ゼニアオイとウスベニアオイ
上の画像は「ウスベニアオイ」ですが、ゼニアオイとよく似ていますね。ゼニアオイはウスベニアオイの変種とされています。ウスベニアオイもアオイ科ゼニアオイ属に属する品種で「コモンマロウ」の名で親しまれています。この「マロウ」ですが、一般的にゼニアオイ属全般をそう呼称する場合が多いので、混乱されるかもしれませんね。
ゼニアオイとウスベニアオイの違い
ゼニアオイとウスベニアオイの違いで一番わかりやすいのは花の色です。白から薄いピンクはウスベニアオイで、濃いピンクから紫がゼニアオイといったところなのですが、実のところは曖昧です。その他にも葉の形状や繊毛の有無などが判断基準となりますが、交配による中間種もあるため、明確な境目がないのが現状です。
ボタニ子
ゼニアオイの育て方
園芸品種も作られているゼニアオイですが、こぼれ種で野生化するほどの強健さですから、苦手とする高温多湿の環境を避ければ育て方はむずかしくありません。注意する点としては、アオイ科の植物ということで、ワタノメイガ(ハマキムシ)の被害にあいやすいことでしょう。
①環境
ゼニアオイの好む生育環境は、日当たりが良く風通しのよい場所です。水はけ、水持ちのよい土に腐葉土を混ぜ込んでおけば、追肥はさほど考えなくてもよいでしょう。人の手の入らない場所でも繁殖するほどの丈夫な植物ですから、初心者向きのハーブともいえます。
②種まき・植え付け
種まき
種まきの時期は4月~6月ごろ。秋まきなら9月も可能です。上の画像のように、前の年のこぼれ種で発芽しているようでしたら、根を傷つけないように掘り起こして移植してもよいでしょう。根は直根性なので基本的には直まきにします。最終的に1mほどに成長しますので、株間は50cmほどあけましょう。
植え付け
ポット苗の植え付けは3月~5月ごろ、または9月~11月上旬ごろに行いましょう。また、この時期は鉢植えの植え替えにも適しています。根が鉢いっぱいに回りきっているようでしたら、一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けをして植え替えましょう。
③水やりと肥料
水やり
地植えの場合、水やりは降雨のみで大丈夫です。根さえしっかり張っていれば、野生化している植物ですから手をかける必要はありません。鉢植えの場合のみ、鉢土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るぐらいたっぷり水やりをしましょう。表面が湿っているのに必要以上に水を与えるのは根腐れの原因となります。
肥料
必要であれば、春の成長期と秋の花後に緩効性肥料を与えてもよいでしょう。もともと道端に自生している植物です。多肥は株全体が徒長し、倒れやすくなる原因になります。基本的に土を選ばない植物ですので植えっぱなしで大丈夫です。過保護にする必要はありません。
次のページではゼニアオイの育て方をご説明します。