植物紋⑨菊(キク)
現在、天皇家が使われてる御紋は、菊の御紋です。そのことからも、キクの家紋は有名であり、見たことのある人も多いのではないでしょうか。現在天皇家が使われてい御紋は、天皇家以外は使えません。
基本情報
学名 | 品種による |
分類 | キク科キク属 |
種類 | 多年草草本 |
原産地 | 品種による |
花期 | 品種によるが、ほぼ1年中開花している |
キクの特徴
キクとは、キク科キク属の草本です。家菊・栽培菊と呼ばれるもの、タンポポなどのような野菊と呼ばれるものに分かれます。家紋として使われているのは、家菊・栽培菊と呼ばれるもので、野菊より大輪の目立つ花を咲かせます。家菊は日本では外来種ですが、奈良時代~平安時代に中国から入ってきました。
日本を象徴する花
現在、キクはパスポートなどにも描かれ日本を象徴する花として扱われています。そのきっかけは、鎌倉時代までさかのぼり後鳥羽上皇が、キクの花を家紋として使ったことだとされています。
キクの家紋
キクは、昔は日本には小さな野菊しかありませんでした。その後、中国から今の家菊とされているものが入ってきて、今までとは違う形のキクの花と美しさに当時の貴族たちは虜になったとされています。このことから、菊紋が生まれ、のちに天皇家の御紋になりました。
菊花紋章
天皇家のみが使える家紋です。血族である宮家であっても使えません。菊紋と呼ばれるものは、キクの葉や茎・花などを組み合わせた紋のことで、菊花紋章は菊紋とは呼びません。
十六菊
パスポートに使われている菊紋です。菊花紋章とは、若干デザインが異なっています。
植物紋⑩桜(サクラ)
春になると、一斉にピンク色の花を咲かせるサクラも家紋の1つとして知られています。家紋としてはすでに平安時代から使われていた木本です。現在では、サクラは公共機関などの紋として多く利用されています。100円玉の模様としても採用されています。
基本情報
学名 | 品種による |
分類 | バラ科スモモ属(サクラ属) |
種類 | 木本 |
原産地 | 品種による |
花期 | 品種によるが、春が多い |
サクラの特徴
サクラは、バラ科スモモ属の落葉樹である木本の総称です。種類としては、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、エドヒガンなどがあげられます。日本全土でなんらかのサクラの品種が生育されていて、日本固有種も存在します。日本人にとっては、なじみのある親しみやすい木本です。
サクラの花柄は長い
同時期に咲くウメやモモと見間違えられることも多いサクラですが、ウメとモモとは圧倒的な違いがあります。それは、花柄の長さです。ウメとモモは花柄が短いですが、サクラは長いです。
サクラの家紋
サクラは、平安時代ごろから家紋して扱われるようになりました。由来の一説には、京都にある平野神社の神紋がサクラだったからというものがあります。サクラは、古来から親しまれている木本だったため多くの人に好まれた家紋でしたが、武士たちは散り際の潔さからあまり使われなかったとされています。
植物紋⑪藤(フジ)
春に紫色の花を咲かせることや、藤棚などで有名なフジも家紋になっている植物の1つです。フジの家紋はカタバミと同じく日本十大家紋の1つとして知られています。
基本情報
学名 | Wisteria floribunda |
分類 | マメ科フジ属 |
種類 | つる性の木本 |
原産地 | 日本固有種 |
花期 | 4月~5月 |
フジの特徴
フジはつる性の木本で長い花序を垂れ下げて、紫色の花を咲かせるのが特徴です。フジのつるは、右巻きと左巻きが存在しており、違う名前を付けられています。観賞価値の高い花で、さまざまな園芸品種があります。
夜は葉を閉じる
マメ科の植物は、夜になると葉を閉じる運動を行います。その運動はマメ科であるフジにも確認され、フジの葉も夜になると葉を閉じる特徴があります。
フジの家紋
フジの家紋は、植物紋のなかでも多くみられる家紋ですが、フジが家紋となった由来は日本で最も栄えた藤原の一族が関係しているといわれています。また、フジは長寿で繁殖力も旺盛な木本です。そんなフジの様子が子孫繁栄の縁起を担ぎ、藤紋が生まれたという説があります。藤紋が広まったのは、藤原の一族が家紋に使っていたことから、それにあやかろうとして使う人が多くなったからとされています。
下がり藤
藤紋の種類はたくさんありますが、なかでも多くの家紋になっていて、藤紋の基本形態がこの下がり藤です。著名人でも多く使われており、黒柳徹子さんやみのもんたさんなども使用しています。
まとめ
植物紋は、草本・木本問わずさまざまな植物が使われていました。花の美しさや丈夫さ、繁殖力が旺盛な点などさまざまなことが由来となっています。身近なところにあっても気にしなければ目につかない家紋ですが、ぜひ自分の一族の家紋が植物紋かどうかを調べてくださいね。