
育て方で重要な肥料
トキソウの育て方では肥料を与えることも大切です。肥料を混ぜる時期は、根が増えていく春から葉が成長する6月末ごろまでが最適です。油かすの固形肥料を月1回くらい、草花用液体肥料を2,000倍に薄めて月3回くらい与えます。株の成長が終わる7~10月は、リン酸を含んだ液体肥料を3,000倍に薄めて月2~3回程度与えます。冬の休眠中は肥料を与えないようにしましょう。
育て方に欠かせない用土
トキソウの植え替えや植え付けのための用土は、水はけがよい砂系用土へコケなどを少量混ぜたものを使用するとよいでしょう。桐生砂小粒、硬質鹿沼土小粒、軽石小粒を均等に配合し、山ゴケ、ヤシ殻チップの細かいものを混ぜて作ります。他にも洋ラン用ミックスコンポストを用土にしても可能ですが、水やりの調整が必要になってきます。
植え付けと 植え替えの方法
トキソウの植え替えをする時期は休眠期間中です。11~2月に小さめな鉢に植え替えます。3号鉢に3~4球を目安に、植え付けや植え替えをしましょう。花芽がついた根茎と葉芽がついた根茎をバランスよく散らして、適度に植え付けや植え替えをします。しなびた球根を取り除いて古い根を少し残し植え付けます。球根の下1/3から半分弱くらいを植え付け、新芽が伸びる方向にスペースを空けるよう植え替えなどをします。球根がぐらつかないよう、針金で押さえて植え付けるとよいでしょう。
トキソウの増やし方
トキソウの増やし方では株分けをします。2月下旬~3月上旬ごろが最適です。増やし方のコツは、地下茎にできた芽の3~5芽くらいを目安に手で株分けします。大きめのかたまりになるようにわけるといいでしょう。芽を乾かさないようすばやくすることが増やし方のポイントです。丸みがある芽は花になり、細いものが葉になる芽です。花芽が鉢の中心にくる植え付けをすれば、開花時に映えて見える増やし方になるでしょう。
ムカゴでの増やし方
トキソウの増やし方として、「ムカゴ」を利用することがあります。ムカゴとは、わき芽が養分を貯えて大きくなった部位のことを指します。トキソウは休眠状態に入ると自然とムカゴを作って分離します。それを保管しておくとよいでしょう。春先に改めてムカゴを植え付けるという増やし方です。
トキソウの病害虫は?
トキソウの育て方でやはり気になるのは病気と害虫です。トキソウに特有な病気というのは特にありません。ただし害虫は存在します。トキソウにとっての害虫といえばハダニ、ナメクジが代表的です。ハダニが発生するのは湿度の低さが原因ですので、その際は環境を見直して最適に保つようにしましょう。ナメクジは芽やつぼみを食べるので、やはり予防を心がけましょう。
花がら摘みと枯れ葉取り
害虫や病気の予防対策の一つとして、花がら摘みや枯れ葉取りもするように心がけましょう。花期が過ぎて花が傷み始めたら花だけ摘みとるようにします。ただし新芽は同時進行で成長している最中です。折ったり抜いたりしないよう気をつけてください。枯れ葉取りは葉先に枯れが生じてきたら、消毒したハサミで切り捨てるようにします。
まとめ
トキソウはきれいでかわいい花を咲かせる草花として親しまれています。花期が終わってしまうとつい手入れを忘れがちになります。花後の手入れが翌年の開花を左右します。日当たりのよい場所で株元を乾かさないように株分けしておきましょう。もしトキソウを手に入れたら正しい育て方を身につけておいてくださいね。自然界では絶滅危惧種になりつつある植物です。ぜひトキソウの栽培や株分け、植え替えにもチャレンジしてみてください。
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