トキワマンサクの育て方
トキワマンサクは丈夫で育てやすい樹木です。生垣やシンボルツリーなどの用途によって管理方法が異なることはありますが、特に難しいことはありません。基本的な育て方のポイントを押さえて、用途にあった方法で管理すれば美しくすこやかな姿を維持できるでしょう。
育て方①栽培環境
トキワマンサクが好むのは、日当たりのよい場所です。耐陰性があるため、半日陰でも育ちますが、日当たりがよいほうが花つきがよく丈夫な樹木に育ちます。寒冷地の冬越しは厳しいため、寒冷地で栽培する場合は、鉢植えにして冬の間は暖かい室内で管理する方法がおすすめです。どうしても地植えにしたい場合は、寒風が当たりにくい南側に植栽しましょう。
育て方②用土
トキワマンサクが好むのは、水はけも水もちもよい肥沃な用土です。自分で用土を作る場合は、赤玉土(中粒)5:完熟腐葉土またはバーク堆肥5の配合で作りましょう。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土でも問題ありません。
育て方③水やり
トキワマンサクの水やりは、栽培方法や樹木の状態によって異なります。鉢植え、地植えでも植え付けてから2週間未満の根が張っていない苗は、土の表面が乾いたら水やりしましょう。地植えしてから2週間以上たち、根が張ったなら水やりする必要はありません。ただし、トキワマンサクは乾燥が苦手です。地植えでも日照りが続き、乾燥がひどい時期は水やりしましょう。
育て方④肥料
トキワマンサクに肥料を与える時期は、栽培方法によって少し異なります。鉢植え栽培の場合は、3月に施しましょう。肥料の種類は緩効性化成肥料か、花木用の固形肥料がおすすめです。地植えの場合は2月ごろに寒肥として、油粕などの有機質肥料を株元の周辺に埋めます。株の生育状態がよくないときは、9月ごろに追肥しましょう。
育て方⑤植え付け・植え替え
トキワマンサクの植え付けの適期は、4月~5月と9月~10月の年2回です。鉢植えも地植えも、鉢底または植穴に元肥として有機質肥料を入れておきましょう。トキワマンサクの若い苗木は細いため、根が十分に張っていないうちは風などで倒れる恐れがあります。ある程度育つまでは支柱を立てて安定させましょう。
トキワマンサクの鉢植え栽培は、根が鉢底から出てきたら植え替えましょう。適期は植え付け時期と同じ4月~5月と9月~10月です。
育て方⑥剪定
トキワマンサクの剪定時期は、開花後にあたる4月~5月です。開花後以外の時期に剪定すると、花芽を切ってしまい、翌年の花つきが悪くなってしまいます。トキワマンサクは、成長は早いですが枝ぶりはおとなしいため、混みいった枝や枯れた枝を切り落とす程度で十分です。たまに徒長枝が出ることがあります。発見次第切り戻しましょう。
トキワマンサクを剪定する際は、剪定後に枝が伸びることを想定して形を決めようね。芽吹きがよいから、すぐに枝が伸びるんだよ。
育て方⑦病気・害虫対策
トキワマンサクの栽培で、注意すべき病気や害虫は特にありません。トキワマンサクはもともと病気や害虫に強いため、きちんと栽培環境の管理ができていれば大丈夫です。ただし、まれにカイガラムシが発生することがあります。発見次第早急に駆除しましょう。カイガラムシの成虫は殺虫剤が効きにくいため、歯ブラシなどを使ってこすり落とします。
カイガラムシは通気性が悪く、高温多湿な環境で発生しやすい害虫です。気温や用土の湿度、株の通気性に気をつけましょう。
葉が茂り過ぎている状態も、カイガラムシが発生しやすいんだ。剪定作業で枝葉を整理して、風通しのよい状態を維持しようね。
育て方⑧増やし方
トキワマンサクの増やし方は、挿し木で増やす方法が一般的です。適期は7月~8月で、その年に新しく出てきた、元気な太い枝を5cm~7cmほどの長さに切って、下部の葉を除去したら一時間ほど水揚げします。その後、清潔な挿し木用用土に挿して、明るめの半日陰で水切れしないように管理しましょう。発根したら鉢や地面に植え替えます。
トキワマンサクの種類・品種
品種①ベニバナトキワマンサク(紅花常盤万作)
アカバベニバナトキワマンサク根巻き大苗
参考価格: 4,070円
ベニバナトキワマンサク(紅花常盤万作)は、トキワマンサクの変種です。鮮やかな紅色の花と、赤みがかった葉色が特徴で、アカバナトキワマンサク(赤花常盤万作)とも呼ばれています。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
---|---|
育てやすさ | ★★★☆☆ |
品種②シロバナトキワマンサク(白花常盤万作)
白花トキワマンサク
参考価格: 2,198円
シロバナトキワマンサク(白花常盤万作)はトキワマンサクの基本種で、白い花と緑の葉が特徴です。通常はトキワマンサクの名前で出回っていますが、ベニバナトキワマンサクとの区別でシロバナをつけて呼ばれることがあります。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
---|---|
育てやすさ | ★★★☆☆ |
じつはトキワマンサクは、白花種しかなかったころはそれほど人気はありませんでした。紅花種の登場で人気の樹木になったのです。
トキワマンサクの基本種は白花種だけど、紅花種のほうが丈夫で管理しやすいんだよ。この点も人気に火がついた理由だろうね。
トキワマンサクの購入方法
トキワマンサクは人気品種であるため、購入方法も園芸店やネット通販など、幅広い選択肢があります。ただし人気が高いぶん、植え付け時期になると品薄状態になりやすい樹木です。価格は季節や苗木の成長具合によって変わります。用途と予算にあった、状態のよい苗木を確実に手に入れるために、予約できる場合は予約しておくのもよいでしょう。
ネット通販は送料がかかったり、送料無料だったりと、扱っている店によって価格が違います。サイトの紹介文をよく確認しましょう。
花も楽しめる生垣を作ってみよう
トキワマンサクは美しい花とよく茂る葉が魅力的な常緑樹です。生垣に用いれば花も楽しめる美しいものができあがるため、近年人気が高まっています。丈夫で管理もしやすい点も魅力でしょう。大きく育てればシンボルツリーにもなります。用途が広く育てやすいトキワマンサクをガーデニングに取り入れて、より美しい庭を作りましょう。
- 1
- 2
出典:写真AC