トックリランの育て方
トックリランの栽培は手間がかからず、暖地での地植えは雨の水分だけで十分成長します。一方鉢植えは、四季を通じてかわいい姿を室内でも楽しめます。園芸初心者さんでも栽培できますので、育て方のポイントをお伝えしましょう。
①置き場所
春~秋は戸外の日光がよく当たる、風通しのよい場所に置くのがポイントです。真夏の直射日光は葉焼けしますので、園芸品店で扱う遮光ネットを活用しましょう。鉢植えを室内で楽しむ場合、日あたりのよい窓辺に飾り、鉢回しをするとバランスのとれた樹形になります。
ボタニ子
ボタ爺
特に室内で1方向から日光を受けると、全体のバランスが悪くなる。鉢をときどき回転させると、きれいな葉姿になるのじゃ。
②水やり
成長期の春から秋は土が乾いたら、たっぷりと水を与えます。10月~翌年4月ごろまでは、土の表面が白っぽく乾いてから数日後に水やりをしましょう。干ばつでも生き残れるよう、基部に水を貯えるトックリランは、水の与え方が育て方のポイントです。
ボタ爺
トックリランの育て方では、水やりをマスターすることが大事じゃ。
③肥料
丸みを帯びた株元に水分を貯えているトックリランですが、適切に肥料を与えると、より美しく育ちます。園芸初心者の方が肥料を与えるタイミングに迷ったら、次のリストを参考にしてくださいね。
肥料の種類 | 時期 |
緩効性肥料 | 春と秋に各1回 |
速効性液体肥料 | 月に1~2回水分として |
④用土
鉢植えの場合には水はけがよく、肥えた用土が向いています。赤玉土7:小粒の軽石3、もしくは赤玉土5:腐葉土5の割合を目安にしましょう。元肥として緩効性肥料をミックスしておくのが栽培のポイントです。
ボタ爺
園芸の初心者は園芸品店にある「観葉植物の土」や「多肉植物の土」を利用してもよいのじゃ。
⑤植え替え
鉢底穴から根がはみだしたり、基部が大きく育ったりしたら植え替えどきです。適期は5~7月、鉢から土ごとトックリランを土ごと抜き、半分ほど根土を取り除いたら、傷んだ根をカットします。今より1回り大きい鉢に植え変えましょう。
植え替えのポイント
- 植え替え適期は5~7月。
- 鉢底から根がのぞいたり、基部が鉢いっぱいに育ったりしたとき。
- 一回り大きい鉢に植え替える。
⑥冬越え
日本の暖地なら地植えでも越冬可能です。植木鉢で育てている場合は霜に当てないように、室内に取り込むことをおすすめします。冬は日の当たる場所で乾燥気味に育て、肥料を与える必要はありません。エアコンの風が直接当たらない場所に置きましょう。
⑦増やし方
実生と挿し木で増やせます。実生は用土に種を置いたら、種の厚さ3倍ぐらいの土(約1cm)でおおうと1ヶ月程度で芽がでます。根が張ったら鉢に植えましょう。挿し木の場合切り戻しで出た枝を、用土にしっかり挿しておくのがポイントです。2ヶ月ほどで根がしっかり出てきたら鉢に植えます。
ボタニ子
トックリランの種は育苗ポットに植えると管理がしやすいです。
ボタ爺
種まき・挿し芽専用の土もある。栽培初心者にはおすすめじゃ。
⑧剪定
トックリランが育ち過ぎたり、樹形が悪くなってきたら剪定しましょう。剪定作業の1つに「切り戻し」があり、幹をカットする方法がおすすめです。剪定道具は清潔なものを使用します。数ヶ月すると、芽が出てきますので1~3個残して残りは切除するとよいでしょう。
剪定のポイント
- 葉を剪定するのではなく、幹の先端を切り戻す。
- 剪定に使う鋸やハサミは清潔なものを使用する。
- 剪定の適期は5~7月。
⑨病害虫
病気
トックリランに水を与え過ぎると基部ががしぼみ、葉が茶色や黄色に変色しはじめます。これは根腐れの初期症状で、放置するとすす病になってしまいますから、すぐに水を捨て日光に当てて土を乾かせば回復する見込みがあります。
害虫
4~10月にカイガラムシやハダニが発生するかもしれません。カイガラムシは幼虫は薬剤で、成虫は古い歯ブラシなどでこすり取ります。同時期にあらわれるハダニは葉裏から栄養分を吸い、葉にかすり状の模様が現れますので、すぐに薬剤駆除するのがポイントです。
ボタ爺
害虫がついた枝を剪定してもよい。園芸は日々観察して早期対処するのがポイントじゃ。
ボタニ子
次にトックリランの飾り方を紹介します!
ぼた爺、鉢回しってなに?